運営 / 更新 2026-11-05
通所介護の準用規定(基準第105条):訪問介護などから引き継ぐ23条と読み替えの2種類
通所介護の運営基準は、指定基準の第96条から第105条までに置かれ、その最後の第105条が、訪問介護の章などにある23の条文を通所介護にも当てはめる準用規定です。説明と同意、サービスの提供の記録、苦情処理は、通所介護の章を探しても出てきません。この記事では、引き継ぐ条文の一覧、読み替えられる語、通所介護の章に別に置かれた条文を、e-Gov法令検索の原文で整理します。
第105条は、第8条から第52条までの23条を通所介護に当てはめる
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)の第105条は、通所介護の準用規定です。e-Gov法令検索で、2026年11月5日に原文を確認しました。第8条から第17条まで、第19条、第21条、第26条、第27条、第30条の2、第32条から第34条まで、第35条、第36条、第37条の2、第38条、第52条の規定を、指定通所介護の事業について準用すると定めています。
準用とは、別の条文の内容を、読み替えを加えたうえで当てはめることです。通所介護の事業者は、第105条が挙げる条文を、通所介護の運営基準として守ります。これらの条文は、訪問介護の章(第8条から第39条)と、訪問入浴介護の章(第52条)にあります。
| 条 | 見出し |
|---|---|
| 第8条 | 内容及び手続の説明及び同意 |
| 第9条 | 提供拒否の禁止 |
| 第10条 | サービス提供困難時の対応 |
| 第11条 | 受給資格等の確認 |
| 第12条 | 要介護認定の申請に係る援助 |
| 第13条 | 心身の状況等の把握 |
| 第14条 | 居宅介護支援事業者等との連携 |
| 第15条 | 法定代理受領サービスの提供を受けるための援助 |
| 第16条 | 居宅サービス計画に沿ったサービスの提供 |
| 第17条 | 居宅サービス計画等の変更の援助 |
| 第19条 | サービスの提供の記録 |
| 第21条 | 保険給付の請求のための証明書の交付 |
| 第26条 | 利用者に関する市町村への通知 |
| 第27条 | 緊急時等の対応 |
| 第30条の2 | 業務継続計画の策定等 |
| 第32条 | 掲示 |
| 第33条 | 秘密保持等 |
| 第34条 | 広告 |
| 第35条 | 居宅介護支援事業者に対する利益供与の禁止 |
| 第36条 | 苦情処理 |
| 第37条の2 | 虐待の防止 |
| 第38条 | 会計の区分 |
| 第52条 | 管理者の責務 |
この記事で決めること
通所介護(デイサービス)の運営基準のうち、第105条が訪問介護などの章から準用する条文の範囲と読み替え、通所介護の章に別に置かれた条文を知り、運営指導に備えて点検する範囲を決めるための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、通所介護の運営基準の点検表(1枚):第105条が準用する23条と、通所介護の章の第96条・第100条から第104条の4までを行に並べ、条ごとに対応する書類の名前、保管場所、最後に見直した日を書き込む表を作成できる状態を目指します。
読み替えられる語:運営規程は第100条、訪問介護員等は通所介護従業者
第105条は、準用するときの読み替えを2つ定めています。1つ目は、第8条第1項の「第29条」を「第100条」に読み替えることです。第29条は訪問介護の運営規程、第100条は通所介護の運営規程の条文なので、説明と同意の場面で渡す運営規程の概要は、通所介護の第100条の運営規程になります。
2つ目は、「訪問介護員等」を「通所介護従業者」に読み替えることです。対象は、第8条第1項、第27条、第30条の2第2項、第32条第1項、第37条の2第1号と第3号です。たとえば、第27条の緊急時の対応では、利用者に病状の急変が生じたとき、通所介護従業者が速やかに主治の医師への連絡を行う等の必要な措置を講じる、と読みます。
管理者の責務は、訪問介護の第28条ではなく、訪問入浴介護の章にある第52条が準用されます。通所介護の事業者が管理者の責務を確かめるときは、第52条の原文を読みます。
準用されず、通所介護の章に別に置かれた条文
訪問介護の章にある条文のうち、第105条が準用しないものがあります。そのうち、訪問介護の章の条文に対応する主なものが、通所介護の章に次の7つあります。利用料等の受領は第96条、運営規程は第100条、勤務体制の確保等は第101条、衛生管理等は第104条、地域との連携等は第104条の2、事故発生時の対応は第104条の3、記録の整備は第104条の4です。
通所介護の章には、これらに加えて、基本取扱方針(第97条)、通所介護計画の作成(第99条)、定員の遵守(第102条)、非常災害対策(第103条)なども置かれています。準用の一覧だけを見て運営基準を点検すると、これらの条文を見落とすので、第96条から第104条の4までと第105条を合わせて読む必要があります。
第105条の列挙に入っていない条文は、通所介護に適用されない、という意味ではありません。通所介護の章に同じ趣旨の条文があるのか、別の通知で扱うのかは、この記事では条ごとには確認していないので、必要な条文は原文で確かめてください。
準用される条文を、実務の書類に結びつける
第19条の準用により、通所介護の事業者は、サービスを提供した際に、提供日と内容、居宅介護サービス費の額などを記録します。第2項では、提供した具体的なサービスの内容等を記録するとともに、利用者からの申出があった場合に、文書の交付その他適切な方法で、その情報を利用者に提供します。
第32条の準用により、事業所の見やすい場所に、運営規程の概要、通所介護従業者の勤務の体制その他の重要事項を掲示します。第2項により、重要事項を記載した書面を事業所に備え付けて、いつでも関係者が自由に閲覧できるようにすることで、掲示に代えることもできます。第3項は、原則として重要事項をウェブサイトに掲載することを求めています。
契約の前の説明と同意は通所介護の重要事項説明書の記載事項に、運営規程の11項目は通所介護の運営規程に定める事項にまとめています。点検の順序としては、準用される条文を一覧で確かめ、書類がそろっているかを条ごとに表にすると点検しやすくなります。
この記事で確認した範囲と、次に知りたいこと
2026年11月5日に、e-Gov法令検索で、指定基準の第105条の本文と、準用される条文の見出し、第19条・第27条・第32条の冒頭の原文を確認しました。確かめたのは、準用される条文の一覧、読み替えの2種類、通所介護の章に別にある条文の見出しです。
各条の細かな要件(説明と同意の方法、苦情処理の記録、虐待防止の措置の内容、会計の区分の方法)は、この記事では確認していません。厚生労働省の通知と、指定権者の運営指導の案内で確かめてください。
通所介護の勤務体制は通所介護の勤務体制の確保に、事故発生時の対応は通所介護の事故発生時の対応に、利用料は通所介護の利用料と保険外費用にまとめています。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- e-Gov法令検索で指定基準の第105条を開き、準用される23条の見出しを表の行として書き写す
- 読み替え(運営規程は第100条、訪問介護員等は通所介護従業者)を表の備考に書き、自分の事業所の書類の言葉と対応させる
- 通所介護の章の第96条、第100条から第104条の4までを表に加え、条ごとに対応する書類の名前と保管場所を書く
- 書類がない条、古い条を印を付けて洗い出し、各条の細かな要件は通知と指定権者の案内で確かめて見直す日を決める
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第8条・第27条・第29条・第37条・第39条)」(第5条(訪問介護員等の員数)〜第39条(記録の整備)のうち第8条・第27条・第29条・第37条・第39条)(確認日 2026-10-04)
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第九十六条 通所介護の利用料等の受領、第百条 通所介護の運営規程、第百三条 非常災害対策、第百五条 準用、第三十七条の二 虐待の防止)」(第八条、第三十二条、第九十六条、第九十七条、第九十八条、第百条、第百三条、第百四条の四、第百五条、第三十七条の二)(確認日 2026-10-24)