運営 / 更新 2026-10-17
外国人ヘルパーの雇用状況の届出:様式・期限・罰金30万円以下
外国人の訪問介護員を雇い入れたとき、辞めたときは、事業主がハローワークへ「外国人雇用状況の届出」を出す義務があります。厚生労働省は、雇用保険に入る人は資格取得届・資格喪失届で足り、入らない人は外国人雇用状況届出書(様式第3号)を出すと案内しており、期限もこの区分で変わります。この記事は、届出の対象、様式と期限、在留カードで確認する項目を、法令と厚生労働省の案内で整理します。
届出は、外国人を雇い入れたときと離職したときの事業主の義務
労働施策総合推進法第28条第1項は、事業主が新たに外国人を雇い入れた場合、または雇用する外国人が離職した場合に、その者の氏名、在留資格、在留期間などを確認し、厚生労働大臣に届け出なければならないと定めています。厚生労働省の案内は、これを「全ての事業主が届け出る必要がある」手続きとしており、訪問介護事業所も例外ではありません。
対象は、外国人労働者のうち、在留資格が「外交」「公用」の人と特別永住者を除いた人です。厚生労働省のチェックリストは、アルバイトなど雇用保険の被保険者にならない外国人労働者も含めて、日本国籍を持たない人への届出をしているかを確認項目に挙げています。非常勤の訪問介護員でも、事業所が雇用している外国人であれば、この届出の対象と考えて台帳に載せておくのが安全です(運用の提案)。
届出を怠ったり、虚偽の届出をしたりした場合は、30万円以下の罰金の対象になると厚生労働省は案内しています。届出を受けたハローワークは、法第28条第2項で国が努めることとされている、在留資格や知識経験に応じた適正な雇用管理の指導・助言を行います。
技能実習・特定技能の外国人が訪問介護に従事できる条件は、外国人介護人材の訪問介護への従事:技能実習・特定技能の要件と事業所が整える体制で読めます。この記事は、雇った後の届出だけを扱います。
この記事で決めること
訪問介護事業所の事業者・管理者が、外国人の訪問介護員を雇い入れたとき・離職したときに、外国人雇用状況の届出の対象、様式と期限、在留カードで確認する項目を確かめ、届出漏れを防ぐ手順を決めるための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、外国人雇用状況の届出台帳(氏名・在留資格・在留期間・雇入れ日・離職日・雇用保険の加入の有無・届出の様式・期限・提出日)を作成できる状態を目指します。
雇用保険に入る人と入らない人で、様式と期限が分かれる
雇用保険の被保険者になる外国人は、雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)または資格喪失届(様式第4号)を出すことで、外国人雇用状況の届出をしたことになります。期限は、資格取得届・資格喪失届の提出期限と同じで、雇入れは翌月10日まで、離職は翌日から起算して10日以内です。別の書類を重ねて出す必要はありません。
雇用保険の被保険者にならない外国人は、外国人雇用状況届出書(様式第3号)を出します。期限は、雇入れ・離職のどちらも翌月末日までです。被保険者になるかどうかは、勤務時間などの加入要件で決まるため、採用時に確かめる必要があります。
訪問介護員の加入要件は、訪問介護員の雇用保険の加入要件:週20時間・31日以上の見込みと資格取得届の期限で読めます。個別の外国人が被保険者になるかの判断は、ハローワークへ確認してください。
電子申請もできます。被保険者の場合はe-Gov、被保険者でない場合は「外国人雇用状況届出システム」から申請できると厚生労働省は案内しています。
様式第3号は、令和9年4月1日から新しい様式を使うことになっており、厚生労働省のページに現行版と新版が並んで掲載されています。提出の直前に、そのページで使う版を確かめてください。
| 区分 | 出す書類 | 雇入れの期限 | 離職の期限 |
|---|---|---|---|
| 雇用保険の被保険者になる外国人 | 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)/資格喪失届(様式第4号) | 翌月10日まで | 離職の翌日から起算して10日以内 |
| 雇用保険の被保険者にならない外国人 | 外国人雇用状況届出書(様式第3号) | 翌月末日まで | 翌月末日まで |
在留カードの提示を受けて確認する項目と、まとめて届け出る場合
厚生労働省は、届出をするときに、外国人労働者の在留カードまたは旅券(パスポート)などの提示を求め、届け出る事項を確認するよう案内しています。チェックリストが挙げる確認項目は、氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域、資格外活動許可の有無、在留カード番号(12桁)です。氏名は、日常生活で使っている通称名ではなく本名を書きます。
資格外活動許可の有無は、在留カードの裏面の「資格外活動許可」欄や、許可書、旅券の許可証印などで、許可の有無、許可の制限、許可されている活動の内容まで確かめるとされています。出入国在留管理庁が配布している「在留カード等読取アプリケーション」で、在留カードが偽造や変造でないかを確認することも、チェックリストに入っています。
届出に在留カードなどの写しを添える必要はありません。Q&Aは、記載内容が正確かどうかを担保するのは一義的には事業主だとしています。雇用保険の被保険者にならない外国人(様式第3号)で、雇入れ後に届出期限の前に離職した場合や、期限内に同じ外国人を何度か雇い入れた場合は、雇入れ日と離職日を複数書いて、まとめて届け出ることができます。
派遣労働者も届出の対象で、登録型派遣は、派遣先が決まって雇用関係が生じた都度、雇入れの届出が必要です。
起こりやすい失敗:雇用保険の加入の有無で期限を取り違える、離職の届出を忘れる
雇用保険に入る人は「翌月10日」、入らない人は「翌月末日」と、期限が違うため、雇入れ日だけを見て一律の期限で管理すると遅れが出ます。台帳に、雇用保険の加入の有無、使う様式、期限の日付を採用時に書いておくと、取り違えを防げます(運用の提案)。
雇入れの届出は出しても、辞めたときの届出を忘れる失敗が起こりえます。退職の手続きは、雇用保険の資格喪失届や社会保険の手続きと一緒に進めるのが現実的です。
退職時の手続きと期限は、訪問介護員の退職時手続き:雇用保険・社会保険・源泉徴収票の期限で読めます。離職の外国人雇用状況の届出も、退職時の手続き一覧に加えておくと漏れにくくなります(運用の提案)。
個別の外国人が対象になるか、どの様式を使うかが分からないときは、事業所を管轄するハローワークに確認してください。この記事は、個別の届出の要否を判断するものではありません。在留資格の手続きは、出入国在留管理庁の案内に従ってください。
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実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 外国人の訪問介護員を採用したら、在留カードか旅券の提示を受けて、氏名(本名)・在留資格・在留期間・資格外活動許可の有無・在留カード番号を確認し、台帳に書く
- 雇用保険の被保険者になるかを確かめ、なる人は資格取得届(様式第2号)を翌月10日までに、ならない人は外国人雇用状況届出書(様式第3号)を翌月末日までにハローワークへ出し、提出日を台帳に残す
- 退職の連絡を受けたら、被保険者だった人は資格喪失届(様式第4号)を離職の翌日から10日以内に、被保険者でなかった人は様式第3号を翌月末日までに出し、離職日と提出日を台帳に書く
- 毎月末に、その月に雇入れ・離職した外国人がいないかを台帳と勤務表で見比べ、届出漏れがあれば期限内に出す
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(第28条 外国人雇用状況の届出等)」(確認日 2026-10-17)
- 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」(確認日 2026-10-17)
- 厚生労働省「外国人雇用状況の届出 Q&A/適正な届出のためのチェックリスト」(確認日 2026-10-17)