運営 / 更新 2026-10-15
総合事業の対象者(事業対象者)と介護予防ケアマネジメントA・B・C・給付管理
総合事業の訪問型サービスを使えるのは、要支援者だけではありません。厚生労働省の実施要綱(老発0328第1号)は、対象者を「居宅要支援被保険者等」とし、基本チェックリストで判定される事業対象者も含めています。利用までの入口になる介護予防ケアマネジメントの3つの類型と、給付管理の扱いも要綱に定めがあり、訪問介護事業所が総合事業の依頼を受ける前に確認したい点を、要綱で確認した範囲に絞って整理します(市町村ごとの運用は市町村・地域包括支援センターで確認)。
この記事で決めること
訪問介護事業所が、総合事業の訪問型サービスの利用者(要支援者・事業対象者・継続利用要介護者)の範囲、利用の入口になる介護予防ケアマネジメントの類型、給付管理の扱いの違いを、実施要綱で確認するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、総合事業の利用者区分と依頼の入口の確認表を作成できる状態を目指します。
総合事業の対象者:要支援者のほか、基本チェックリストで判定される事業対象者
実施要綱は、介護予防・生活支援サービス事業を、法第115条の45第1項第1号に規定する居宅要支援被保険者等を対象に実施するとしています。居宅要支援被保険者等には、居宅要支援被保険者のほか、事業対象者が含まれます。
事業対象者は、基本チェックリストの記入内容が、定められた基準のいずれかに該当した人です。基本チェックリストは、介護保険法施行規則第140条の62の4第2号に基づく厚生労働大臣の基準(平成27年厚生労働省告示第197号)の様式第1で、該当基準は同じ告示の様式第2に掲げられています。基本チェックリストの該当が、事業対象者になる条件です。
補助(助成)により実施されるサービスについては、要介護認定による介護給付の居宅サービス等を受ける前から継続的に利用している要介護者(継続利用要介護者)も含まれます。補助で実施される類型は総合事業の訪問型サービスB・C・D(住民主体・短期集中・移動支援)の実施方法と補助・単価で整理しています。
利用の入口:介護予防ケアマネジメントが、サービスの組み合わせを決める
介護予防・生活支援サービス事業は、訪問型サービス、通所型サービス、その他生活支援サービス、介護予防ケアマネジメントから構成されます。要綱は、介護予防ケアマネジメントにより、個々の要支援者等の心身の状況や環境に応じて、要支援者等の選択に基づいて適切な事業を包括的かつ効率的に実施するとしています。
介護予防ケアマネジメントは、要支援者等から依頼を受けて、訪問型サービス、通所型サービス、その他生活支援サービスのほか、一般介護予防や市町村の独自施策、民間企業の生活支援サービスも含め、状態にあったサービスが提供されるよう必要な援助を行う事業です。要綱は、介護予防支援と同様に、地域包括支援センターがアセスメントを行い、目標を設定するものと説明しています。
実施方法は、原則として、市町村の直接実施または委託です。要介護者向けの居宅介護支援との連携は訪問介護のサービス提供・ケアマネ連携・月次報告で確認できます。実施担当者(実施体制)は要綱に別の定めがあり、市町村の案内で確認できます。
介護予防ケアマネジメントの3類型(実施要綱の記載)
要綱は、利用者の状態等に応じて、介護予防ケアマネジメントのプロセスに次の類型が想定されるとしています。要綱では、指定事業者のサービスを利用するケースが主にケアマネジメントAに当たるとされています。
| 類型 | 主な対象のケース | プロセスの特徴 |
|---|---|---|
| A(介護予防支援と同様) | 訪問型・通所型サービスで指定事業者のサービスを利用するケースや、訪問型サービスC・通所型サービスCを組み合わせた複数のサービスを利用するケース等 | 地域包括支援センターがアセスメントでケアプラン原案を作成し、サービス担当者会議を経て決定する。利用者との面接によるモニタリングは少なくとも3か月ごと |
| B(担当者会議やモニタリングを省略) | AやC以外のケース | アセスメントからケアプラン原案の作成まではAと同様に実施しつつ、サービス担当者会議を省略し、間隔をあけて必要に応じてモニタリング時期を設定する簡略化した形 |
| C(基本的に利用開始時のみ) | 補助で実施されるサービス、配食等のその他生活支援サービス、一般介護予防事業の利用につなげるケース | 初回のみ簡略化したプロセスを実施し、その後は地域包括支援センターによるモニタリングは行わない。状況の悪化や相談があった場合にケアマネジメントに移行する |
給付管理:要支援者と事業対象者で扱いが違う
要綱は、要支援者が総合事業を利用する場合には、予防給付の区分支給限度額の範囲内で、予防給付と総合事業を一体的に給付管理するとしています。一方、事業対象者については、指定事業者のサービスを利用する場合にのみ、原則として給付管理を行うとされています。
事業対象者の給付管理の上限額は、市町村が事業の実施要綱等で定めるものです。要綱は、その際の目安として、予防給付の要支援1の区分支給限度額を挙げています。退院直後で集中的にサービスを利用することが自立支援につながると考えられるケース等で、利用者の状態によって区分支給限度額を超える場合は、要支援2の区分支給限度額を上限とするとされています。
月の利用回数や単位の見込みを立てるときは、利用者が要支援者か事業対象者かで上限の考え方が違い、市町村が定める上限額も違い得ます。要介護者の区分支給限度基準額は訪問介護の区分支給限度基準額と利用者負担割合で確認できます。
訪問介護事業所の事業計画での扱い方と、このページの範囲
総合事業の訪問型サービスの売上を見込むときは、利用者の区分(要支援者か事業対象者か)と、市町村が定める単価や上限を確かめます。指定の仕組みは総合事業の訪問型サービス(従前相当)の指定・単価・請求、緩和した基準のサービスは総合事業の訪問型サービスA(緩和した基準)の担い手・基準・単価で整理しています。
当サイトのシミュレーターは、介護給付の訪問介護を前提にしています。総合事業の利用者は、基本報酬の結果とは別の行で見込みます。含めない範囲はシミュレーターが計算しない加算・減算の範囲で確認できます。
このページが確認したのは、厚生労働省の「地域支援事業の実施について」(令和4年3月28日老発0328第1号)の実施要綱のうち、対象者、介護予防ケアマネジメントの事業内容・類型・実施方法、給付管理の部分です(2026-10-15に確認)。
基本チェックリストの質問項目と該当基準の中身、個別の市町村や地域包括支援センターの運用、介護予防ケアマネジメントの報酬は確認していません。依頼を受ける手順は、事業を行う市町村の担当窓口で確認してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 事業を行う市町村ごとに、総合事業の訪問型サービスの利用者が要支援者のほか事業対象者を含むか、介護予防ケアマネジメントの窓口(地域包括支援センター等)がどこかを、市町村の案内で確かめて記録する
- 依頼を受けるときに、利用者が要支援者か事業対象者かと、ケアプランの類型(A・B・C)を確認する欄を、受付の記録様式に設ける
- 事業対象者の給付管理の上限額を市町村の実施要綱で確かめ、要支援1・2の区分支給限度額を目安にした市町村の定めと、利用者ごとの月の利用見込みを照らす
- ケアマネジメントAのモニタリングが少なくとも3か月ごとに行われる前提で、事業所からの利用状況の報告の時期と様式を、地域包括支援センターに確かめて予定表に入れる
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。