指定申請 / 更新 2026-10-25
外部サービス利用型特定施設の指定基準:基本サービスの従業者と訪問介護の委託契約
外部サービス利用型特定施設入居者生活介護は、施設が安否の確認や生活相談、特定施設サービス計画の作成を行い、入浴・排せつ・食事等の介護は施設が委託した居宅サービス事業者が行う形の特定施設です。訪問介護の事業所は、この委託を受ける側になることがあります。この記事は、指定居宅サービス等の基準省令(平成11年厚生省令第37号)の第192条の2から第192条の11のうち主な条文を、2026年10月25日にe-Govで確かめた範囲で整理したものです。
施設は基本サービスを行い、介護は委託先の受託居宅サービスが行う(省令第192条の2・第192条の3)
省令第192条の2は、外部サービス利用型を2つの部分に分けて定めています。1つ目は、指定特定施設の従業者が行う特定施設サービス計画の作成、利用者の安否の確認、生活相談等で、これを基本サービスと呼びます。2つ目は、施設が委託した指定居宅サービス事業者(受託居宅サービス事業者)が、計画に基づいて行う入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、療養上の世話で、これを受託居宅サービスと呼びます。
基本方針は、計画に基づき受託居宅サービス事業者による受託居宅サービスを適切かつ円滑に提供して、利用者が要介護状態になっても施設でその人の能力に応じて自立した日常生活を営めるようにすることです。事業者は安定的かつ継続的な事業運営に努めます(第192条の3)。通常の特定施設入居者生活介護は、施設の従業者が介護まで行う形で、特定施設入居者生活介護の指定基準の記事で整理しています。
この記事で決めること
訪問介護の事業者が、外部サービス利用型の特定施設から介護を委託される場面で、施設側の従業者の員数、委託できるサービス、契約の方法、報告と確認の記録を条文で確かめるための記事。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、外部サービス利用型特定施設の受託前チェック表(1枚):施設との委託契約の単位、報告書の様式、確認記録の受け取り方を作成できる状態を目指します。
施設側の従業者は生活相談員・介護職員・計画作成担当者(省令第192条の4)
基本サービスを提供する従業者の員数は、下の表のとおりです。利用者の数は前年度の平均値で、新規に指定を受けるときは推定数を使います(第3項)。表の員数は、受託居宅サービスの介護を行う人の数ではなく、施設の従業者の数です。
宿直時間帯を除いて、施設には常に1人以上の従業者を確保します(第4項)。生活相談員のうち1人以上は専ら職務に従事する常勤で、利用者の処遇に支障がなければ、その特定施設の他の職務を兼ねられます(第5項)。計画作成担当者は専らその職務に従事する介護支援専門員で、特定施設サービス計画の作成に適当と認められる人とし、うち1人以上は常勤です(第6項)。
外部サービス利用型の介護予防の指定を併せて受けて一体的に運営している場合は、介護職員の員数が、利用者10人ごとに1と、介護予防サービスの利用者30人ごとに1の組み合わせになります(第2項第2号)。
| 職種 | 員数 |
|---|---|
| 生活相談員 | 常勤換算で利用者100人またはその端数ごとに1以上 |
| 介護職員 | 常勤換算で利用者10人またはその端数ごとに1以上 |
| 計画作成担当者 | 1以上(利用者100人またはその端数ごとに1を標準) |
委託できる9種類のサービスと、事業の開始時に契約が要る3種類(省令第192条の10)
受託居宅サービス事業者は、指定居宅サービス事業者または指定地域密着型サービス事業者でなければなりません(第2項)。委託できるサービスは、指定訪問介護、指定訪問入浴介護、指定訪問看護、指定訪問リハビリテーション、指定通所介護、指定通所リハビリテーション、福祉用具貸与、指定地域密着型通所介護、指定認知症対応型通所介護の9種類です(第3項)。
施設は、事業を始めるときに、指定訪問介護、指定訪問看護、指定通所介護(または指定地域密着型通所介護)を提供する事業者と、業務を委託する契約を結びます(第4項)。それ以外のサービスは、利用者の状況に応じて契約します(第5項)。指定認知症対応型通所介護を委託するときは、特定施設と同じ市町村の区域内にある事業所で提供される契約にします(第6項)。
訪問介護の事業所にとっては、施設が事業の開始時に訪問介護の委託先と契約を結ぶ定めになっている点が、受託の機会の根拠です。ただし、どの事業所に委託するかは施設が選ぶため、条文からは受託の可否や件数は分かりません。
受託するときの前提になる、施設側の文書契約・報告・確認(省令第192条の8・第192条の10)
委託の契約は、受託居宅サービス事業所ごとに文書で結びます(第192条の10第1項)。施設は、受託居宅サービス事業者に、業務について必要な管理と指揮命令を行います(第7項)。
受託居宅サービス事業者がサービスを提供したときは、施設が、提供した日時、時間、具体的なサービスの内容等を文書で報告させます(第192条の8第2項)。受託する側から見ると、この報告の様式と頻度は、施設と事前に取り決めておく項目になります。
施設は、受託居宅サービスに係る業務の実施状況を定期的に確認し、結果等を記録します(第192条の10第8項)。受託する側は、確認を受けることを前提に、提供記録を整えます。
施設が残す記録の保存期間と、確かめた範囲
施設は、特定施設サービス計画、受託居宅サービス事業者から受けた報告の記録、実施状況の確認の結果の記録などを、その完結の日から2年間保存します(第192条の11第2項)。これは施設の事業者に課される定めで、受託する訪問介護の事業所の記録の保存は、訪問介護自体の基準で定められています。
あわせて読むなら、次の3本です。特定施設に入居している間の訪問介護の算定は訪問介護と他サービスの算定関係、外部サービス利用型の単位数は特定施設入居者生活介護費の単位数、受託する訪問介護の人員の決まりは訪問介護の人員基準の記事にあります。
この記事は、基準省令の第192条の2、第192条の3、第192条の4、第192条の8、第192条の10、第192条の11を2026年10月25日にe-Govで確かめた内容です。管理者、設備、運営規程の記載事項、準用される各条の中身、報酬と加算、指定の申請手続きは確かめておらず、書いていません。実際の委託契約の内容は、施設の運営事業者と指定権者に確かめてください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 委託を受けようとする施設が、外部サービス利用型の指定を受けた特定施設かを施設の運営事業者に尋ね、契約書の写しで、委託する業務の種類と契約の相手(事業所ごとに文書で契約)を確かめる
- 提供した日時、時間、具体的なサービスの内容を文書で施設に報告する様式を、施設と取り決める。訪問介護の提供記録から転記できる項目で作り、報告の頻度も決めて記録に残す
- 施設が行う業務の実施状況の定期的な確認の時期と、その結果の記録の渡し方を、施設の担当者と打ち合わせて書面に残す
- 契約書、施設に出した報告、施設から受けた確認の記録を、訪問介護の事業所の書類とは別に、施設ごとのファイルにまとめ、保存の年限は施設と自分の事業所それぞれの基準で確かめる
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第192条の2〜第192条の4・第192条の8・第192条の10・第192条の11(外部サービス利用型指定特定施設入居者生活介護)」(第192条の2、第192条の3第1項、第192条の4第1項〜第6項、第192条の8第1項・第2項、第192条の10第1項〜第8項、第192条の11第1項・第2項)(確認日 2026-10-25)