運営 / 更新 2026-10-30
総合事業の通所型サービス(従前相当・A・B・C)の担い手・実施方法・単価
総合事業の通所型サービスは、通所介護事業所が要支援者等に提供する従前相当のほか、緩和した基準のA、住民主体のB、保健・医療の専門職による短期集中のCに分かれます。厚生労働省の実施要綱(老発0328第1号)は、それぞれの定義、サービス内容、実施方法、人員等の基準、単価の考え方を示しています。通所介護事業所がどの類型にどう関われるかを、要綱で確認した範囲に絞って整理します(市町村ごとの実施状況・基準・単価は市町村で確認)。
通所型サービスの4類型:旧介護予防通所介護との距離で分かれる
実施要綱は、総合事業の介護予防・生活支援サービス事業を、訪問型サービス、通所型サービス、その他生活支援サービス、介護予防ケアマネジメントで構成すると定めています。通所型サービスは、主に4つの類型が想定されると示されています。
従前相当は旧介護予防通所介護に相当するサービス、Aは主に雇用されている労働者により、または労働者とともにボランティアが補助的に加わった形で提供される、旧介護予防通所介護より緩和した基準のサービスです。Bは有償・無償のボランティア等による住民主体の支援、Cは保健・医療の専門職により提供される3〜6か月の短期間のサービスです。訪問側の同じ区分は総合事業の訪問型サービス(従前相当)の指定・単価・請求で整理しています。
要綱は、旧介護予防訪問介護等との整合性の観点から、通所型サービスのサービス内容は、保健・医療の専門職による3〜6か月の短期間のサービス(C)を除いて、旧介護予防通所介護のサービス内容の範囲内で実施するとしています。要綱が示すのは典型例で、市町村は地域の実情に応じてサービスの内容を定めます。
この記事で決めること
通所介護事業所が、総合事業の通所型サービスの4類型(従前相当・A・B・C)について、定義・担い手・実施方法(事業者指定・委託・補助・直接実施)・人員等の基準・単価の考え方を、厚生労働省の実施要綱で確かめ、自社が関われる類型を見分ける。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、総合事業の通所型サービスへの関わり方の整理表(市町村ごとの実施類型、自社が関われる方法と必要な基準、単価の定め方、人員と送迎の見込み)を作成できる状態を目指します。
4類型の比較(実施要綱の記載)
実施要綱の記載を並べると次のとおりです。事業者として指定を受けて請求する形が示されているのは、従前相当とAです。BとCは、補助、直接実施、委託といった別の形が示されています。
| 項目 | 従前相当 | A(緩和した基準) | B(住民主体) | C(短期集中) |
|---|---|---|---|---|
| 担い手 | 通所介護事業者の従事者 | 主に雇用されている労働者、または労働者とボランティアが補助的に加わる形 | 有償・無償のボランティア等 | 保健師、看護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士等 |
| サービス内容 | 施設に通わせ、入浴、排せつ、食事等の介護等の日常生活上の支援と機能訓練 | 閉じこもり予防や自立支援に資する通所事業(ミニデイサービス、運動、レクリエーション活動など) | 体操、運動等の活動、趣味活動等を通じた日中の居場所づくり、定期的な交流会、サロン、会食 | 生活行為の改善を目的とした介護予防プログラムを、おおよそ週1回以上実施 |
| 実施方法 | 事業者指定 | 原則として委託または事業者指定 | 原則として補助(助成) | 直接実施または委託 |
| 人員・設備・運営基準 | 旧介護予防サービス等の基準の規定の例により、市町村が定める基準 | 地域の実情に応じて市町村が定める | 地域の実情に応じて市町村が定める | 地域の実情に応じて市町村が定める |
| 単価 | 国が定める額を勘案して市町村が定める | 事業者指定は介護予防訪問介護等の単価を踏まえた単価を勘案して市町村が定める。委託は市町村が定める金額 | 支援の内容に応じて市町村が補助単価を設定 | サービスの内容に応じて市町村が設定。介護予防訪問介護等の単価を上限としない |
従前相当:指定を受けて、旧介護予防通所介護の基準の例による
従前相当の通所型サービスは、事業者の指定による方法で実施します。人員・設備・運営の基準は、旧介護予防サービス等の基準に定める旧介護予防通所介護の規定と、介護保険法施行規則第140条の63の6第1号に規定する厚生労働大臣が定める基準(令和3年厚生労働省告示第71号)の例により、市町村が定める基準によるとされています。
サービス内容は、要支援者等について、介護予防を目的として、施設に通わせ、その施設で一定の期間、入浴、排せつ、食事等の介護等の日常生活上の支援と機能訓練を行うものです。要綱は、この内容を旧介護予防通所介護のサービス内容の範囲内とする整理です。
単価は、国が定める額(令和3年厚生労働省告示第72号)に定める単価を勘案して、市町村が地域の実情に応じて定めます。要綱は、市町村に、サービス単価を設定するにあたって、地域の実情に応じ、ふさわしい単価を定めるよう求めています。同じ指定の仕組みは総合事業の訪問型サービス(従前相当)の指定・単価・請求にもあり、請求の流れは同じ考え方で確かめられます。
通所型サービスA:緩和した基準で、指定か委託で関わる
通所型サービスAは、省令第140条の63の6第2号に規定する基準または市町村の定める基準に基づく、旧介護予防通所介護より緩和した基準のサービスです。サービス内容の例として、ミニデイサービス、運動、レクリエーション活動が挙げられています。
実施方法は、原則として委託または事業者指定です。人員・設備・運営基準は、旧介護予防訪問介護等に相当するサービス以外のものとして、地域の実情に応じて市町村が定めます。市町村が基準を定めるときに、法令により必ず守るべき事項は、従事者の清潔の保持・健康状態の管理、従事者または従事者であった者の秘密保持等、事故発生時の対応、廃止・休止の届出と便宜の提供の4点です。
単価は、事業者指定の場合、介護予防訪問介護等の単価を踏まえた単価を勘案して市町村が定めます。委託の場合は市町村が定める金額で、要綱は、委託では利用者ごとの個別のサービス単価を設定しないことが多いため、従前相当の単価と厳密に比較することになじまないと述べています。ただし、市町村は利用者1人あたりの費用を、介護予防訪問介護等の単価を踏まえた単価を勘案して事業を計画するとされています。
通所型サービスBとC:補助と短期集中は、事業者の指定とは別の経路
通所型サービスBは、住民主体による要支援者等と継続利用要介護者を中心とした、定期的な利用が可能な自主的な通いの場づくりです。原則として補助(助成)の方法で実施し、単価は、支援の内容に応じて市町村が補助単価を設定します。要綱は、Bを障害者や子ども、要支援者等以外の高齢者等も加わる共生型で実施できること、送迎を実施することも、訪問型サービスDと組み合わせて送迎を別の主体が行うこともできることを示しています。
補助を受けたNPO法人やボランティア等も、総合事業としては基準を守る必要があり、市町村は補助金(助成金)の交付条件にその基準を守ることを定める必要があるとされています。補助の対象や額、事業所のような法人が補助を受けられるかは、市町村の要綱で確認してください。補助の形式の詳細は、訪問側のB総合事業の訪問型サービスB・C・D(住民主体・短期集中・移動支援)の実施方法と補助・単価と同じ考え方で整理されています。
通所型サービスCは、個人の活動として行う排泄、入浴、調理、買物、趣味活動等の生活行為に支障のある人を対象に、保健・医療の専門職が居宅や地域での生活環境を踏まえた評価のための訪問を実施したうえで、おおよそ週1回以上、生活行為の改善を目的とした介護予防プログラムを実施する短期集中予防サービスです。実施方法は直接実施または委託です。
Cの留意事項として、要綱は、3か月を経過した時点で評価を行い、サービス担当者会議等のカンファレンスの結果、継続が生活行為の改善に効果的と判断された場合は、最大6か月までサービスを継続してよいとしています。サービス終了後は地域の通いの場などの社会参加へつなげ、生活機能が低下した場合に再び相談できる相談先を伝えることも挙げています。単価は市町村が設定し、介護予防訪問介護等の単価を踏まえた単価を上限としません。
事業所が市町村の要綱で確かめる項目
要綱は、類型の典型例と、守るべき最低限の事項、単価の考え方を示すだけで、実施する類型、基準、単価の額、指定や委託の手続きは市町村が定めます。事業所を置く市町村の総合事業の要綱と担当窓口で、通所型サービスのどの類型を実施しているかをまず確かめてください。
確かめる項目は、実施している類型、従前相当の指定の手続きと人員・設備の基準、Aの委託や指定の条件と基準、Bの補助の対象となる法人と経費、Cの委託の条件、それぞれの単価の額、送迎の扱いです。利用者の範囲と利用の入口になる介護予防ケアマネジメントは総合事業の対象者(事業対象者)と介護予防ケアマネジメントA・B・C・給付管理で整理しています。
この記事で確認した範囲
確認したのは、厚生労働省の地域支援事業実施要綱(令和4年3月28日 老発0328第1号)の通所型サービスの類型、実施方法、人員・設備・運営基準、単価の記載で、2026年10月30日に読んだ内容です。この資料は令和4年4月1日適用の一部改正までの新旧対照表で、以後の改正はこの資料からは確かめていません。
市町村ごとの実施状況、基準、単価の額、補助の対象、指定や委託の手続きの細目、国が定める額の具体的な数字は確認しておらず、扱っていません。個別の事業所での扱いは、事業所を置く市町村への確認で決めてください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 事業所を置く市町村の総合事業の要綱と担当窓口で、通所型サービスの従前相当・A・B・Cのうち実施している類型を確かめる。実施要綱は4類型を例として示すだけで、どの類型を実施するかは市町村が地域の実情に応じて決める
- 自社の関わり方を、事業者の指定(従前相当・A)、委託(A・C)、補助(B)に分けて書く。従前相当の人員・設備・運営の基準は、旧介護予防通所介護の規定の例により市町村が定める基準によることを前提に、指定を受ける市町村の基準で確かめる
- 単価は、従前相当を国が定める額を勘案して市町村が定める単価、Aの委託とBの補助は市町村が定める額と区分して、市町村の要綱の数字を書く。Cは介護予防通所介護の単価を上限としないが、金額は市町村ごとに異なるため確かめた数字だけを入れる
- 要支援者等の利用見込み、送迎の有無、担当する職員の職種を整理し、通所介護の本体の収支と分けて、総合事業の分の収入と費用を月ごとの表に入れる
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よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
総合事業の通所型サービスには、どんな類型がありますか?
厚生労働省の実施要綱は、旧介護予防通所介護に相当するサービス(従前相当)、緩和した基準によるサービスA、住民主体の支援B、保健・医療の専門職による3〜6か月の短期集中サービスCの4つを主な類型として示しています。どの類型を実施するかは市町村が定めます。
通所介護事業所は、総合事業の通所型サービスにどう関われますか?
要綱では、従前相当は事業者の指定、Aは委託または事業者の指定、Bは原則として補助、Cは直接実施または委託が実施方法として示されています。自社の関わり方は、事業所を置く市町村がどの類型をどの方法で実施しているかで決まります。
総合事業の通所型サービスの単価は、いくらですか?
金額は全国共通ではありません。従前相当は国が定める額を勘案して市町村が定め、AとBとCはサービスの内容に応じて市町村が設定します。Cは介護予防訪問介護等の単価を上限としないとされ、実際の額は市町村の要綱で確かめます。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。