事業計画 / 更新 2026-10-30
居宅療養管理指導の事業計画書と収支:医師(Ⅰ)は1人515単位・薬局の薬剤師は518単位
居宅療養管理指導の事業計画書の収支は、事業所の種類と員数、職種ごとの単位数、月の回数の上限、自社の費用の4つに分けると書けます。事業所になれるのは病院、診療所、薬局に限られ、収入は職種と建物ごとの人数の区分で決まる単位数に、月の回数を掛けて出します。この記事は、原文を2026年10月30日に確かめ、収入の式と数値例を整理し、診療報酬や調剤報酬、給与の平均値は扱いません。
事業計画書の収支に入れる項目と、数字の根拠
下の表は、収支に入れる項目ごとに、数字の根拠と、自社で確かめる点を並べたものです。基準や告示で決まる項目と、自社の数字を入れる項目を分けています。
居宅療養管理指導は、医療機関や薬局が、通院が困難な利用者の居宅を訪問して行う指導です。病院、診療所、薬局の全体の収支のうち、この指導の分をどう分けるかを決めて見積もります。
| 項目 | 根拠の数字 | 自社で確かめる点 |
|---|---|---|
| 事業所の種類 | 病院、診療所、薬局(基準 第86条第1項) | 自社がどれに当たるか |
| 員数 | 病院と診療所は医師または歯科医師を置き、薬剤師・歯科衛生士・管理栄養士は内容に応じた適当数。薬局は薬剤師(基準 第85条第1項) | 勤務表と、担う職種 |
| 医師の基本の収入 | 居宅療養管理指導費(Ⅰ)は1人515、2人以上9人以下487、それ以外446単位。1月に2回を限度(告示 別表 5 イ) | 利用者の人数と建物ごとの区分 |
| 薬局の薬剤師の基本の収入 | 1人518、2人以上9人以下379、それ以外342単位。1月に4回を限度(同 ハ(2)) | 利用者の人数と月の訪問回数 |
| 1単位の単価 | 居宅療養管理指導は、告示の表で全ての地域区分の割合が千分の千。1単位は10円 | 予定する所在地の表の行 |
| 給与・車両・衛生材料ほか | この記事は数字を示さない | 見積書と求人条件で確かめた自社の数字 |
この記事で決めること
病院・診療所・薬局が居宅療養管理指導の事業計画書の収支に何を入れるのかを、事業所の種類ごとの員数の基準と、職種ごとの単位数・月の回数の上限から知り、利用者数から月の収入を見積もる式を確かめる。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、居宅療養管理指導の収支計画の入力表(事業所の種類、職種ごとの人数、利用者の人数と建物ごとの区分、月の訪問回数、1単位の単価、人件費と固定費)を作成できる状態を目指します。
事業所の種類と員数:病院・診療所は医師または歯科医師、薬局は薬剤師
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準の第86条第1項は、指定居宅療養管理指導事業所を、病院、診療所又は薬局であって、事業の運営に必要な広さを有し、提供に必要な設備及び備品等を備えているものと定めています。
第85条第1項は、事業所の種類ごとに員数を定めています。病院又は診療所は、医師又は歯科医師を置き、あわせて薬剤師、歯科衛生士又は管理栄養士を、提供する内容に応じた適当数置きます。薬局は、薬剤師を置きます。
訪問介護のような常勤換算の数え方での人数の定めは、この条文にはありません。指定の手順や、保険医療機関の指定に伴う扱いは居宅療養管理指導の指定基準にまとめています。運営規程の項目は訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導の運営規程の7項目で確かめられます。
月の収入の式:利用者数×区分ごとの単位数×月の回数×10円
告示の別表の5は、職種ごとに、同じ建物に住む人のうち、その事業所が同一月に指導を行う人の数で、単位数を3つに分けています。医師の(Ⅰ)は515・487・446単位、歯科医師は517・487・441単位、病院又は診療所の薬剤師は566・417・380単位、薬局の薬剤師は518・379・342単位、歯科衛生士等は362・326・295単位、管理栄養士の(Ⅰ)は545・487・444単位です。1人は単一建物居住者が1人、次が2人以上9人以下、最後がそれ以外の場合です。
算定できる回数には、職種ごとの上限があります。医師、歯科医師、管理栄養士は1月に2回、病院又は診療所の薬剤師も1月に2回、薬局の薬剤師は1月に4回、歯科衛生士等は1月に4回までです。
薬局の薬剤師は、別に厚生労働大臣が定める者に対しては、1週に2回かつ1月に8回までです。歯科衛生士等は、がん末期の利用者は1月に6回までです。
月の収入は、利用者の数に、区分ごとの単位数と月の訪問回数を掛けて足し、1単位の単価を掛けた額です。告示の一単位の単価の表で、居宅療養管理指導の割合は全ての地域区分で千分の千のため、1単位は10円です。加算の単位数と届出基準、地域の加算の対象地域はこの記事で扱わず、居宅療養管理指導費の単位数にまとめています。
数値例:薬局の薬剤師が、利用者20人に月2回ずつ訪問する場合
式を確かめるための仮の数字を置きます。薬局の薬剤師が、利用者20人を訪問します。12人は同じ建物に住む人が自分だけで、8人は同じ建物に2人以上9人以下で住みます。
全員に月2回ずつ訪問し、回数の上限の4回には届かないものとします。
単一建物居住者が1人の12人は、518単位×2回×12人=12,432単位です。2人以上9人以下の8人は、379単位×2回×8人=6,064単位です。
月は12,432+6,064=18,496単位で、1単位10円を掛けると184,960円です。加算は入れていません。
利用者の数が計画に届かない月は、人数を少なくして見積もります。同じ建物に住む人の数で単位数が変わるため、利用者が建物ごとにどう分かれるかを、名簿で確かめて入れます。
費用側で自社の数字を入れる項目
費用は、薬剤師、医師、歯科衛生士、管理栄養士などの給与と社会保険料のうち居宅療養管理指導の分、訪問の交通費と車両、衛生材料、記録や請求のシステム、研修費に分けて書きます。この記事は、給与や車両の費用の平均値を示しません。求人条件、見積書、契約条件で確かめた自社の数字を入れます。
診療報酬や調剤報酬の収入は、この記事の式に含まれません。医療機関や薬局の全体の収支を見るときは、介護保険の収入と別の列に分けて書きます。専門職が居宅に関わる別のサービスとの比較は福祉用具貸与事業所の事業計画と収支で確かめられます。
この記事で確認した範囲
確認したのは、事業所の種類と員数の基準の原文、居宅療養管理指導費の単位数と月の回数の上限、一単位の単価の表で、2026年10月30日に読んだ内容です。基準は指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準の第85条・第86条をe-Gov法令検索で、単位数と回数の上限は厚生労働省の告示で確かめました。
加算の届出基準、地域の加算の対象地域、介護予防居宅療養管理指導の単位数、診療報酬と調剤報酬の点数、都道府県の条例の個別の定め、給与や車両の費用の平均値は確認しておらず、扱っていません。個別の事業所の収支は、自社の数字と、事業所を置く都道府県への確認で決めてください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 自社が病院、診療所、薬局のどれに当たるかを確かめ、医師または歯科医師、薬剤師、歯科衛生士、管理栄養士のうち、居宅療養管理指導を担う職種を勤務表で確かめる。指定の手順は、事業所を置く都道府県の窓口で確かめる
- 利用者を職種ごとに、同じ建物に住む人のうち同じ月に指導する人数で、1人、2人以上9人以下、それ以外の3区分に分ける。告示の単位数の表から、職種と区分に合う単位数を拾う
- 月の収入は、職種と区分ごとに、利用者数に単位数と月の訪問回数を掛けて足し、1単位の単価を掛ける。訪問回数は、告示の月の上限を超えない数にする。加算は、届出の見込みがあるものだけを足す
- 職種ごとの給与のうち居宅療養管理指導の分、訪問の交通費と車両、衛生材料、記録と請求のシステム、研修費は、見積書と求人条件の自社の数字を入れ、利用者が増えるまでの月に収入が費用を下回る期間を月ごとの表で見積もる
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
居宅療養管理指導の事業計画書の収入は、何で決まりますか?
職種と、同じ建物に住む人のうち同じ月に指導する人数の区分で決まる1回あたりの単位数です。医師の居宅療養管理指導費(Ⅰ)は、1人515単位、2人以上9人以下487単位、それ以外446単位です。月の収入は、利用者数に単位数と月の訪問回数を掛け、1単位10円を掛けて出します。
居宅療養管理指導は、どんな事業所が行えますか?
基準の第86条第1項は、事業所を病院、診療所、薬局に限っています。員数は第85条第1項で、病院と診療所は医師または歯科医師を置き、薬剤師・歯科衛生士・管理栄養士は内容に応じた適当数、薬局は薬剤師を置くと定めています。
居宅療養管理指導の1月に算定できる回数には、上限がありますか?
告示の注に、職種ごとの上限があります。医師・歯科医師・管理栄養士と病院・診療所の薬剤師は1月に2回、薬局の薬剤師と歯科衛生士等は1月に4回までです。月の収入を見積もるときは、この上限を超える回数を入れません。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める一単位の単価」(確認日 2026-10-25)
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 5 居宅療養管理指導費」(別表 5 居宅療養管理指導費 イ 医師、ロ 歯科医師、ハ 薬剤師(注1〜注8)、ニ 管理栄養士、ホ 歯科衛生士等の各単位数と、各注の地域の加算)(確認日 2026-10-19)
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第84条 基本方針、第85条 従業者の員数、第86条 設備及び備品等、第89条 具体的取扱方針、第90条 運営規程、第91条 準用)、介護保険法第71条」(基準第84条〜第86条、第89条〜第91条(居宅療養管理指導)、法第71条(指定居宅サービス事業者の特例))(確認日 2026-10-23)