運営 / 更新 2026-10-28
通所介護の勤務体制の確保(第101条):勤務表・委託・認知症介護基礎研修・ハラスメント防止
通所介護の事業者は、居宅基準第101条で、事業所ごとに従業者の勤務の体制を定め、事業所の従業者でサービスを提供し、研修の機会を確保することを求められます。認知症介護の基礎的な研修の受講に必要な措置と、職場のハラスメントを防ぐ方針の明確化も、同じ条の定めです。条文と、厚生労働省の解釈通知(老企第25号)の記載を原文で確認し、事業所が整えるものを順に並べます。
事業所ごとに勤務の体制を定める。解釈通知は月ごとの勤務表を求める(第1項)
第101条第1項は、利用者に適切な通所介護を提供できるよう、事業所ごとに従業者の勤務の体制を定めておくと定めています。事業者全体ではなく、事業所ごとに定めます。
解釈通知は、事業所ごとに、原則として月ごとの勤務表を作るとしています。勤務表で明確にする事項として、通所介護従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、専従の生活相談員・看護職員・介護職員の配置、管理者との兼務関係を挙げています。
勤務表に載せる職種ごとの人員の数は、別の条文の定めです。配置の基準は通所介護の人員基準で確認できます。
この記事で決めること
通所介護事業所が居宅基準第101条で求められる勤務体制の定め、自事業所の従業者によるサービス提供と委託できる業務、研修と認知症介護基礎研修、職場のハラスメント防止の措置を、条文と解釈通知で確認するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、通所介護の勤務体制の確認表(勤務表・委託業務・研修記録・ハラスメント防止の方針)を作成できる状態を目指します。
サービスは事業所の従業者で提供する。委託できるのは処遇に直接影響しない業務(第2項)
第2項は、事業所の従業者によって通所介護を提供しなければならないと定めています。ただし書きで、利用者の処遇に直接影響を及ぼさない業務は、この限りでないとしています。
解釈通知は、原則として事業所の従業者である通所介護従業者によって提供するべきだとしたうえで、調理、洗濯など、利用者の処遇に直接影響を及ぼさない業務について、第三者への委託などを認めるとしています。
研修の機会の確保と、認知症介護基礎研修の受講に必要な措置(第3項)
第3項は、通所介護従業者の資質の向上のために、研修の機会を確保すると定めています。そのうえで、全ての通所介護従業者に、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置を講じると定めています。
この措置の対象から除かれるのは、看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、介護保険法第8条第2項に規定する政令で定める者などの資格を有する人と、これに類する人です。これらの資格のない従業者がいる事業所は、受講させるために必要な措置を講じます。
受講対象の細かい範囲、経過措置、研修を行う機関は、この記事では確認していません。訪問介護の運営基準にはこの定めがない点は認知症介護基礎研修と訪問介護で整理しています。通所介護の対象は、第101条第3項の条文で確認してください。
職場のハラスメントを防ぐ方針の明確化(第4項)と、次に知りたいこと
第4項は、職場のハラスメントで従業者の就業環境が害されることを防ぐため、方針の明確化等の措置を講じると定めています。対象は、職場における性的な言動と、優越的な関係を背景とした言動で業務上必要かつ相当な範囲を超えたものです。
措置の具体的な内容は、条文には書かれていません。職場のハラスメントについて事業主が講ずる措置は、訪問介護事業所の職場のハラスメント防止措置で整理しています。
| 項 | 定めていること | 事業所で整えるものの例 |
|---|---|---|
| 第1項 | 事業所ごとに従業者の勤務の体制を定める | 月ごとの勤務表(通知) |
| 第2項 | 事業所の従業者によって提供する。処遇に直接影響しない業務は除く | 委託している業務が、処遇に直接影響しない業務かの確認(例) |
| 第3項 | 研修の機会を確保し、全ての従業者に認知症介護の基礎的な研修を受講させる措置を講じる(資格を有する人などを除く) | 従業者ごとの資格の一覧(例) |
| 第4項 | 職場のハラスメントで就業環境が害されることを防ぐ方針の明確化等の措置 | 方針を文書にして従業者に知らせる(例) |
確認した範囲と、関連する記事
この記事は、2026年10月28日に確認した条文と、通知の掲載版の記載の確認にとどまります。第3項の受講対象の範囲、第3項・第4項の解釈、地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護の条文は確認していません。
非常災害に備える計画と訓練の定めは通所介護の非常災害対策に、利用者ごとの計画の定めは通所介護計画の作成にあります。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 事業所ごとに月ごとの勤務表を作り、従業者の日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、専従の生活相談員・看護職員・介護職員の配置、管理者との兼務関係が読み取れる形にする
- 調理や洗濯など、利用者の処遇に直接影響を及ぼさない業務だけを第三者に委託する業務として洗い出し、それ以外の通所介護の提供は事業所の従業者で行う体制になっているかを確認する
- 従業者ごとの資格を一覧にし、看護師・准看護師・介護福祉士・介護支援専門員などに当たらない従業者に、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置(受講の計画の例)を決める
- 職場の性的な言動や優越的な関係を背景とした言動で就業環境が害されることを防ぐ方針を文書にして従業者に知らせ、相談の窓口を決める
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
通所介護の勤務表は、どう作りますか?
居宅基準第101条第1項は、事業所ごとに従業者の勤務の体制を定めておくと定めています。解釈通知は、事業所ごとに原則として月ごとの勤務表を作り、日々の勤務時間、常勤・非常勤の別、専従の生活相談員・看護職員・介護職員の配置、管理者との兼務関係を明確にするとしています。
通所介護の業務を、外部に委託できますか?
第101条第2項は、事業所の従業者によって通所介護を提供するのが原則で、利用者の処遇に直接影響を及ぼさない業務はこの限りでないと定めています。解釈通知は、調理、洗濯など、利用者の処遇に直接影響を及ぼさない業務について、第三者への委託を認めるとしています。
通所介護の従業者は、認知症介護基礎研修を受ける必要がありますか?
第101条第3項は、看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員などの資格を持つ人やこれに類する人を除く全ての通所介護従業者に、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置を講じると定めています。受講対象の細かい範囲と経過措置は、この記事では確認していません。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)」(第三 訪問介護に関する基準)(確認日 2026-10-04)
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第百一条 通所介護の勤務体制の確保等)」(第百一条第一項から第四項)(確認日 2026-10-28)