参入判断 / 更新 2026-10-14

訪問介護を法人で開業したときの法人事業税:資本金1億円以下の所得割と税率の区分

訪問介護を法人で開業すると、国税の法人税や法人住民税のほかに、都道府県に納める法人事業税があります。このページは、総務省の法人事業税の資料をもとに、法人住民税との違い、資本金1億円以下の普通法人にかかる所得割と税率の区分、複数の都道府県に事務所を置いた場合の納め方を整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護を法人で開業する代表者が、都道府県に納める法人事業税の、法人住民税との違い、資本金1億円以下の普通法人にかかる税割と所得の区分ごとの税率、複数の都道府県に事務所を置いた場合の納め方を、総務省の資料で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、法人事業税の確認表(資本金の額、事務所のある都道府県、所得の見込み、区分ごとの税率、申告先)を作成できる状態を目指します。

法人事業税は、事業に対して都道府県に納める税

総務省の資料は、法人住民税と法人事業税の違いを3つ挙げています。法人住民税は地域社会の一員としての法人自体に課され、法人事業税は法人が行う事業に課されます。

納税先は、法人住民税が都道府県と市町村の両方、法人事業税は都道府県だけです。分け方の基準も、法人住民税は従業者数だけなのに対して、法人事業税は業種の特徴を考えて従業者数のほかに様々な基準が設けられています。

税割は4種類:資本金1億円以下の普通法人は所得割

総務省の資料によると、法人事業税には付加価値割・資本割・所得割・収入割の4種類があり、法人の規模や業種によって、このいずれか、または組み合わせで課税されます。付加価値割と資本割は一定の規模以上の法人だけに課され、まとめて外形標準課税と呼ばれます。

資料の税率の表では、資本金1億円以下の普通法人の課税標準は所得で、課されるのは所得割です。資本金1億円超の普通法人は、付加価値割・資本割・所得割が課されます。

資料の注には、資本金が1億円以下でも外形標準課税の対象に含まれる場合があると書かれています。前事業年度に対象だった法人で資本金と資本剰余金の合計が10億円を超えるもの(令和7年4月1日から)などです。資本金1億円以下の普通法人であれば、まず所得割の区分を見ます。

所得割の税率の区分

総務省の表では、資本金1億円以下の普通法人の所得割は、所得のうち年400万円以下の金額が3.5%、年400万円を超え年800万円以下の金額が5.3%、年800万円を超える金額が7.0%です。所得の増え方に応じて、段階ごとに税率が上がります。

この表は総務省の資料に載っている区分と税率です。自分の法人にどの税率が適用されるかは、事務所のある都道府県の税務担当のページで確認してください。

同じ表で、農協などの協同組合や医療法人といった特別法人は、年400万円を超える金額が4.9%という別の区分になっています。訪問介護を運営する法人が普通法人以外の場合は、このページの区分は当てはまらないので、税務担当に確認してください。

複数の都道府県に事務所を置くとき

総務省の資料によると、複数の都道府県に事務所等がある法人は、事務所等を構えている各都道府県に法人事業税を納めます。各都道府県にいくら納めるかを決めるために、法律は分割基準を設けています。

訪問介護で、別の県にサテライトや出張所を置いて、それが事務所等に当たる場合は、その県にも法人事業税を納めることになります。事務所等に当たるかと分割基準の具体は、都道府県の定めを確認する必要があります。

開業計画への入れ方

所得割は所得に対する税なので、利益が見込めない開業初期は、赤字でも払う税と分けて考えます。赤字でも払う税は「訪問介護を法人で開業すると赤字でもかかる法人住民税の均等割:区分と年額の目安」、赤字を後の黒字から引く仕組みは「訪問介護の開業初期の赤字を引き継ぐ青色欠損金の繰越控除:10年の期限と条件」で扱っています。

開業時の費用は「訪問介護の開業費用」、税務署に出す届出は「訪問介護を法人で開業したときの税務署への届出:青色申告の承認申請書の期限」で整理しています。

このページの範囲

このページが確認したのは、総務省の法人事業税の資料(2026-10-14に取得)です。外形標準課税の対象になる範囲の細かい条件、医療法人などの特別法人の扱い、特別法人事業税、都道府県ごとの適用税率は確認していません。

個別の法人の税額、課税の対象になるかどうか、申告書の書き方は判断しません。事務所のある都道府県の税務担当か、顧問税理士に確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 資本金の額が1億円以下か超かを書き、事務所を置く予定の都道府県を行に並べる
  2. 事業年度ごとの所得の見込みを、年400万円以下、400万円超800万円以下、800万円超に分けて書く
  3. 各都道府県の税務担当のページで、自分の区分に当たる税率を確認して表に写す
  4. 複数の都道府県に事務所を置く場合は、分割基準で各都道府県に配分されることを前提に、申告先と納期を顧問税理士と確認する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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