運営 / 更新 2026-10-15
総合事業の訪問型サービスB・C・D(住民主体・短期集中・移動支援)の実施方法と補助・単価
総合事業の訪問型サービスB・C・Dは、従前相当や訪問型サービスAと違い、住民主体の支援、保健・医療の専門職による短期集中の支援、移動支援や送迎前後の付き添い支援の3類型です。厚生労働省の実施要綱(老発0328第1号)は、それぞれの定義、サービス内容、実施方法、単価の考え方を示しています。訪問介護事業所が自社の事業とどう関わり得るかを、要綱で確認した範囲に絞って整理します(市町村ごとの実施状況・基準・補助額は市町村で確認)。
この記事で決めること
訪問介護事業所が、総合事業の訪問型サービスB・C・D(従前相当・訪問型サービスA以外の類型)の定義・サービス内容・実施方法(補助・直接実施・委託)・単価の考え方を、実施要綱で確認し、自社の事業との関わり方を判断するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、総合事業の訪問型サービスB・C・Dの市町村別確認表を作成できる状態を目指します。
訪問型サービスB・C・Dの定義:担い手と実施方法が従前相当と違う
実施要綱は、訪問型サービスを、従前相当(訪問介護員等によるサービス)と訪問型サービスAを含め、主に5つの類型が想定されると示しています。そのうち、従前相当とAに続く3つがB・C・Dです。
Bは有償・無償のボランティア等により提供される住民主体による支援、Cは保健・医療の専門職により提供される3〜6か月の短期間で行われるサービス、Dは介護予防・生活支援サービス事業と一体的に行われる移動支援や移送前後の生活支援です。従前相当と訪問型サービスAは総合事業の訪問型サービス(従前相当)の指定・単価・請求と総合事業の訪問型サービスA(緩和した基準)の担い手・基準・単価で整理しています。
実施要綱は、旧介護予防訪問介護との整合性の観点から、訪問型サービスのサービス内容は、保健・医療の専門職により提供される3〜6か月の短期間のサービス(C)を除いて、旧介護予防訪問介護のサービス内容の範囲内で実施するとしています。
3類型の比較(実施要綱の記載)
実施要綱の記載を、B・C・Dで並べると次のとおりです。実施方法の行を見ると、事業者の指定を受けて請求する形が示されているのは従前相当と、委託とあわせて示されているAです。B・C・Dは別の形(補助・直接実施・委託)が示されています。
| 項目 | B(住民主体) | C(短期集中) | D(移動支援等) |
|---|---|---|---|
| 担い手 | 有償・無償のボランティア等、住民主体の自主活動 | 保健・医療の専門職(保健師、看護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士等) | 要綱に定めなし(人員・設備・運営基準はBに準じる) |
| サービス内容 | 買い物代行、調理、ゴミ出し、電球の交換、布団干し、階段の掃除などの生活援助等 | 居宅を訪問して生活機能の問題を総合的に把握・評価し、相談・指導等を行う短期集中予防サービス | 通院等をする場合の送迎前後の付き添い支援、通所型サービス等の送迎を別主体が実施する場合の送迎 |
| 実施方法 | 原則として補助(助成) | 直接実施または委託 | Bに準じる |
| 期間 | 要綱に定めなし | 3〜6か月(3か月で評価し、効果的と判断されれば最大6か月) | 要綱に定めなし |
| 単価 | 支援の内容に応じて市町村が補助単価を設定 | サービスの内容に応じて市町村が設定。介護予防訪問介護等の単価を上限としない | Bに準じる。付き添い支援は移送の直接経費を対象としない |
訪問型サービスB:住民主体の補助事業で、基準の遵守が交付条件になる
訪問型サービスBは、原則として補助(助成)の方法で実施されます。実施要綱は、補助(助成)を、地域において活動しているNPO法人やボランティア等に対して、要支援者等及び継続利用要介護者へのサービス提供等を条件に、立ち上げ経費や活動に要する費用を補助するものと説明しています。
補助の対象経費は市町村の裁量で、立ち上げ支援、活動場所の借り上げ、サービスの利用調整等を行う人件費などの間接経費、ボランティア活動への奨励金(謝礼金)などを対象にできます。一方、施設整備の費用(軽微な改修を除く)と、直接要支援者等に対する支援等と関係ない費用(従業員の募集・雇用、広告・宣伝に要する費用等)は対象にできないとされています。
補助を受けた団体も、総合事業としては、法第115条の45第1項第1号イからハまでの事業を施行規則第140条の62の3第2項に基づいて実施する必要があります。そのため市町村は、補助金(助成金)の交付条件等に、この基準を守ることを定める必要があるとされています。法令で必ず守る事項は、従事者の清潔の保持・健康状態の管理、秘密保持等、事故発生時の対応、廃止・休止の届出と便宜の提供の4点です。
利用者負担は、補助の形式で実施されるサービスについて、提供主体が自主的に実施するものであることから、提供主体が定めることも可能とされています。補助の対象や額、事業所のような法人が補助を受けられるかは、市町村の要綱で確認してください。
訪問型サービスC:保健・医療の専門職が関わる3〜6か月の短期集中
訪問型サービスCは、特に閉じこもり等の心身の状況のために通所による事業への参加が困難で、訪問による介護予防の取り組みが必要と認められる人を対象に、保健・医療の専門職が居宅を訪問して実施する短期集中予防サービスです。その生活機能に関する問題を総合的に把握・評価し、社会参加を高めるために必要な相談・指導等を行います。
実施方法は直接実施または委託です。委託は、法第115条の47第4項の規定により、市町村が施行規則第140条の69に定める基準に適合する者へ総合事業の実施を委託して行うものと整理されています。従前相当のような事業者の指定とは別の経路です。
実施要綱は、留意事項として、対象者がしたい、またはできるようになりたい生活行為を、興味・関心チェックシート等で具体的な目標にすること、3か月を経過した時点で評価を行い、サービス担当者会議等のカンファレンスの結果、継続が効果的と判断された場合に最大6か月まで継続できること、サービス終了後は地域の通いの場などの社会参加に資する取組につなげること、生活機能が低下した場合に再び相談できる相談先を伝えることを挙げています。
単価は市町村がサービスの内容に応じて設定し、保健・医療の専門職が関与するため、介護予防訪問介護等の単価を踏まえた単価を上限としないとされています。要綱は担い手を保健・医療の専門職としているため、自社の職員構成で関われるかは市町村の要綱で確認してください。
訪問型サービスD:移動支援や送迎前後の付き添い支援
訪問型サービスDのサービス内容は、実施要綱で2つに分けられています。通院等をする場合における送迎前後の付き添い支援と、通所型サービスや一般介護予防事業における送迎を別主体が実施する場合の送迎です。実施方法・人員等の基準・単価は、訪問型サービスBに準じるとされています。
対象経費は2つで違います。通院等の送迎前後の付き添い支援は、移送に関する直接経費は対象とならず、サービスの利用調整の人件費等の間接経費のみが対象です。送迎の支援は、間接経費のほか、ガソリン代等の送迎にかかる実費、車両購入費等に対する補助等を、費用の効率性の観点から市町村が判断するとされています。
介護保険の訪問介護には通院等乗降介助があります。算定要件は訪問介護の通院等乗降介助の算定要件と単位数、運転者の要件は訪問介護の通院等乗降介助・送迎の運転者要件で確認できます。総合事業のDはこれとは別の枠組みで、市町村の基準と補助で決まります。
訪問介護事業所の事業計画での扱い方と、このページの範囲
B・C・Dの実施方法は、補助・直接実施・委託で、事業所が指定を受けて第1号事業支給費を国保連経由で受け取る形(従前相当、および指定による場合の訪問型サービスA)とは経路が違います。売上の見込みを立てるときは、事業所の所在する市町村と、利用者が住む市町村が、どの類型を実施しているかを先に確認します。
当サイトのシミュレーターは、介護給付の訪問介護を前提にしています。総合事業の収入は、市町村ごとの単価・補助額と基準で決まるため、基本報酬の結果とは別の行で見込みます。含めない範囲はシミュレーターが計算しない加算・減算の範囲で確認できます。
介護給付の人員基準は訪問介護の人員基準にあり、B・C・Dで何が求められるかは市町村の要綱で確かめてください。
このページが確認したのは、厚生労働省の「地域支援事業の実施について」(令和4年3月28日老発0328第1号)の実施要綱のうち、訪問型サービスの③④⑤(B・C・D)、提供方法、補助(助成)の留意事項、人員・設備・運営基準、単価、利用者負担の部分です(2026-10-15に確認)。
個別の市町村がB・C・Dを実施しているか、補助や委託の対象になる法人の条件、金額は確認していません。参入や連携の可否は、事業を行う市町村の担当窓口で確認してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 事業所の所在地と利用者が住む市町村ごとに、訪問型サービスB(住民主体)・C(短期集中)・D(移動支援等)を実施しているか、実施方法が補助・直接実施・委託のどれかを、市町村の案内で確かめて記録する
- 補助や委託の対象になる法人の条件、対象経費、法令で必ず守る4点(清潔の保持・健康管理、秘密保持、事故発生時の対応、廃止・休止の届出と便宜の提供)の交付条件を、市町村の要綱で取り寄せる
- Cで専門職の確保が求められる場合は、保健師・看護職員・理学療法士等の職種を自社で確保できるかと、3〜6か月の期間・評価の手順を確かめ、市町村が設定する単価の式を控える
- Dで送迎や付き添い支援を考える場合は、補助の対象経費(間接経費のみか、ガソリン代等の実費や車両購入費まで含むか)を確かめ、介護給付の通院等乗降介助とは別の行で収入と費用を見込む
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。