事業計画 / 更新 2026-10-30
認知症対応型通所介護の事業計画書と収支:7〜8時間は要介護1で994単位
認知症対応型通所介護(認知症の人向けのデイサービス)の事業計画書の収支は、利用定員と員数、月の収入、自社の費用の3つに分けると書けます。利用定員・面積・員数は基準で、月の収入は告示の1日あたりの単位数で決まります。この記事は、単独型・併設型を対象に、原文を2026年10月30日に確かめ、収入の式と数値例を整理し、賃料や給与の平均値は扱いません。
事業計画書の収支に入れる項目と、数字の根拠
下の表は、収支に入れる項目ごとに、数字の根拠と、自社で確かめる点を並べたものです。基準や告示で決まる項目と、自社の数字を入れる項目を分けています。
認知症対応型通所介護は、利用者が通った日ごとに、所要時間と要介護度で決まる単位数を算定します。単位ごとの利用定員が12人以下と小さいため、月の収入の上限も小さくなります。
| 項目 | 根拠の数字 | 自社で確かめる点 |
|---|---|---|
| 利用定員 | 単位ごとの利用定員は12人以下(基準 第42条第4項) | 同時に提供する単位の数 |
| 設備 | 食堂と機能訓練室の合計面積は、3平方メートル×利用定員以上。静養室・相談室・事務室・消火設備も備える(基準 第44条) | 図面の面積と、定員の置き方 |
| 生活相談員・看護職員または介護職員 | 生活相談員は提供時間帯の勤務時間数の合計を提供時間数で除した数が1以上、看護職員又は介護職員は単位ごとに専ら従事する者が1以上で常時1人以上。1人以上は常勤(基準 第42条第1項・第2項・第6項) | 勤務表と、利用者数の見込み |
| 機能訓練指導員 | 1以上。事業所の他の職務との兼務ができる(同条第1項・第5項) | 兼務できる職員の有無 |
| 基本の収入 | イ(Ⅰ)(ⅰ)の7時間以上8時間未満は、要介護1が994、要介護2が1,102、要介護3が1,210、要介護4が1,319、要介護5が1,427単位(1日につき) | 要介護度ごとの利用者数の見込み |
| 賃料・車両・給与ほか | この記事は数字を示さない | 見積書と求人条件で確かめた自社の数字 |
この記事で決めること
認知症対応型通所介護(単独型・併設型)の開設を考える事業者が、事業計画書の収支に何を入れるのかを、基準の利用定員・面積・員数と、告示の1日あたりの単位数から知り、利用者の延べ日数から月の収入を見積もる式を確かめる。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、認知症対応型通所介護の収支計画の入力表(単位ごとの利用定員と食堂・機能訓練室の面積、生活相談員・看護職員または介護職員・機能訓練指導員の人数、要介護度別の1日の利用者数と営業日、1単位の単価、人件費と固定費)を作成できる状態を目指します。
利用定員と面積から決まる固定費:定員12人なら36平方メートル以上
指定地域密着型サービス基準の第44条第2項は、食堂と機能訓練室の合計面積を、3平方メートルに利用定員を乗じて得た面積以上と定めています。利用定員とは、同時にサービスを受けられる利用者の数の上限で、第42条第4項により単位ごとに12人以下です。定員が12人なら36平方メートル以上です。
食事の提供と機能訓練のどちらにも支障がない広さを確保できるときは、食堂と機能訓練室を同じ場所にできます。相談室は、遮へい物の設置等により、相談の内容が漏えいしないよう配慮します。
指定は市町村長が行い、人員と設備の基準は市町村の条例で定められます。基準の全体と共用型の決まりは認知症対応型通所介護の指定基準にまとめています。
員数から決まる固定費:常時1人以上の看護職員または介護職員
第42条第1項は、生活相談員、看護職員又は介護職員、機能訓練指導員の3種類を置くと定めています。看護職員又は介護職員は、単位ごとに専ら提供に当たる者が1以上で、かつ、勤務時間数の合計を提供時間数で除した数が1以上確保される数です。
第2項は、単位ごとに、看護職員又は介護職員を常時1人以上従事させなければならないとしています。第6項は、生活相談員、看護職員又は介護職員のうち1人以上を常勤としています。営業時間が長いほど、勤務時間数の合計に必要な人数が増えるため、営業時間と勤務表を合わせて見積もります。
月の収入の式:要介護度別の延べ利用者数×単位数×1単位の単価
認知症対応型通所介護費は、所要時間の区分と要介護度で単位数が決まります。イ(Ⅰ)(ⅰ)の3時間以上4時間未満は543・597・653・708・762単位、5時間以上6時間未満は858・950・1,040・1,132・1,225単位、7時間以上8時間未満は994・1,102・1,210・1,319・1,427単位です。厚生労働省の介護報酬の算定構造(令和8年6月改定箇所入り)で確かめました。
月の収入は、要介護度ごとの延べ利用者数(1日の利用者数×営業日数)に単位数を掛けて足し、1単位の単価を掛けた額です。1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で決まります。単独型・併設型と共用型で算定する区分が分かれるため、どの区分に当たるかは告示の施設基準で確かめます。
この記事は、2時間以上3時間未満の100分の63、同一建物の減算、送迎を行わない場合の減算の細目を確認していません。これらの単位数は認知症対応型通所介護費の単位数にまとめています。
数値例:定員12人が毎日通う場合の月の収入
式を確かめるための仮の数字を置きます。利用定員が12人で、イ(Ⅰ)(ⅰ)の7時間以上8時間未満のサービスを行い、毎日12人が通います。内訳は要介護1が3人、要介護2が3人、要介護3が3人、要介護4が2人、要介護5が1人、月の営業日が25日だとします。
1日の単位数は、3人×994+3人×1,102+3人×1,210+2人×1,319+1人×1,427=2,982+3,306+3,630+2,638+1,427=13,983単位です。月は13,983×25日=349,575単位で、1単位を仮に10円とすると、月の収入は3,495,750円です。加算、減算、地域の割合は入れていません。
この数字は、仕組みを確かめるための仮の値で、毎日定員いっぱいという前提です。実際は欠席が出るため、月の延べ利用者数は定員×営業日数を下回ります。
定員が小さい分、利用者が数人減るだけで収入が大きく動くため、利用者が定員に届かない開業直後の月に、収入が人件費と賃料を下回る期間を月ごとの表で見積もります。
費用側で自社の数字を入れる項目
費用は、生活相談員・看護職員または介護職員・機能訓練指導員の給与、社会保険料、賃料、送迎車両の費用、食事の材料費、記録や請求のシステム、研修費に分けて書きます。この記事は、賃料や給与の平均値を示しません。物件の見積書、求人条件、契約条件で確かめた自社の数字を入れます。
認知症の有無を問わない定員18人以下の通所介護の収支は地域密着型通所介護の事業計画書と収支で比べられます。グループホームの収支は認知症対応型共同生活介護の事業計画書と収支で確かめられます。
この記事で確認した範囲
確認したのは、単独型・併設型の利用定員・面積・従業者の員数の原文と、イ(Ⅰ)(ⅰ)の3時間以上4時間未満、5時間以上6時間未満、7時間以上8時間未満の基本の単位数で、2026年10月30日に読んだ内容です。利用定員・面積・員数は指定地域密着型サービス基準の第42条・第44条をe-Gov法令検索で、単位数は厚生労働省の介護報酬の算定構造で確かめました。
そのほかの所要時間の区分、イ(Ⅰ)(ⅱ)とロ(Ⅱ)の単位数、共用型の基準、各減算の細目、各加算の届出基準、処遇改善加算の率、市町村の条例の個別の定め、地域区分ごとの単価の値、賃料や給与の平均値は確認しておらず、扱っていません。個別の事業所の収支は、自社の数字と、事業所を置く市町村への確認で決めてください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 単位ごとの利用定員を12人以下で仮置きし、食堂と機能訓練室の合計面積が3平方メートル×利用定員以上あるかを、図面の面積で確かめる。静養室、相談室、事務室、消火設備の見積書を取る
- 生活相談員、看護職員または介護職員、機能訓練指導員を、基準の第42条に沿って置く人数を勤務表で確かめる。単位ごとに看護職員または介護職員を常時1人以上従事させ、生活相談員、看護職員、介護職員のうち1人以上は常勤にする
- 月の収入は、要介護度ごとの1日の利用者数と営業日数から延べ利用者数を出し、認知症対応型通所介護費の所要時間区分の単位数を掛けて足す。欠席が出る月は、定員×営業日数より少ない延べ利用者数で見積もる。加算は、届出の見込みがあるものだけを足す
- 1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で告示の表から確かめる。給与、送迎車両、食事の材料費は、求人条件と見積書の自社の数字を入れる。定員が12人以下と小さい分、利用者が数人少ないだけで収入が人件費を下回る月が出るため、開業直後の月ごとの表で見積もる
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
認知症対応型通所介護の事業計画書の収入は、何で決まりますか?
認知症対応型通所介護費は、所要時間と要介護度ごとの1日あたりの単位数です。イ(Ⅰ)(ⅰ)の7時間以上8時間未満は、要介護1が994単位、要介護5が1,427単位です。月の収入は、要介護度ごとの延べ利用者数に単位数を掛け、1単位の単価を掛けて出します。
認知症対応型通所介護の利用定員と食堂・機能訓練室の広さは、どう決まりますか?
単独型・併設型は、基準の第42条で単位ごとの利用定員が12人以下です。第44条は、食堂と機能訓練室の合計面積を、3平方メートルに利用定員を掛けた面積以上と定めています。定員が12人なら36平方メートル以上です。
認知症対応型通所介護に必要な職員は、何人ですか?
基準の第42条は、生活相談員、看護職員または介護職員、機能訓練指導員を置くと定めています。看護職員または介護職員は、単位ごとに専ら提供に当たる者を1以上置き、常時1人以上を従事させます。生活相談員、看護職員、介護職員のうち1人以上は常勤です。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)別表 3 認知症対応型通所介護費 イ〜ニと注」(別表 3 認知症対応型通所介護費 イ 認知症対応型通所介護費(Ⅰ)(1)(i)・(2)(ii)、ロ 認知症対応型通所介護費(Ⅱ)、注1〜注20、ハ サービス提供体制強化加算、ニ 介護職員等処遇改善加算(1ページ目の終わり))(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省老健局「介護報酬の算定構造(令和8年6月改定箇所入り)「3 認知症対応型通所介護費」」(Ⅰ 指定地域密着型サービス介護給付費単位数の算定構造 3 認知症対応型通所介護費)(確認日 2026-10-19)
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(第41条 基本方針、第42条 従業者の員数、第43条 管理者、第44条 設備及び備品等、第45条〜第47条 共用型、第50条〜第52条 取扱方針・計画、第60条 記録の整備、第61条 準用、第34条 地域との連携等)、介護保険法第78条の2」(地域密着型サービス基準第34条第1項、第41条、第42条第1項〜第6項、第43条、第44条第1項〜第3項、第45条第1項、第46条第1項〜第2項、第47条、第50条、第51条、第52条、第60条第2項、第61条、法第78条の2第1項・第4項)(確認日 2026-10-24)