運営 / 更新 2026-10-03

訪問介護の開業後の義務カレンダー(感染症・BCP・虐待防止の研修と訓練、処遇改善の実績報告、同一建物の判定書類)

訪問介護の事業所には、開業後に繰り返し行う義務が時期ごとにあります。感染症・業務継続計画・虐待防止の研修と訓練、処遇改善加算の実績報告、同一建物減算の判定書類です。この記事は、これらを時期で並べた運用カレンダーです。条文が「定期的」としか書いていない回数は、断定せずに指定権者へ確認する事項として分けています。

この記事で決めること

開業後に繰り返す義務を、条文や通知で時期が確認できるものと、回数が条文で決まらず指定権者へ確認が必要なものに分けて、時期順に確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、開業後の義務の年間カレンダー(義務・時期・担当者・確認日の台帳)を作成できる状態を目指します。

時期が決まっているものと決まっていないものの区別

運営基準(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準)は、研修や訓練を「定期的に」実施するよう求めます。条文で回数が決まっているのは、感染症対策の委員会の「おおむね6月に1回以上」だけです。

処遇改善加算の実績報告と同一建物減算の判定書類は、通知で期限が決まっています。次の表は、条文が定める時期と、指定権者へ確認する事項を分けて並べたものです。

開業後の義務の時期(運営基準第30条の2・第31条・第37条の2はe-Govの現行条文で確認、取得2026-10-03)
義務条文が定める時期指定権者へ確認すること
感染症の予防・まん延防止の委員会(第31条第3項第1号)おおむね6月に1回以上開催し、結果を訪問介護員等に周知する記録の様式と保存の扱い
感染症の研修・訓練(第31条第3項第3号)「定期的に実施」とのみ定める年に何回以上を求めるか、新規採用時の扱い
業務継続計画(BCP)の周知・研修・訓練・見直し(第30条の2第2項・第3項)研修と訓練は「定期的に実施」、計画の見直しは「定期的に」行うとのみ定める年に何回以上か、訓練の形(机上・実地)
虐待防止の委員会・研修(第37条の2第1号・第3号)委員会は「定期的に開催」、研修は「定期的に実施」とのみ定める開催の回数と、研修の記録に残す項目

年間カレンダー(時期が確認できたもの)

次の表は、時期が確認できたものを並べています。条文が回数を決めていない研修と訓練は、事業所が年間計画で月を割り当てます。提出書類の作成月と重ならないように決めると、担当者の作業が集中しません。

時期ごとの確認事項(研修・訓練の月は事業所の年間計画で決める)
時期やること根拠
おおむね6月に1回以上感染症の予防・まん延防止の委員会を開き、結果を訪問介護員等に周知する運営基準第31条第3項第1号
3月15日まで同一建物減算の判定書類(後期分)を作成する。90%以上なら都道府県知事へ提出し、90%未満でも2年間保存する留意事項通知(老企第36号)
9月15日まで同一建物減算の判定書類(前期分)を作成する。提出と保存は後期分と同じ留意事項通知(老企第36号)
最終の加算の支払があった月の翌々月末日まで処遇改善加算の実績報告書(様式3)を指定権者へ提出し、根拠資料と2年間保存する老発0313第6号
年間計画で決める月BCP・感染症・虐待防止の研修と訓練を、定期的に実施できる日程へ割り当てる運営基準第30条の2・第31条・第37条の2

処遇改善加算の実績報告の期限の数え方

処遇改善加算の実績報告は、各事業年度の最終の加算の支払があった月の翌々月末日までに提出します。たとえば令和8年度は、令和9年3月分の加算の支払が令和9年5月なので、通常は令和9年7月31日が期日です。

提出先と提出方法は指定権者が案内します。要件と実績報告書で報告する内容は介護職員等処遇改善加算の要件と実績報告で整理しています。

同一建物減算の判定書類は年2回

同一敷地内建物等に居住する利用者へサービスを提供する事業所は、前期(判定期間3月1日から8月31日)は9月15日まで、後期(判定期間9月1日から2月末日)は3月15日までに、判定書類を作成します。割合が90%以上なら都道府県知事へ提出します。計算式と正当な理由の例は同一建物減算の判定と提出書類にあります。

BCP・感染症・虐待防止の義務の違い

3つの義務は、条文の求める内容が少しずつ違います。BCPは周知・研修・訓練に加えて計画の見直しも求められます。感染症は委員会・指針・研修と訓練、虐待防止は委員会・指針・研修に加えて担当者の配置が求められます。虐待防止の条文に訓練は含まれません。

内容は虐待防止・BCPの未実施減算と衛生管理等(感染症対策)の3つの措置で確認できます。年に何回行えば足りるかは条文では決まっていないため、指定権者の案内を確認し、確認した日と窓口を記録に残します。

指定権者へ確認する事項

回数、記録の様式、保存の扱い、提出方法は、条文だけでは決まらないものがあり、指定権者によって案内が異なることがあります。確認の一覧は指定権者に確認する事項の一覧にあります。この記事は時期の整理で、運営指導で適合と判断されることを保証するものではありません。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 感染症の委員会(おおむね6月に1回以上)の開催月を年間の予定に入れる
  2. BCP・感染症・虐待防止の研修と訓練の回数と月を、指定権者の案内を確認して決める
  3. 同一建物減算の判定書類(9月15日・3月15日)と、処遇改善加算の実績報告の期日を台帳へ入れる
  4. 毎年度の初めに、台帳の時期と担当者を見直し、期日の前に提出書類の下書きを済ませる

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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