運営 / 更新 2026-10-26
特養の栄養マネジメント強化・経口維持・退所時情報提供の加算比較:11・400・250単位
特別養護老人ホームの栄養マネジメント強化加算は1日11単位、経口維持加算はⅠが月400単位・Ⅱが月100単位、退所時情報提供加算は250単位です。数え方が1日・1月・1人1回とそれぞれ違い、求める要件も管理栄養士の配置、多職種の会議、医療機関への情報提供と異なります。この記事では、告示の原文から3つの加算を比べます。
この記事の要点
- 単位数と数え方
- 栄養マネジメント強化加算は1日につき11単位、経口維持加算はⅠが400単位・Ⅱが100単位で1月につき、退所時情報提供加算は250単位で入所者1人につき1回(告示第21号 介護福祉施設サービス チ・ヌ・ヘ)
- 管理栄養士の配置
- 栄養マネジメント強化加算は、管理栄養士を常勤換算で入所者数÷50以上(常勤の栄養士を1名以上置き給食管理を行う場合は÷70以上)(告示第95号 第六十五号の三)
- 経口維持加算
- 摂食機能障害と誤嚥がある入所者に、医師または歯科医師の指示のもと多職種が経口維持計画を作る。Ⅱは協力歯科医療機関を定めた施設でⅠを算定し、会議に歯科医師などが加わった場合
3つの加算の単位数と要件の違い
指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)の介護福祉施設サービスに、3つの加算が定められています。2026年10月26日に、厚生労働省が掲載する告示の本文で確かめました。告示の項目名では、栄養マネジメント強化加算が「チ」、経口維持加算が「ヌ」、退所時情報提供加算が「ヘ」の(5)です。
基準の多くは、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)が定めています。退所時情報提供加算は、告示の注5に条件が書かれており、注には届出や大臣が定める基準の定めは見当たりません。
| 加算 | 単位数 | 数え方 | 対象と要件の要点 |
|---|---|---|---|
| 栄養マネジメント強化加算 | 11単位 | 1日につき | 入所者ごとの継続的な栄養管理を強化。管理栄養士の配置、栄養ケア計画、情報の提出などの基準 |
| 経口維持加算(Ⅰ) | 400単位 | 1月につき | 摂食機能障害と誤嚥がある入所者。医師または歯科医師の指示、多職種の会議、経口維持計画 |
| 経口維持加算(Ⅱ) | 100単位 | 1月につき | 協力歯科医療機関を定めた施設がⅠを算定し、会議に歯科医師などが加わった場合 |
| 退所時情報提供加算 | 250単位 | 入所者1人につき1回 | 退所して医療機関に入院する入所者の情報を、同意を得て提供し、紹介した場合 |
この記事で決めること
特別養護老人ホームの事業者が、栄養マネジメント強化加算・経口維持加算・退所時情報提供加算の単位数、数え方、要件の違いを告示の原文で比べて確かめたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、特別養護老人ホームの栄養・経口関連加算の確認表(1枚):栄養マネジメント強化加算の管理栄養士の配置数(入所者数÷50以上か、栄養士配置時の÷70)、経口維持加算の対象者と計画・会議の記録、退所時情報提供加算の提供先の医療機関と同意の記録、同時に算定しない加算の確認、確認日を作成できる状態を目指します。
栄養マネジメント強化加算:管理栄養士の配置と5つの基準
告示のチは、基準に適合するものとして電子情報処理組織を使う方法で都道府県知事に届出を行った施設が、入所者ごとの継続的な栄養管理を強化して実施した場合に、1日につき11単位を加算すると定めます。基準は、告示第95号の第八十六号の四にあります。この号は、第六十五号の三を特別養護老人ホーム向けに読み替えて使う定めです。
基準のイは、管理栄養士を常勤換算で、入所者の数を50で除した数以上配置することです。ただし、常勤の栄養士を1名以上置き、その栄養士が給食管理を行っている場合は、70で除した数以上で足ります。ロは、低栄養状態またはそのおそれのある入所者に、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員などが共同して作った栄養ケア計画に従い、食事の観察を定期的に行い、栄養状態、心身の状況、嗜好を踏まえて食事を調整することです。
ハは、ロの入所者以外にも、食事の観察で変化を把握し、問題があれば早く対応することです。ニは、入所者ごとの栄養状態などの情報を厚生労働省に提出し、継続的な栄養管理に活用することです。ホは、通所介護費等算定方法の第十二号に規定する基準に当たらないことです。
経口維持加算ⅠとⅡ:対象者、計画、会議の参加職種
告示のヌの(1)は、基準に適合する施設が、現に口から食事をとっている入所者のうち、摂食機能障害があり誤嚥が認められる人に算定します。医師または歯科医師の指示に基づき、医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、介護支援専門員などが共同して、食事の観察と会議を行い、入所者ごとに経口維持計画を作ります。その計画に従って、指示を受けた管理栄養士または栄養士が栄養管理を行った場合に、1月につき400単位です。
(2)のⅡは、協力歯科医療機関を定めている施設が(1)のⅠを算定している場合で、食事の観察と会議に、配置医師を除く医師、歯科医師、歯科衛生士、言語聴覚士が加わったときに、1月につき100単位です。95号の第六十七号の基準は、摂食または嚥下の機能を医師が適切に評価していること、誤嚥が起きたときの管理体制、食形態への配慮、これらを多職種で実施する体制の4つに、算定方法の基準に当たらないことを加えたものです。
退所時情報提供加算:医療機関への入院の場合に1人1回
退所時等相談援助加算のヘの(5)の退所時情報提供加算は250単位です。入所者が退所して医療機関に入院する場合に、入所者の同意を得て、心身の状況や生活歴などの情報を医療機関に提供したうえで、入所者の紹介を行った場合に、入所者1人につき1回に限り算定します。
ヘの同じ区分には、退所前訪問相談援助加算、退所後訪問相談援助加算、退所時相談援助加算、退所前連携加算がありますが、それぞれ条件が異なるため、この記事では比べていません。栄養に関わる情報提供には、別に退所時栄養情報連携加算(70単位)があり、この記事では扱いません。
同時に算定しない組み合わせと、事業所で確かめる順番
栄養マネジメント強化加算は、「イ及びロの注8」を算定している場合は算定しません。経口維持加算のⅠは、注8または経口移行加算を算定している場合は算定しません。注8の基準は、95号の第八十六号の三にあり、栄養士または管理栄養士の員数と、指定基準第十七条の二に規定する基準です。
確かめる順番は、まず管理栄養士の常勤換算数を入所者数から計算して配置を見ます。次に、低栄養の入所者の栄養ケア計画、摂食機能障害と誤嚥がある入所者の経口維持計画と会議の記録、退所して入院する入所者への情報提供の記録を見ます。基本単位数は特別養護老人ホームの単位数に、人員の基準は特別養護老人ホームの指定基準に、ほかの加算は夜勤職員配置加算と看取り介護加算にあります。
この記事で確認した範囲
2026年10月26日に、厚生労働省が掲載する告示(平成12年厚生省告示第21号の介護福祉施設サービスのチ、ヌ、ヘの(5)、平成27年厚生労働省告示第95号の第六十五号の三、第六十七号、第八十六号の三、第八十六号の四)の本文を確認しました。単位数、数え方、基準、同時に算定しない加算を確かめています。
留意事項通知の細かな運用、栄養ケア計画や経口維持計画の様式、歯科医師が指示を行う場合の条件、通所介護費等算定方法の各号の内容、地域密着型介護老人福祉施設は、この記事では扱っていません。実際の算定は指定権者の判断によるため、算定を保証する記事ではありません。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 入所者数から必要な管理栄養士の常勤換算数を出し、実際の配置が栄養マネジメント強化加算の基準を満たすかを確かめる
- 低栄養状態またはそのおそれのある入所者の栄養ケア計画と、食事の観察の記録、厚生労働省への情報提出の状況を確かめる
- 摂食機能障害と誤嚥がある入所者について、医師または歯科医師の指示、経口維持計画、会議の参加職種の記録を確かめる
- 退所して医療機関に入院する入所者について、同意と情報提供の記録を確かめ、同時に算定しない加算の組み合わせを請求前に見る
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)別表 1 介護福祉施設サービス イ〜マと注」(別表 1 介護福祉施設サービス イ 介護福祉施設サービス費、ロ ユニット型介護福祉施設サービス費、注1〜注23、ハ 初期加算〜ヤ サービス提供体制強化加算(ナ 褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)3単位・(Ⅱ)13単位、ラ 排せつ支援加算(Ⅰ)10単位・(Ⅱ)15単位・(Ⅲ)20単位を含む。いずれも1月につき)、マ 介護職員等処遇改善加算(1ページ目))(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省「指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第21号)別表 介護福祉施設サービス チ 栄養マネジメント強化加算・ヌ 経口維持加算・ヘ(5) 退所時情報提供加算」(チ 栄養マネジメント強化加算11単位の注、ヌ 経口維持加算(1)400単位・(2)100単位の注1・注2、ヘ 退所時等相談援助加算 (5)退所時情報提供加算250単位の注5)(確認日 2026-10-26)
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第六十五号の三・第六十七号・第八十六号の三・第八十六号の四(栄養マネジメント強化加算・経口維持加算)」(第六十五号の三(栄養マネジメント強化加算の基準・イ〜ホ)、第八十六号の四(介護福祉施設サービスは第六十五号の三を準用し読み替え)、第六十七号(経口維持加算の基準・イ〜ホ)、第八十六号の三(注8の基準)、第七十一号の二(褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)(Ⅱ)の基準。介護福祉施設サービスを含む)、第七十一号の三(排せつ支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)の基準。介護福祉施設サービスを含む))(確認日 2026-10-26)