運営 / 更新 2026-10-24
認知症対応型通所介護の指定基準:市町村が指定・単独型の利用定員は12人以下
認知症対応型通所介護(認知症デイ)は、地域密着型サービスのひとつで、指定を市町村長が行います。この記事は、訪問介護の事業者がこのサービスを事業に加えられるかを考えるときに、指定地域密着型サービス基準第41条〜第52条と、介護保険法第78条の2を読み、人員、利用定員、設備、管理者、運営推進会議、計画の決まりを整理したものです。
指定するのは市町村長:対象は認知症の利用者
介護保険法第78条の2第1項は、地域密着型サービスの指定を、事業を行う者の申請により、サービスの種類と事業所ごとに、市町村長が行うと定めています。訪問介護のような都道府県知事の指定とは、指定する人が違います。
同条第4項は、申請者が市町村の条例で定める者でないときなどは、市町村長は指定をしてはならないとしています。条例の中身は市町村ごとに違うため、この記事では読んでいません。
基準第41条は、認知症である利用者(認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く)が、できる限り自宅で、その有する能力に応じた自立した日常生活を営めるよう、生活機能の維持または向上を目指し、日常生活上の世話と機能訓練を行うことで、利用者の社会的孤立感の解消、心身の機能の維持、家族の負担の軽減を図るものと定めています。
この記事で決めること
訪問介護の事業者が認知症対応型通所介護(認知症の人向けのデイサービス)を事業に加えられるかを考えるときに、指定する者、単独型・併設型と共用型の人員・利用定員・設備、管理者、運営推進会議、計画の作成の基準を条文で確かめ、自社に足りない点を洗い出すための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、認知症対応型通所介護の基準チェック表(単独型・併設型か共用型か・予定する利用定員と12人以下または3人以下の確認・生活相談員と看護職員または介護職員と機能訓練指導員の人数と常勤の1人・管理者の研修修了の有無・食堂と機能訓練室の合計面積と3平方メートルに利用定員を掛けた面積・運営推進会議の構成員と開催予定・認知症対応型通所介護計画を作る体制・市町村の担当窓口に確かめた日と回答)を作成できる状態を目指します。
単独型・併設型は利用定員12人以下:生活相談員と介護職員・看護職員
基準第42条は、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、社会福祉施設、特定施設に併設しない「単独型」と、併設する「併設型」について、従業者の員数を定めています。生活相談員は、提供している時間帯に勤務している時間数の合計を、その時間数で除した数が1以上になるために必要と認められる数です。
看護職員または介護職員は、単位ごとに専らこのサービスの提供に当たる者が1以上、かつ、勤務時間数の合計を提供時間数で除した数が1以上になるために必要な数を置きます。単位ごとに、常時1人以上を従事させます。
機能訓練指導員は1以上で、事業所の他の職務との兼務もできます。生活相談員、看護職員、介護職員のうち1人以上は常勤です。
単位は、同時に1人または複数の利用者に一体的に行うサービスで、その利用定員は12人以下とされています。
共用型:グループホームなどの居間や食堂を使い、利用定員は原則1日3人以下
基準第45条の「共用型」は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の居間や食堂、または地域密着型特定施設や地域密着型介護老人福祉施設の食堂や共同生活室で、その入居者や入所者とともに行うサービスです。従業者の員数は、本体の利用者等の数と共用型の利用者の数を合計した数について、本体の基準が求める員数を満たすために必要な数以上です。
基準第46条第1項は、利用定員を、グループホームでは共同生活住居ごと、ユニット型でない地域密着型特定施設や地域密着型介護老人福祉施設では施設ごとに、1日当たり3人以下としています。ユニット型の地域密着型介護老人福祉施設では、ユニットごとの入居者数と共用型の利用者数の合計が1日当たり12人以下となる数です。第2項は、共用型の事業者が、居宅サービスや地域密着型サービスなどの事業や介護保険施設の運営について、3年以上の経験を有する者でなければならないとしています。
管理者は研修を修了した常勤者:設備は食堂と機能訓練室の合計で1人3平方メートル以上
基準第43条は、専らその職務に従事する常勤の管理者を置くことを求めています。管理上支障がない場合は、同じ事業所の他の職務や、他の事業所、施設等の職務との兼務ができます。
管理者は、適切なサービスの提供に必要な知識と経験を有し、厚生労働大臣が定める研修を修了している者でなければなりません。研修の内容は、この記事では読んでいません。共用型の管理者は第47条が同じ趣旨を定めています。
単独型・併設型の設備は、基準第44条により、食堂、機能訓練室、静養室、相談室、事務室を有するほか、消火設備その他の非常災害に必要な設備を備えます。食堂と機能訓練室は、合計した面積が3平方メートルに利用定員を乗じた面積以上です。たとえば利用定員が12人なら36平方メートル以上です。
食事の提供と機能訓練に支障がない広さを確保できる場合は、同じ場所にできます。相談室は、遮へい物の設置等により、相談の内容が漏えいしないよう配慮します。
運営推進会議・計画・記録:運営でも求められる決まり
基準第61条は、第34条の運営推進会議の決まりを、認知症対応型通所介護にも準用しています。利用者、家族、地域住民の代表者、市町村の職員または地域包括支援センターの職員、認知症対応型通所介護について知見を有する者等で構成する会議を設置し、おおむね6月に1回以上、活動状況を報告して評価を受け、要望や助言を聴きます。報告、評価、要望、助言の記録は、作成して公表します。
基準第52条は、管理者が、利用者の心身の状況、希望、置かれている環境を踏まえて、目標と具体的なサービスの内容を記載した認知症対応型通所介護計画を作ることを求めています。居宅サービス計画があればその内容に沿い、利用者または家族に説明して利用者の同意を得て、作成したら交付します。
第60条第2項は、計画や身体的拘束等の記録などを、その完結の日から2年間保存することを求めています。
基準第50条は、認知症の症状の進行の緩和に資するよう、目標を設定して計画的に行うことと、自らサービスの質の評価を行い改善を図ることを求めています。第51条は、緊急やむを得ない場合を除いて身体的拘束等を行わず、行う場合は態様、時間、心身の状況、理由を記録することを定めています。
条文の内容の一覧
ここまでの条文を、型ごとにまとめます。報酬の単位数と、指定申請の手順は、この記事では読んでいません。
| 項目 | 単独型・併設型 | 共用型 |
|---|---|---|
| 利用定員 | 単位ごとに12人以下 | グループホームは共同生活住居ごと、ユニット型でない地域密着型特定施設等は施設ごとに1日3人以下 |
| 従業者 | 生活相談員、看護職員または介護職員、機能訓練指導員1以上。生活相談員・看護職員・介護職員のうち1人以上は常勤 | 本体の利用者等と合計した数について、本体の基準が求める員数を満たす数以上 |
| 管理者 | 専らその職務に従事する常勤。研修修了者 | 同左。さらに事業者は居宅サービス等の運営に3年以上の経験 |
| 設備 | 食堂と機能訓練室の合計は3平方メートル×利用定員以上。静養室、相談室、事務室、消火設備等 | 本体事業所等の居間、食堂、共同生活室を利用 |
訪問介護の事業者が確かめる順番
まず、自社が単独型、併設型、共用型のどれを考えるかを決め、予定する利用定員が上の範囲に収まるかを確かめます。そのうえで、管理者の候補の研修、食堂と機能訓練室の面積、運営推進会議の構成員を、チェック表に書いて確かめます。市町村の条例で定める申請者の要件と運用は、事業所を置く市町村の担当窓口に確かめます。
報酬の単位数は「認知症対応型通所介護費の単位数:3〜4時間は要介護1で543単位・共用型は267単位」、同じ地域密着型で共同生活住居を持つ「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の指定基準:共同生活住居・計画作成担当者・夜勤」、通所系の人員の数え方は通所介護の人員基準:介護職員は利用者15人まで1以上、超える5人ごとに加算、訪問介護の人員の決まりは訪問介護の人員基準(サ責の配置基準・常勤換算2.5・管理者)で読めます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 自社の事業を、特別養護老人ホームや病院などに併設しない単独型、併設する併設型、グループホームなどの居間や食堂を使う共用型のどれにするかを書き、予定する利用定員が、単独型・併設型は12人以下、共用型は本体ごとに1日3人以下(ユニット型の地域密着型特別養護老人ホームは合計12人以下)に収まるかを確かめる
- 生活相談員、看護職員または介護職員、機能訓練指導員の予定人数を書き、勤務時間数の合計を提供時間で割った数が1以上になるか、常時1人以上いるか、うち1人以上が常勤かを並べる
- 管理者の候補が、厚生労働大臣が定める研修を修了しているか、または受講の予定があるかを書き、食堂と機能訓練室の予定面積を3平方メートルに利用定員を掛けた面積と比べる
- 運営推進会議に参加を頼む利用者、家族、地域住民の代表、市町村または地域包括支援センターの職員、知見を有する者を書き、おおむね6月に1回以上の開催と記録の公表の流れを決め、認知症対応型通所介護計画を居宅サービス計画に沿って作り、説明・同意・交付する流れを書く。市町村の担当窓口に相談して、確かめた日と回答を記録する
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(第41条 基本方針、第42条 従業者の員数、第43条 管理者、第44条 設備及び備品等、第45条〜第47条 共用型、第50条〜第52条 取扱方針・計画、第60条 記録の整備、第61条 準用、第34条 地域との連携等)、介護保険法第78条の2」(地域密着型サービス基準第34条第1項、第41条、第42条第1項〜第6項、第43条、第44条第1項〜第3項、第45条第1項、第46条第1項〜第2項、第47条、第50条、第51条、第52条、第60条第2項、第61条、法第78条の2第1項・第4項)(確認日 2026-10-24)