運営 / 更新 2026-10-23

通所リハビリテーションの指定基準:常勤の医師・利用者10人ごとの従業者・面積

通所リハビリテーション(デイケア)は、事業所に通ってリハビリテーションを受けるサービスで、指定は都道府県知事が行います。この記事は、訪問介護の事業者が通所リハビリテーションを事業に加えられるかを考えるときに、指定居宅サービス基準第110条〜第112条・第114条・第115条と、介護保険法第71条・第72条を読み、従業者の員数、面積の決まり、計画の作り方を整理したものです。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

指定するのは都道府県知事:医療機関や老健は「みなし指定」の仕組みがある

介護保険法第41条第1項は、居宅介護サービス費の対象を、都道府県知事が指定する者(指定居宅サービス事業者)から受けた居宅サービスと定めています。通所リハビリテーションも訪問介護と同じ指定居宅サービス基準の中にあり、市町村長が指定する地域密着型サービスではありません。

基準第110条の基本方針は、要介護状態となっても、利用者が可能な限り居宅で、その有する能力に応じて自立した日常生活を営めるよう、生活機能の維持や向上を目指し、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを行うことと定めています。通所介護の基準は、この記事では読んでいません。

この記事で決めること

訪問介護の事業者が通所リハビリテーション(デイケア)を事業に加えられるかを考えるときに、指定する者、医療機関や老健のみなし指定、従業者の員数、専用の部屋等の面積、計画の作成の基準を条文で確かめ、自社に足りない点を洗い出すための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、通所リハビリテーションの基準チェック表(事業主体が病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院のどれに当たるか・医師の候補と常勤の可否・予定する利用定員と利用者数ごとに必要なリハ職・看護職員・介護職員の人数・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の人数・3平方メートルに利用定員を掛けた必要面積と専用の部屋等の面積・計画を作る医師とリハ職の体制・都道府県の担当窓口に確かめた日と回答)を作成できる状態を目指します。

病院・診療所と、介護老人保健施設・介護医療院には特例がある

介護保険法第71条第1項は、病院等が保険医療機関の指定を受けたとき、その開設者に、厚生労働省令で定める種類の居宅サービスの指定があったものとみなすと定めています。ただし、開設者が別段の申出をしたときなどは、この限りではありません。介護保険法施行規則第127条は、この種類に、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーションなどを挙げています。

第72条第1項と施行規則第128条は、介護老人保健施設や介護医療院が開設の許可を受けたときに、訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションについて、同じようにみなし指定の対象としています。みなし指定を受ける医療機関や施設の開設の手続きは、この記事では読んでいません。

訪問介護の事業者が通所リハビリテーションを事業に加えるときは、これらの特例に当たる事業主体かどうかによって、従業者の員数の確かめ方が変わります。指定申請の手順は、施行規則第120条が申請書の記載事項を定めていますが、この記事では読んでいません。

従業者の員数:医師は常勤1以上、リハ職・看護職員・介護職員は利用者10人ごと

基準第111条第1項第1号は、医師を、指定通所リハビリテーションの提供に当たらせるために必要な1以上の数と定めています。第3項により、この医師は常勤でなければなりません。

第2号イは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員(看護師・准看護師)または介護職員について、単位ごとに、利用者が10人以下なら提供時間を通じて専らその提供に当たる者が1以上、10人を超えるなら利用者数を10で除した数以上を確保することを求めています。たとえば利用者が25人なら、25を10で除した2.5以上が必要になります。介護予防通所リハビリテーションと同じ事業所で一体的に運営している場合は、その利用者も含めて数えます。

ロは、イの人員のうち、専らリハビリテーションの提供に当たる理学療法士、作業療法士または言語聴覚士が、利用者100人またはその端数を増すごとに1以上確保されていることを求めています。

診療所の特例、老健・介護医療院のみなし、介護予防との一体運営

第2項は、事業所が診療所である場合の特例を定めています。イの人数の決まりは同じ形で、そのうえで、専らその提供に当たる理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、または通所リハビリテーションやこれに類するサービスに1年以上従事した経験を持つ看護師が、常勤換算方法で0.1以上確保されることを求めています。診療所の場合は、ロの「100人ごとに1以上」の代わりに、この決まりを使うことができます。

第4項は、事業所が介護保険法第72条第1項でみなし指定を受けた介護老人保健施設または介護医療院である場合に、介護老人保健施設基準第2条または介護医療院基準第4条の人員の基準を満たせば、前項の基準を満たしているとみなせると定めています。これらの施設の基準の中身は、この記事では読んでいません。

第5項は、指定介護予防通所リハビリテーションの指定を併せて受け、同じ事業所で一体的に運営している場合に、介護予防サービス等基準第117条第1項から第4項までの人員の基準を満たせば、前各項の基準を満たしているとみなせると定めています。

設備の基準:専用の部屋等は3平方メートル×利用定員以上

基準第112条第1項は、指定通所リハビリテーションを行うにふさわしい専用の部屋等であって、3平方メートルに利用定員(同時に提供を受けられる利用者の数の上限)を乗じた面積以上のものを有することを求めています。たとえば利用定員が20人なら、60平方メートル以上です。

事業所が介護老人保健施設または介護医療院である場合は、専用の部屋等の面積に、利用者用に確保されている食堂(リハビリテーションに供用されるものに限る)の面積を加えるとされています。第2項は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備と、指定通所リハビリテーションを行うために必要な専用の機械及び器具を備えることを求めています。

計画:医師と理学療法士等が診療や検査を基に作成し、説明・同意・交付

基準第115条第1項は、通所リハビリテーション計画を、医師と専らこのサービスに当たるリハ職などの従業者が共同して作ることを求めています。診療や運動機能検査、作業能力検査等を基に、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、リハビリテーションの目標と具体的なサービスの内容などを記載します。居宅サービス計画がすでにある場合は、その内容に沿って作成します。

計画の内容は利用者またはその家族に説明して同意を得て、作成したら利用者に交付します。リハビリテーションを受けていた医療機関から退院した利用者は、その医療機関が作成したリハビリテーション実施計画書等で、これまでの情報を把握します。サービスの実施状況と評価は、診療記録に記載します。

第114条は、サービスの提供を医師の指示と計画に基づいて行うことのほか、緊急やむを得ない場合を除いて身体的拘束等を行ってはならないこと、行う場合は態様、時間、心身の状況、理由を記録することを定めています。リハビリテーション会議の開催は、構成員と情報を共有するよう「努める」と書かれています。

条文の内容の一覧

ここまでの条文を、項目ごとにまとめます。報酬の単位数と、運営規程などのほかの条文は、この記事では読んでいません。

通所リハビリテーションの指定・人員・設備・計画の基準(居宅サービス基準第111条・第112条・第115条、介護保険法第41条・第71条・第72条)
項目条文の内容根拠
指定する者都道府県知事。病院・診療所、老健・介護医療院にはみなし指定の仕組みがある法第41条第1項、第71条、第72条、施行規則第127条・第128条
医師常勤で、必要な1以上基準第111条第1項第1号、第3項
リハ職・看護職員・介護職員単位ごとに、利用者10人以下で1以上、10人超で利用者数÷10以上基準第111条第1項第2号イ
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士専らリハビリを行う者が利用者100人またはその端数ごとに1以上基準第111条第1項第2号ロ
診療所の特例リハ職または1年以上経験の看護師が常勤換算で0.1以上基準第111条第2項
専用の部屋等3平方メートル×利用定員以上。消火設備と専用の機械及び器具基準第112条
計画医師とリハ職が診療や検査を基に作成し、説明・同意・交付。実施状況と評価は診療記録に記載基準第115条

訪問介護の事業者が確かめる順番

まず、自社の事業主体が、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院のいずれに当たるかを確かめます。いずれにも当たらない場合のことは、この記事の条文からは判断できないため、都道府県の担当窓口に確かめます。

そのうえで、医師の確保、理学療法士などの人数、予定する利用定員と3平方メートルを掛けた面積、計画を作る体制を、チェック表に書いて確かめます。訪問介護の人員の決まりは訪問介護の人員基準(サ責の配置基準・常勤換算2.5・管理者)、同じ居宅サービスの訪問リハビリテーションは「訪問リハビリテーションの指定基準:事業所は病院・診療所・老健・介護医療院に限る」、報酬の単位数は「通所リハビリテーション費の単位数:通常規模型は要介護1で369〜762単位・主な加算」、ほかのサービスとの比較は訪問介護と近いサービスの比較で読めます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 自社の事業主体が、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院のどれに当たるかを書き、当たらない場合は、都道府県の担当窓口に、通所リハビリテーションの指定の進め方を確かめ、確かめた日と回答をチェック表の最初の行に書く
  2. 医師の候補と、常勤にできるかを書き、予定する利用定員から、利用者10人ごとのリハ職・看護職員・介護職員の必要数と、利用者100人ごとのリハ職の必要数を計算して、候補者と照らし合わせる
  3. 予定する専用の部屋等の面積と、3平方メートルに利用定員を掛けた面積を並べ、消火設備と専用の機械及び器具の見込みを書く
  4. 通所リハビリテーション計画を、医師とリハ職がどの診療や検査を基に作るか、説明・同意・交付と診療記録への記載の流れを書き、都道府県に相談して、確かめた日と回答を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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