運営 / 更新 2026-10-28

通所介護の非常災害対策(第103条):具体的計画・避難訓練・地域住民との連携・避難確保計画

通所介護の事業者は、居宅基準第103条で、非常災害に関する具体的計画を立て、通報・連携の体制を整え、定期的に避難や救出の訓練を行うことを求められ、運営規程にも非常災害対策を書きます。洪水や土砂災害の危険がある地域では、避難確保計画の作成と市町村長への報告が、水防法と土砂災害防止法で別に求められることがあります。条文と解釈通知(老企第25号)を原文で確認した内容を、事業所が整える順に並べます。

第103条は、具体的計画・通報と連携の体制・周知・定期的な訓練を求める

第103条第1項は、指定通所介護事業者に、4つのことを求めています。非常災害に関する具体的計画を立てること、非常災害時の関係機関への通報と連携の体制を整備すること、それらを定期的に従業者に周知すること、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行うことです。計画を作るだけでなく、従業者への周知と訓練まで条文に入っています。

第2項は、第1項の訓練を行うときに、地域住民の参加が得られるよう連携に努めると定めています。参加が得られることが求められているのではなく、得られるよう連携に努めることが求められています。努力義務の書き方であり、訓練の予定を地域に知らせて参加を呼びかけることが、連携の一つの形になります。

非常災害対策は、運営規程にも書きます。第100条は運営規程に定める事項の一つに非常災害対策を挙げ、解釈通知は、この欄が第103条の非常災害に関する具体的計画を指すものだと書いています。運営規程の記載事項は通所介護の運営規程に定める事項で確認できます。

この記事で決めること

通所介護事業所が居宅基準第103条で求められる非常災害の具体的計画と訓練、運営規程への記載、消防計画の訓練回数、水防法・土砂災害防止法の避難確保計画の義務を、条文で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、通所介護の非常災害対策の確認表(計画・連絡体制・訓練の実施記録)を作成できる状態を目指します。

具体的計画は、消防計画と、風水害・地震などへの計画の両方を指す

解釈通知は、非常災害に関する具体的計画を、消防法施行規則第3条の消防計画(これに準ずる計画を含む)と、風水害、地震などの災害に対処するための計画だと書いています。火災への備えだけでなく、風水害や地震への備えも、具体的計画に含まれます。

消防計画の作成と、それに基づく消防業務の実施は、消防法第8条で防火管理者を置くこととされている事業所では、防火管理者に行わせます。解釈通知は、防火管理者を置かなくてもよい事業所でも、防火管理について責任者を定め、その人に消防計画に準ずる計画を作らせるとしています。

消防法施行規則第3条第1項は、防火管理者が消防計画を作り、別記様式第一号の二の届出書で所轄の消防長または消防署長に届け出ると定めています。消防計画に入れる事項には、消火、通報、避難の訓練の定期的な実施が含まれます。同条第10項は、令別表第一(六)項に掲げる防火対象物の防火管理者は、消火訓練と避難訓練を年2回以上行うと定め、第11項は、訓練の前にあらかじめ消防機関へ通報するよう定めています。

事業所が別表第一のどの項に当たるか、防火管理者の選任が要る収容人員は、この記事では確認していません。所轄の消防署に確認してください。

非常災害に関する3つの定め(e-Gov現行条文、取得2026-10-28)
定め求めていること事業所の側の動き
居宅基準第103条具体的計画、通報・連携の体制、従業者への周知、定期的な避難・救出の訓練。訓練への地域住民の参加に連携して努める計画を作り、連絡先と役割を決め、訓練の記録を残す
消防法施行規則第3条消防計画の作成と消防長・消防署長への届出、消火・避難の訓練(令別表第一(六)項は年2回以上)と事前の通報消防署と相談して消防計画を届け出る
水防法第15条の3・土砂災害防止法第8条の2市町村地域防災計画に定められた要配慮者利用施設の管理者が、避難確保計画を作って市町村長へ報告し、訓練の結果も報告する市町村の防災担当課で、事業所が定められているかを確認する

洪水・土砂災害の危険がある地域では、避難確保計画の作成と報告が別に要る

水防法第15条の3第1項は、市町村地域防災計画に名称と所在地を定められた要配慮者利用施設の所有者または管理者に、利用者の洪水時などの円滑かつ迅速な避難の確保を図るために必要な訓練その他の措置に関する計画を作る義務を課しています。作ったときは、遅滞なく市町村長に報告します(第2項)。変更したときも同じです。

要配慮者利用施設は、水防法第15条第1項第4号ロが、社会福祉施設、学校、医療施設その他の主として防災上の配慮を要する者が利用する施設と書いています。計画の作成義務は、市町村地域防災計画に名称と所在地を定められた施設にかかります。通所介護の事業所が定められているかどうかは、この記事では確認していないため、市町村の防災担当課で確認してください。

第15条の3第5項は、計画に定めるところにより避難の確保のための訓練を行い、その結果を市町村長に報告するよう定めています。第3項は、計画を作っていない場合に市町村長が必要な指示をできると定め、第4項は、正当な理由なくその指示に従わないときに市町村長がその旨を公表できると定めています。

土砂災害防止法第8条の2も、急傾斜地の崩壊などが起きるおそれがある場合について、同じ仕組みを定めています。計画の作成、市町村長への報告、訓練、訓練結果の報告、指示と公表が並びます。この仕組みは、居宅基準第103条の具体的計画とは別の根拠で動きます。

事業所で整える順番と、次に知りたいこと

整える順番の例は、まず所轄の消防署で消防計画(または準ずる計画)の状況を確認し、次に市町村の防災担当課で、事業所の所在地の洪水・土砂災害の想定と避難確保計画の要否を確認する流れです。そのうえで、通報先と連携体制の一覧を作って従業者に周知し、訓練の日付、参加者、地域住民の参加の有無を記録に残します。

非常災害と感染症の両方に備える業務継続計画は、第103条の具体的計画とは別の定めです。策定・訓練・見直しは通所介護の感染症対策と業務継続計画(BCP):委員会は6月に1回以上・指針・研修で確認できます。避難行動要支援者名簿と個別避難計画の扱いは避難行動要支援者名簿と個別避難計画にあります。

この記事は、2026年10月28日に確認した条文と通知の掲載版の確認にとどまります。避難確保計画の様式、訓練の回数の目安、地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護の条文は確認していないため、市町村と指定権者の案内で確認してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 所轄の消防署に、事業所の防火管理者の選任の要否と消防計画の届出状況を確認し、消防計画(または準ずる計画)と、風水害・地震などに対処する計画の両方がそろっているかを点検する
  2. 市町村の防災担当課に、事業所が地域防災計画の要配慮者利用施設に定められているかを確認し、定められている場合は避難確保計画の作成と市町村長への報告の状況を確かめる
  3. 関係機関への通報先と連携体制を一覧にして従業者に周知し、運営規程の非常災害対策の欄が、この計画を指す内容になっているかを確認する
  4. 避難・救出などの訓練の実施日、参加者、地域住民の参加の有無を記録し、消防機関への事前の通報と、避難確保計画の訓練結果の報告が必要な場合の報告を済ませる

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

通所介護の非常災害対策では、何を求められていますか?

居宅基準第103条第1項は、非常災害に関する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報と連携の体制を整え、それらを定期的に従業者に周知し、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行うと定めています。第2項は、訓練に地域住民の参加が得られるよう連携に努めると定めています。

非常災害に関する具体的計画とは、どのような計画ですか?

解釈通知(老企第25号)は、消防法施行規則第3条の消防計画(これに準ずる計画を含む)と、風水害、地震などの災害に対処するための計画をいうとしています。防火管理者を置かなくてよい事業所も、防火管理の責任者を定めて、消防計画に準ずる計画を作らせるとしています。

避難確保計画は、すべての通所介護事業所が作りますか?

水防法第15条の3と土砂災害防止法第8条の2は、市町村地域防災計画に名称と所在地が定められた要配慮者利用施設の管理者が、計画を作って市町村長に報告し、訓練の結果も報告すると定めています。事業所が定められているかは、市町村の防災担当課で確認します。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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