運営 / 更新 2026-10-28
住宅改修の理由書:作成できる人・書く内容・居宅サービス計画との関係
住宅改修の事前申請で添える理由書は、基本的には居宅サービス計画等を作成する介護支援専門員と、地域包括支援センターの担当職員が作成します。書くのは、必要な工事の種別と、その工事を選んだ理由です。このページは、厚生労働省の通知(平成12年3月8日老企第42号)の原文で、作成者、書く内容、居宅サービス計画との関係、作成にかかる費用の扱いを確かめて整理します。
根拠は厚生労働省の通知(老企第42号)
このページが根拠にしているのは、厚生労働省の通知「居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について」(平成12年3月8日老企第42号)です。通知は、理由書を、介護保険法の施行規則第75条第1項第3号と第94条第1項第3号に定める書類として説明しています。
通知の説明を整理したページで、様式そのものではありません。市町村ごとの様式や提出の期限は、保険者の案内で確認が必要です。住宅改修費の対象工事や支給限度基準額は介護保険の住宅改修費で整理しています。
この記事で決めること
住宅改修の理由書を誰が作成し、何を書き、居宅サービス計画とどう関係するか、作成費用をどう扱うかを、厚生労働省の通知(老企第42号)で確かめたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、住宅改修の理由書の確認表(利用者の管理番号、理由書を作成する人の職種と居宅サービス計画の作成者との連絡日、理由書に書いた工事種別と選定理由、居宅サービス計画の記載を参照して省略した項目、添付した見積もり・予定の状態の写真または図・所有者の承諾書の有無、確認した通知と日付)を作成できる状態を目指します。
理由書に書くのは、工事の種別と選んだ理由
通知は、理由書を、被保険者の心身の状況、日常生活上の動線、住宅の状況、福祉用具の導入状況などを総合的に考えて、必要な住宅改修の工事種別とその選定理由を記載するものと説明しています。様式は、通知の別紙2を標準としています。
理由書は、利用者の状態と暮らしの動線から見て、なぜその工事が必要かを書く書類です。工事費の見積もりとは、通知で別の号の書類として並べられています。
作成できる人:介護支援専門員等が基本
通知は、理由書を作成する人を、基本的には居宅サービス計画等を作成する介護支援専門員と、地域包括支援センターの担当職員としています。通知はこの二者をまとめて「介護支援専門員等」と呼んでいます。
ほかに、市町村が福祉用具・住宅改修支援事業等として住宅改修の相談や助言を行っている、福祉、保健・医療または建築の専門家も含まれると書かれています。どの職種が書けるかを個別に判断する場合は、保険者に確認が必要です。
居宅サービス計画との関係:連絡調整と、重複の省略
理由書を作成する人が、その利用者の居宅サービス計画等を作成している人と異なる場合は、十分に連絡調整を行うことが必要と、通知に書かれています。
居宅サービス計画等に同じ内容が記載されていて確認できる場合は、理由書への記載を省略して差し支えないとされています。利用者の動線や福祉用具の導入状況のように、計画に書いてある内容は、理由書で書き写す必要はありません。
作成の費用:別途の徴収はできない
通知は、介護支援専門員等が理由書を作成する業務は、居宅介護支援事業または介護予防支援事業の一環のため、被保険者から別途費用を徴収することはできないとしています。
あわせて、介護支援専門員等が、自ら住宅改修の設計と施工を行わないのに被保険者から工事を請け負って住宅改修の事業者に一括下請けさせることや、住宅改修事業者から仲介料・紹介料を徴収することは認められないとしています。
理由書と一緒にそろえる書類
通知は、事前申請の書類として、理由書のほかに、費用の見積もりと、改修予定の状態が確認できるものを挙げています。見積もりは、材料費、施工費、諸経費などを区分して、内訳がわかるものとされています。
改修予定の状態が確認できるものは、便所、浴室、廊下などの箇所ごとに、改修前と改修後の予定の状態を写真や簡単な図で示したものです。住宅改修を行った利用者と住宅の所有者が異なる場合は、所有者の承諾書が必要と、通知の事後申請の書類の中に書かれています。
事業所で確認する順番と、次に知りたいこと
訪問介護の事業所は、理由書を書く立場にはなくても、利用者の動線や日々の困りごとを知る立場にあります。通知にある定めではなく実務の一例ですが、利用者の住まいで気づいた点は、理由書を書く人に伝える先を決めておくと、連絡調整がしやすくなります。伝え先の整理は訪問介護の変化の伝え先早見表で確認できます。
福祉用具のうち、貸与の側の決まりは軽度者の福祉用具貸与、販売の対象になる種目は特定福祉用具販売の対象種目で整理しています。
このページは、2026年10月28日に確認した通知の掲載版の整理にとどまります。理由書の作成の代行や、個別の工事が対象になるかどうかの判断はしません。最新の取り扱いは、厚生労働省と市町村の案内で確認が必要です。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 理由書を作成する人が、居宅サービス計画等を作成する介護支援専門員、地域包括支援センターの担当職員、または市町村の福祉用具・住宅改修支援事業等で相談・助言を行う専門家のどれかを、確認表に記録する
- 作成者が居宅サービス計画を作成している人と異なる場合は、連絡調整を行った日と相手を記録し、心身の状況、日常生活上の動線、住宅の状況、福祉用具の導入状況の情報が共有されているかを確かめる
- 理由書には必要な工事種別とその選定理由を書き、居宅サービス計画で確認できる内容は、計画の記載を参照して省略した項目を確認表に残す
- 見積もり(材料費・施工費・諸経費の区分)、箇所ごとの改修前後の予定の状態、所有者が利用者と異なる場合の承諾書がそろっているかを確認し、理由書の作成について利用者から別途費用を受け取っていないことを担当者間で共有する
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
住宅改修の理由書は、誰が作成しますか?
老企第42号は、基本的には居宅サービス計画等を作成する介護支援専門員と地域包括支援センターの担当職員が作成するとしています。市町村が行う福祉用具・住宅改修支援事業等で、住宅改修の相談や助言を行っている福祉、保健・医療または建築の専門家も含まれます。
住宅改修の理由書には、何を書きますか?
通知は、被保険者の心身の状況、日常生活上の動線、住宅の状況、福祉用具の導入状況等を総合的に勘案し、必要な住宅改修の工事種別とその選定理由を記載するものとし、別紙2の様式を標準としています。居宅サービス計画等に同じ内容が記載されていて確認できる場合は、理由書への記載を省略して差し支えないとされています。
理由書の作成について、利用者から費用を受け取れますか?
通知は、介護支援専門員等が理由書を作成する業務は居宅介護支援事業または介護予防支援事業の一環のため、被保険者から別途費用を徴収することはできないとしています。住宅改修の工事を請け負って一括下請けさせることや、住宅改修事業者から仲介料・紹介料を徴収することも認められないとされています。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について(平成12年3月8日老企第42号)」(住宅改修が必要な理由書(施行規則第75条第1項第3号・第94条第1項第3号)、住宅改修に要する費用の見積もり、住宅改修の予定の状態が確認できるもの、住宅の所有者の承諾書)(確認日 2026-10-28)