参入判断 / 更新 2026-10-20

市町村ごとに違う訪問介護の取扱い:基準該当訪問介護は95保険者(令和7年度調査)

訪問介護の取扱いには、市町村(保険者)ごとに実施するかどうかが分かれるものがあります。基準該当サービス、離島等相当サービス、利用者負担の軽減施策です。厚生労働省が令和8年10月2日に公表した令和7年度介護保険事務調査の集計から、それぞれを実施している保険者の数を確認し、開業予定地の市町村に何を問い合わせるかを決めます。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

調査の範囲:全国1,573保険者、令和7年4月1日現在

この記事の数字は、介護保険最新情報Vol.1545(令和8年10月2日付の事務連絡「令和7年度介護保険事務調査の集計結果について」)の集計です。調査対象は全国1,573保険者で、回答率は100%です。調査時点は令和7年4月1日現在で、一部の項目だけ別の期間になっています。

保険者は、介護保険法上、介護保険を運営する市町村(特別区を含む)などです。集計は、各項目を実施している保険者が何件あるかを数えたもので、どの市町村が実施しているかは載っていません。事業所の開業予定地が実施しているかは、この記事では分からず、市町村への確認が必要です。

この記事で決めること

訪問介護事業所の事業者が、基準該当サービス・離島等相当サービス・利用者負担の軽減施策を実施している市町村(保険者)の数を、厚生労働省の令和7年度介護保険事務調査の集計で確認し、自分の事業所の市町村に何を問い合わせるかを決めるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、開業予定地の市町村への確認事項リスト(基準該当・離島等相当・利用者負担の軽減)を作成できる状態を目指します。

基準該当サービスと離島等相当サービス:訪問介護を認める保険者の数

基準該当サービスは、介護保険法第42条などが定める、指定を受けていない事業者のサービスを保険給付の対象とする仕組みです。調査では、基準該当サービスとして保険給付の対象になる事業者がある保険者は201(12.8%)でした。

その内訳(複数回答)で、訪問介護は95保険者です。同居家族に対するヘルパー派遣は1保険者でした。

95を調査対象の1,573で割ると約6.0%になります(これは当サイトの計算です)。基準該当訪問介護は、全国の保険者の中では、実施が少数にとどまる仕組みです。

離島等相当サービスは、指定居宅サービスと基準該当サービスの確保が著しく困難な離島等の地域で、保険者が必要と認める場合に、これらに相当するサービスを保険給付の対象にするものです。実施は35保険者(2.2%)で、そのうちホームヘルプサービスは16保険者です。

基準該当訪問介護の人員・設備の基準は基準該当訪問介護の基準:訪問介護員3人以上・サービス提供責任者1人以上・管理者で、同居家族へのサービス提供は訪問介護の同居家族へのサービス提供可否で確認できます。

利用者負担の軽減施策:実施する保険者の数は施策で大きく違う

調査は、利用者負担の軽減施策を、実施している保険者数で示しています。次の表は、その数をそのまま並べたものです。割合は、調査が示した値です。

訪問介護の利用者から軽減の認定証や確認証を示されたときの扱いは、施策ごとに事業所の手続きが違います。対象者と軽減の程度は、別の記事で整理しています。

利用者負担の軽減施策を実施する保険者の数(令和7年度介護保険事務調査、全国1,573保険者)
施策実施保険者数割合
社会福祉法人による軽減措置1,53297.4%
障害ヘルパー利用者の軽減措置52133.1%
市町村単独の軽減措置24715.7%
離島等地域における軽減措置1257.9%
中山間地域等における軽減措置734.6%

この数字の使い方:開業予定地の市町村に聞くこと

社会福祉法人による軽減は、ほぼ全ての保険者が実施しています。ほかの施策は、実施する保険者が3割から1割以下まで分かれます。同じ施策でも、開業予定地の市町村が実施しているとは限りません。

確認する項目の例は、基準該当サービスと離島等相当サービスを訪問介護で認めているか、各軽減施策のうち実施しているものはどれか、実施している場合に事業所が行う手続き(確認証の確認、請求の方法など)はどうなるか、の3つです。窓口は市町村の介護保険担当課です。確認事項の全体は指定権者に確認する事項の一覧(申請・人員・届出・加算)にまとめています。

軽減施策の中身は訪問介護の利用者負担の軽減制度:減額認定証(0%)と社会福祉法人等の軽減(1/4)で確認できます。

この調査から分からないこと

この調査は、保険者の実施の有無を数えたものです。実施している保険者の名前、基準該当サービスを提供している事業所の数や利用者の数、軽減を受けた利用者の数は、今回確認した集計には載っていません。

市町村独自の報酬の設定は、調査の項目に載っているのが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護の地域密着型サービスです。訪問介護の項目は、今回の集計にはありません。

調査時点は令和7年4月1日現在(一部の項目を除く)です。現在の取扱いと要件は、事業所の市町村の担当課に確認してください。この記事は、通知の集計だけで書いており、個別の市町村の要件は確認していません。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 開業予定地を所管する市町村(保険者)を、事業所の所在地と主な訪問先の範囲から決める
  2. 基準該当サービスと離島等相当サービスを訪問介護で実施しているかを、市町村の介護保険担当課へ問い合わせる項目に書く
  3. 障害ヘルパー利用者・社会福祉法人・離島等・中山間地域等・市町村単独の軽減施策のうち、実施しているものと、事業所が行う手続きを問い合わせる項目に書く
  4. 回答の日付と担当課名を記録し、利用者への説明や利用料の請求の手順に反映する

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

基準該当サービスで訪問介護を認めている市町村はどれくらいありますか?

厚生労働省の令和7年度介護保険事務調査(全国1,573保険者、令和7年4月1日現在)では、基準該当サービスを実施している保険者は201(12.8%)で、そのうち訪問介護を含むのは95保険者です。どの市町村かは集計に載っていないため、開業予定地の市町村へ確認します。

利用者負担の軽減施策は、どの市町村でも同じように実施されていますか?

同じではありません。同じ調査で、社会福祉法人による軽減措置は1,532保険者(97.4%)が実施する一方、障害ヘルパー利用者の軽減措置は521(33.1%)、離島等地域は125(7.9%)、中山間地域等は73(4.6%)、市町村単独は247(15.7%)です。

調査の数字は、自分の事業所の市町村に当てはまりますか?

当てはまるかどうかは、この調査だけでは分かりません。調査は保険者ごとの実施の有無を数えたもので、市町村名は載っていません。調査時点は令和7年4月1日現在(一部の項目を除く)なので、現在の取扱いと要件は、事業所の市町村の介護保険担当課に確認してください。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 指定権者に確認する事項の一覧(申請・人員・届出・加算) →