運営 / 更新 2026-11-01

訪問入浴介護の運営指導で確認される書類:厚生労働省の確認項目と確認文書

訪問入浴介護の運営指導では、厚生労働省が定めた「確認項目」に沿って確認され、書類は「確認文書」に挙げられたものが中心になります。緊急時に主治の医師または協力医療機関へ連絡する体制、認知症介護に係る基礎的な研修、勤務体制の書類を中心に、項目と確認文書を原文で一覧にし、指導の前に自分で点検する手順をまとめます。

確認項目と確認文書の位置づけ

厚生労働省の運営指導マニュアルは、確認項目と確認文書を、運営指導の方法を標準化し効率化するために、確認すべき内容を絞った最低限のチェックポイントと位置づけています。この記事は、同じマニュアルの別添「確認項目及び確認文書」のうち訪問入浴介護の項(資料内4〜7ページ)を整理したものです。

別添の「はじめに」は、確認文書として複数例示されているものは、その1つの確認で目的が達成されるなら複数を求めなくてよいと示しています。また、確認文書として例示されていても運営基準に明記されていないものは、提出がなくても基準違反にはならないとも書いています。

この記事で決めること

訪問入浴介護事業所の運営指導を前に、行政が確認する項目と、用意する書類を、厚生労働省の標準の確認項目・確認文書の原文で点検したい事業者向け。訪問入浴介護を併設・開業する訪問介護の事業者が、運営指導の準備の見通しを持つ場面も含む。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、訪問入浴介護の運営指導の点検表(1枚):確認項目ごとに、確認文書の名前、置き場所、緊急時の連絡先(主治の医師・協力医療機関)の最新の確認日、認知症介護基礎研修の受講状況、不足の有無を作成できる状態を目指します。

個別サービスの質に関する事項:同意・計画・記録の書類

別添の訪問入浴介護の項は、確認項目を2つの区分に分けています。1つ目の「個別サービスの質に関する事項」には、内容及び手続の説明及び同意(第8条)、心身の状況等の把握(第13条)、居宅介護支援事業者等との連携(第14条)、居宅サービス計画に沿ったサービスの提供(第16条)、サービスの提供の記録(第19条)、指定訪問入浴介護の具体的取扱方針(第50条)が並びます。

訪問介護の項と比べると、確認文書は短く、訪問介護計画のような事業所独自の計画書は挙がっていません。居宅サービス計画とサービス提供記録を中心に確認される構成だと読めます(この読み方は別添の記載ではなく、この記事の整理です)。

訪問入浴介護の確認項目と確認文書(個別サービスの質、別添の原文から)
確認項目(条項)確認文書
内容及び手続の説明及び同意(第8条)重要事項説明書(利用申込者または家族の同意があったことがわかるもの)、利用契約書
心身の状況等の把握(第13条)・居宅介護支援事業者等との連携(第14条)サービス担当者会議の記録
居宅サービス計画に沿ったサービスの提供(第16条)居宅サービス計画
サービスの提供の記録(第19条)居宅サービス計画、サービス提供記録。確認項目は、提供日と内容、利用者に代わって支払いを受ける費用の額などの記載、具体的なサービス内容の記録
指定訪問入浴介護の具体的取扱方針(第50条)身体的拘束等の記録(身体的拘束等がある場合)

緊急時の対応と認知症介護基礎研修:訪問入浴介護の項で目立つ点

緊急時等の対応(第51条)の確認項目は、緊急事態が発生した場合に、速やかに主治の医師または協力医療機関に連絡しているか、です。確認文書は運営規程とサービス提供記録で、連絡先と対応方法が運営規程に書かれ、実際の連絡が提供記録に残る形が前提だと読めます(この読み方はこの記事の整理です)。

勤務体制の確保等(第53条の2)の確認項目には、資質向上のための研修の機会の確保に加えて、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるため必要な措置を講じているか、が挙がっています。確認文書は、勤務体制及び勤務実績がわかるもの、雇用の形態がわかるもの、研修の計画及び実績がわかるもの、職場におけるハラスメントによる就業環境悪化防止のための方針です。

身体的拘束等の項目(第50条)は、行わないこと、行う場合は切迫性・非代替性・一時性の要件を全て満たすこと、態様と時間、利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録することが挙げられています。

体制に関する事項:員数・管理者・運営規程・勤務体制の書類

2つ目の区分は「個別サービスの質を確保するための体制に関する事項」です。従業者の員数(第45条)、管理者(第46条)、受給資格等の確認(第11条)、利用料等の受領(第48条)、緊急時等の対応(第51条)、運営規程(第53条)、勤務体制の確保等(第53条の2)、業務継続計画の策定等(第30条の2)などが並びます。表の条項は、別添が指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)から抽出したものと注記している番号です。

訪問入浴介護の確認項目と確認文書(体制に関する事項から主なもの、別添の原文から)
確認項目(条項)確認文書
従業者の員数(第45条)従業者の勤務体制及び勤務実績がわかるもの(例:勤務体制一覧表、勤務実績表)、従業者の勤怠状況がわかるもの(例:タイムカード、勤怠管理システム)、資格要件に合致していることがわかるもの(例:資格証の写し)
管理者(第46条)管理者の雇用形態がわかるもの、勤務体制及び勤務実績がわかるもの、勤怠状況がわかるもの。確認項目は、常勤専従か、他の職務を兼務している場合は兼務体制が適切かどうか
受給資格等の確認(第11条)介護保険番号、有効期限等を確認している記録等
利用料等の受領(第48条)請求書、領収書
運営規程(第53条)運営規程(事業の目的及び運営の方針、従業者の職種・員数・職務の内容、営業日及び営業時間、訪問入浴介護の内容及び利用料その他の費用の額、通常の事業の実施地域、サービスの利用に当たっての留意事項、緊急時等における対応方法、虐待の防止のための措置、その他運営に関する重要事項の9項目を定めているか)
業務継続計画の策定等(第30条の2)業務継続計画、研修の計画及び実績がわかるもの、訓練の計画及び実績がわかるもの
衛生管理等(第31条)感染症の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会(おおむね6月に1回以上)の開催状況・結果がわかるもの、指針、研修及び訓練の実施状況・結果がわかるもの
事故発生時の対応(第37条)市町村、利用者家族、居宅介護支援事業者等への連絡状況がわかるもの、事故に際して採った処置の記録、損害賠償の実施状況がわかるもの

運営指導の前に、自分で点検する手順

別添の訪問入浴介護の項の確認項目を左の列に写し、右の列に確認文書の名前と事業所での置き場所を書いていきます。そのうえで、運営規程に緊急時の対応方法と、サービスの利用に当たっての留意事項が書かれているか、連絡先が最新かを見ます。

勤務体制一覧表、勤怠の記録、研修の計画と実績、資格証は月日がたつと変わるため、直近の分が揃っているかを別に確かめておくと安心です。足りない文書があるときは、運営基準に書かれている文書から先に整える進め方が、別添の「はじめに」の趣旨に合います。この順番は別添に書かれた手順ではなく、この記事の整理です。

訪問介護の運営指導の確認文書は別の記事の運営指導の確認項目チェックリストにまとめています。訪問入浴介護には、主治の医師または協力医療機関への連絡と、認知症介護に係る基礎的な研修のように、訪問入浴介護の項で挙がる確認項目があります。

この記事で確認した範囲と、次に確かめること

2026年11月1日に、厚生労働省の運営指導マニュアルの別添PDFの訪問入浴介護の項で、項目と文書名を原文で確認しました。別添のPDFの本文に作成日・改訂日の表記は見当たりませんでした。体制に関する事項のうち、この記事の表に載せたのは原文で確かめた主な行だけです。

自治体が独自に求める書類や様式、運営指導の通知から当日までの日程は、この記事では扱っていません。実際に求められる書類は、事業所のある都道府県・市町村の案内で確かめてください。個別の運営基準違反の有無を、この記事で判断することはできません。

次に知りたいことは、訪問入浴介護の人員と設備の条件は訪問入浴介護の指定基準、報酬の単位数は訪問入浴介護費の単位数、事業所の体制を評価する加算は訪問入浴介護のサービス提供体制強化加算で確かめられます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 別添(訪問入浴介護)の確認項目を左の列に写し、右に確認文書の名前を並べて、置き場所を書く
  2. 運営規程の9項目が揃っているか、緊急時の対応方法に主治の医師または協力医療機関への連絡が書かれているかを確かめ、連絡先の最新の確認日を表に書く
  3. 従業者ごとに資格証の写しと勤務体制一覧表、勤怠の記録、認知症介護基礎研修の受講状況を確かめ、未受講や期限の近いものに印を付ける
  4. 居宅サービス計画、サービス提供記録、利用料の請求書と領収書が利用者ごとに直近の月まで揃っているかを確かめ、不足分は整えた日と担当者を残す

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問入浴介護の指定基準:看護職員・介護職員の員数・管理者・設備(基準第45条〜第47条) →