事業計画 / 更新 2026-09-27

訪問介護の介護報酬の算定構造(単位数×地域区分単価・端数処理)

訪問介護の介護報酬は、告示の単位数表で決まる単位数に、事業所のある地域の1単位の単価を掛けて金額にします。割合で決まる加算・減算は単位数の段階で1回ごとに四捨五入し、金額にした後の1円未満は切り捨てます。この記事は、この算定の順番を告示と厚生労働省の留意事項通知の計算例で確認します。

この記事で決めること

介護報酬が単位数×1単位の単価で決まり、割合の加減算は掛けるたびに四捨五入、金額は1円未満切り捨てという算定の順番を知り、事業計画の売上行を組み立てるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、介護報酬の売上行を単位数・加減算・金額換算の3段階で組み立てる確認表を作成できる状態を目指します。

算定の基本式(単位数×1単位の単価)

算定基準の告示(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準)は、本文の第一号で、費用の額は別表の指定居宅サービス介護給付費単位数表により算定すると定めています。第二号で、その額は別に厚生労働大臣が定める1単位の単価に別表の単位数を掛けて算定するとし、第三号で、算定した額に1円未満の端数があるときは切り捨てるとしています。

単位数は全国共通です。訪問介護費の基本の単位数は、身体介護が中心の場合の所要時間30分以上1時間未満で387単位のように、サービスの区分と所要時間ごとに決まっています。

1単位の単価は、「厚生労働大臣が定める一単位の単価」の告示で、地域区分とサービスの種類ごとに決まっています。訪問介護は1級地で11.40円、その他の地域で10円です。同じ387単位でも、事業所の所在地によって金額が変わるのはこのためです。区分ごとの単位数と、級地ごとの単価の一覧は「訪問介護の売上構造と報酬計算」にまとめています。

介護報酬の算定の順番(告示本文と留意事項通知)
段階計算すること端数の扱い
1サービス区分と所要時間から基本の単位数を決める整数(単位数表の値)
2割合で決まる加算・減算を1つずつ掛ける掛けるたびに小数点以下を四捨五入
3単位数×回数に1単位の単価を掛けて金額にする1円未満を切り捨て

割合で決まる加算・減算の端数処理(通知の計算例)

厚生労働省の留意事項通知は、単位数の算定では、基本となる単位数に割合を掛ける加減算の計算を行うたびに、小数点以下を四捨五入するとしています。常に整数の単位数に割合を掛けていく計算です。

通知の計算例では、身体介護が中心の30分以上1時間未満(387単位)を夜間または早朝に行い、所定単位数の25%を加算する場合、387×1.25=483.75を四捨五入して484単位です。その事業所が特定事業所加算(Ⅳ)で3%を加算する場合は、484×1.03=498.52を四捨五入して499単位になります。通知は、387×1.25×1.03=498.2625をまとめて四捨五入するのではない、と注記しています。

ただし、特別地域加算のように区分支給限度基準額の管理の対象外となる加算や、同一建物の利用者へのサービスに係る減算などは、1回ごとではなく、対象となる単位数の合計に割合を掛けます。通知の例では、387単位を月6回行い特別地域加算の対象となる場合、387×6回=2,322単位に15%を掛けて2,322×0.15=348.3、四捨五入して348単位です。

留意事項通知の計算例(訪問介護・身体介護が中心の30分以上1時間未満)
計算式結果
夜間・早朝の25%加算387×1.25=483.75484単位
続けて特定事業所加算(Ⅳ)の3%484×1.03=498.52499単位
特別地域加算15%(月6回の合計に掛ける)2,322×0.15=348.3348単位
1級地で月8回を金額にする499×8回=3,992単位、3,992×11.40円=45,508.80円45,508円

単位数を金額にするときの切り捨て

通知は、算定した単位数を金額に換算するときに生じる1円未満の端数は切り捨てるとしています。上の例のサービスを1級地で月8回行った場合、499単位×8回=3,992単位、3,992単位×11.40円=45,508.80円で、切り捨てて45,508円です。

通知はあわせて、サービスコードは加算等を加えた一体型の合成コードを基本とし、その合成単位数は既に端数処理をした整数の単位数であると説明しています。請求ソフトで合成コードを選べば、段階2の四捨五入は済んだ単位数で計算されます。

事業計画で算定構造をどう使うか

事業計画では、基本報酬を「区分ごとの単位数×月の回数×1単位の単価」で行ごとに計算し、加算・減算は別の行に分けて置きます。平均単価1本にまとめると、地域区分や加算の届出が変わったときに、どこが変わったかを追えません。

当サイトの事業計画ツールは、基本報酬の単位数×回数×1単位の単価を行ごとに足し上げ、合計額の1円未満を切り捨てます。割合で決まる加算・減算は自動では計算しないため、算定できると確認できたものだけを金額で別に入力します。シミュレーターが計算しない加算・減算の範囲は「訪問介護のシミュレーターが計算しない加算・減算の範囲」で確認できます。

同一建物の利用者へのサービスに係る減算に当たるかは、当サイトの「訪問介護 同一建物等減算 判定ツール」で条件を確かめられます。個別の加算・減算を算定できるか、請求額が正しいかは、指定権者の確認と国保連の審査で決まります。この記事は告示と通知の算定の順番を整理したもので、個別の請求額は判断しません。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 事業所の所在地の地域区分を確認し、訪問介護の1単位の単価を控える
  2. 提供するサービス区分と所要時間ごとに、基本の単位数と月の回数を1行ずつ置く
  3. 算定できると確認した割合の加算・減算を、1回ごとに掛けるものと月の合計に掛けるものに分け、掛けるたびに四捨五入する
  4. 単位数×回数×1単位の単価で金額にし、1円未満を切り捨てた額を売上行として事業計画に載せる

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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