事業計画 / 更新 2026-10-29
グループホームの事業計画書と収支:入居定員5〜9人・日中は利用者3人に1人・夜間は1人以上
グループホームの事業計画書の収支は、基準で決まる共同生活住居の数と定員、介護従業者の員数、告示の1日あたりの単位数から組み立てる月の収入、自社で入れる費用の4つに分けると書けます。この記事は、基準と告示の原文を2026年10月29日に確かめ、収入の式と数値例、入力する項目を整理します。建物の費用や給与の平均値は扱いません。
事業計画書の収支に入れる項目と、数字の根拠
下の表は、収支に入れる項目ごとに、数字の根拠と、自社で確かめる点を並べたものです。基準や告示で決まる項目と、自社の数字を入れる項目を分けています。
| 項目 | 根拠の数字 | 自社で確かめる点 |
|---|---|---|
| 共同生活住居の数と定員 | 事業所に1以上3以下、1住居の入居定員は5人以上9人以下(基準 第93条第1・2項) | 建物に何住居を置くか、市町村の条例の基準 |
| 日中の介護従業者 | 常勤換算で、利用者の数が3又はその端数を増すごとに1以上(基準 第90条第1項) | 勤務表で常勤換算を満たすか |
| 夜間及び深夜の介護従業者 | 時間帯を通じて1人以上が夜間及び深夜の勤務(宿直勤務を除く)を行える数(基準 第90条第1項) | 365日分の勤務表と、人数の確保 |
| 基本の収入 | 認知症対応型共同生活介護費(Ⅰ)は1日につき765〜859単位(告示第126号の別表の5 イ) | 要介護度ごとの利用者の数と入居率 |
| 1単位の単価 | 10円に、所在地の地域区分とサービス種類ごとの割合を掛けた額(告示第93号) | 予定する所在地の割合 |
| 建物・給与・食材費ほか | この記事は数字を示さない | 見積書と求人条件で確かめた自社の数字 |
この記事で決めること
グループホームの開業や多角化を考える事業者が、事業計画書の収支に何を入れるのかを、基準の定員と員数、告示の1日あたりの単位数から知り、月の収入と必要な人員を見積もる式を確かめる。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、グループホームの収支計画の入力表(共同生活住居の数と入居定員、利用者の要介護度の構成、日中と夜間の勤務表、1日あたりの単位数、加算、1単位の単価、人件費と固定費)を作成できる状態を目指します。
定員から決まる規模:1住居は5〜9人、1事業所は最大3住居
指定地域密着型サービスの基準の第93条第1項は、事業所に共同生活住居を置き、その数を1以上3以下と定めています。サテライト型は1又は2です。第2項は、1つの共同生活住居の入居定員を5人以上9人以下としています。
居室は、第93条第3・4項で、定員が1人(処遇上必要と認められる場合は2人)、床面積が7.43平方メートル以上とされています。収支の入口は、住居の数と定員をいくつにするかで、定員9人の1住居と、定員9人の3住居では、収入の上限が3倍近く違い、日中の介護従業者の数も利用者の数に応じて増えます。
住居の数、定員、居室の面積は、建物の設計とも結びつきます。指定そのものと設備の基準の細目はグループホームの指定基準にまとめています。
介護従業者の員数から決まる固定費:日中は3人に1人、夜間は1人以上
基準の第90条第1項は、共同生活住居ごとの介護従業者の員数を2つに分けています。日中の時間帯は、常勤換算方法で、利用者の数が3又はその端数を増すごとに1以上です。夜間及び深夜の時間帯は、時間帯を通じて1人以上の介護従業者に、宿直勤務を除く夜間及び深夜の勤務を行わせるために必要な数以上です。
利用者の数は前年度の平均値で、新規に指定を受けるときは推定数です(第2項)。介護従業者のうち1以上は常勤でなければなりません(第3項)。
共同生活住居が3つで、同一階に隣接して安全が確保されていると認められるときだけ、夜間及び深夜の人数を事業所で2以上とする例外がありますが、認められるかは窓口で確かめます。この例外を使って夜間及び深夜の勤務を行う職員を2人以上とする場合は、告示の注により、所定単位数から1日につき50単位を差し引いて算定します。
収支計画では、この人数が、入居者が少ない開業直後の月から必要な固定費の中心になります。日中は利用者の数で変わりますが、夜間及び深夜は、時間帯を通じた勤務の人数が利用者の数によらず必要です。満室になるまでの数か月を、自己資金で支える額を見積もっておく必要があります。
計画作成担当者と管理者は、別の行で配置します。管理者は共同生活住居ごとに置く常勤の者で、資格の要件もグループホームの指定基準にあります。
月の収入の式:利用者の数×1日あたりの単位数×日数×1単位の単価
グループホームの基本の収入は、1日につきの単位数で決まります。告示第126号の別表の5では、認知症対応型共同生活介護費(Ⅰ)が、要介護1で765単位、要介護2で801単位、要介護3で824単位、要介護4で841単位、要介護5で859単位です。(Ⅱ)は、要介護1で753単位から要介護5で845単位で、区分の条件はこの記事では確認しておらず、数値例は(Ⅰ)で置きます。
収入の式は、要介護度ごとに、利用者の数にその日の単位数を掛け、その月の日数を掛けて足した単位数に、1単位の単価を掛けた額です。1単位の単価は、平成27年厚生労働省告示第93号で、10円に、所在地の地域区分とサービス種類ごとの割合を掛けた額とされ、割合の値は告示の表で確かめます。加算と減算は認知症対応型共同生活介護費の単位数に整理しています。
夜間支援体制加算は、(Ⅰ)が1日につき50単位、(Ⅱ)が25単位で、施設基準に適合するとして市町村長に届け出た事業所に付きます。届出が必要な加算は、基本の収入と別の行に分けて、届け出る見込みがあるものだけを足します。
数値例:定員9人の1住居が、すべて要介護1のとき
式を確かめるための仮の数字を置きます。定員9人の1住居が満室で、利用者が全員要介護1、(Ⅰ)の765単位、1か月を30日とすると、9人×765単位×30日=206,550単位です。1単位を仮に10円とすると、月の基本の収入は2,065,500円です。
このとき、日中の介護従業者は、利用者9人を3で割って、常勤換算で3以上です。夜間及び深夜は、30日すべてで1人以上の勤務を割り当てる必要があります。要介護度の構成、入居率、所在地の単価で収入は変わるため、入居率を100%と置かず、たとえば半分の人数でも成り立つかを確かめる表を、別に作ります。
加算は、この数字に入っていません。要介護度が高い利用者が増えれば1日あたりの単位数は上がりますが、日中の人数は利用者の数で決まるため、要介護度だけでは人員の数は減りません。
費用側で自社の数字を入れる項目
費用は、介護従業者と管理者、計画作成担当者の給与、社会保険料、建物の取得費か賃料、光熱水費、食材費、研修費、記録や請求のシステムの費用に分けて書きます。この記事は、給与や費用の平均値を示しません。求人条件、見積書、物件の契約条件で確かめた自社の数字を入れます。
人件費を収入と比べる考え方は訪問介護の人件費率にあり、収入の見積もりを式で組み立てる手順は居宅介護支援事業所の収入の見積もり方にもあります。同じ地域密着型サービスの単位数の考え方は小規模多機能型居宅介護費の単位数で比べられます。
この記事で確認した範囲
確認したのは、員数と定員の原文と単位数で、2026年10月29日に読んだ内容です。員数と定員は基準の第90条・第93条をe-Gov法令検索で、単位数は認知症対応型共同生活介護費を厚生労働省の告示掲載ページで確かめました。1単位の単価は、2026年10月24日に確認した平成27年厚生労働省告示第93号によります。
地域区分ごとの割合の値、加算の届出基準、利用者負担の家賃や食費、費用の平均値は確認しておらず、扱っていません。個別の事業所の収支は、自社の数字と、市町村への確認で決めてください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 共同生活住居の数(1以上3以下)と、住居ごとの入居定員(5人以上9人以下)を決め、居室の定員と床面積(7.43平方メートル以上)を図面で確かめる
- 利用者の数を3で割って切り上げた数を、日中の介護従業者の常勤換算の最低ラインにし、夜間及び深夜を通じて1人以上が勤務する表を365日分作る。うち1人以上は常勤にする
- 月の収入は、要介護度ごとの利用者の数×1日あたりの単位数×その月の日数で単位数にして足す。入居率は満室とせず、月ごとに仮置きする。夜間支援体制加算などの加算は、届出の要否を確かめて別の行に足す
- 1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で告示の表から確かめる。介護従業者の給与・建物の費用・食材費は、求人条件と見積書の自社の数字を入れる
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
グループホームの入居定員は何人ですか?
指定地域密着型サービスの基準の第93条は、事業所の共同生活住居の数を1以上3以下とし、1つの共同生活住居の入居定員を5人以上9人以下と定めています。1事業所の入居定員は、最大で9人×3住居の27人です。サテライト型は共同生活住居の数が1又は2です。
グループホームに必要な介護従業者は何人ですか?
基準の第90条第1項は、共同生活住居ごとに、日中の時間帯は常勤換算方法で利用者の数が3又はその端数を増すごとに1以上、夜間及び深夜の時間帯は時間帯を通じて1人以上が夜間及び深夜の勤務(宿直勤務を除く)を行える数と定めています。介護従業者のうち1以上は常勤です。
認知症対応型共同生活介護の1日の報酬はいくらですか?
平成18年厚生労働省告示第126号の別表の5では、認知症対応型共同生活介護費(Ⅰ)は1日につき、要介護1が765単位、要介護2が801単位、要介護3が824単位、要介護4が841単位、要介護5が859単位です。(Ⅱ)は753〜845単位です。円にするには、所在地の地域区分に応じた1単位の単価を掛けます。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)別表 5 認知症対応型共同生活介護費 イ〜コと注」(別表 5 認知症対応型共同生活介護費 イ(1)(2)・ロ(1)(2)、注1〜注10、ハ 初期加算、ニ 協力医療機関連携加算、ホ 医療連携体制加算、ヘ 退居時情報提供加算、ト 退居時相談援助加算、チ 認知症専門ケア加算、リ 認知症チームケア推進加算、ヌ 生活機能向上連携加算、ル 栄養管理体制加算、ヲ 口腔衛生管理体制加算、ワ 口腔・栄養スクリーニング加算)(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める一単位の単価(平成27年厚生労働省告示第93号)、介護保険法第46条(居宅介護サービス計画費の支給)」(告示第93号 第一(一単位の単価は10円に、事業所の所在する地域区分とサービス種類ごとの割合を乗じた額)、介護保険法第46条第1項・第2項・第4項)(確認日 2026-10-24)
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)第90条・第93条」(第90条第1〜3項(介護従業者の員数)、第93条第1〜4項(共同生活住居の数・入居定員・居室))(確認日 2026-10-29)