事業計画 / 更新 2026-10-30
療養通所介護の事業計画書と収支:月額12,785単位・定員18人以下
療養通所介護(難病やがん末期などの重度の人が通うデイサービス)の事業計画書の収支は、利用定員と員数、月額の収入、自社の費用の3つに分けると書けます。通常の通所介護と違い、報酬は1日ごとではなく1月につき12,785単位です。この記事は、原文を2026年10月30日に確かめ、収入の式と数値例を整理し、賃料や給与の平均値は扱いません。
事業計画書の収支に入れる項目と、数字の根拠
下の表は、収支に入れる項目ごとに、数字の根拠と、自社で確かめる点を並べたものです。基準や告示で決まる項目と、自社の数字を入れる項目を分けています。
療養通所介護は、利用者が通った日数にかかわらず、1月につき12,785単位を算定する月額の報酬です。月の収入は、利用者の人数で決まるため、通所介護の「延べ利用者数」の式とは組み立てが異なります。
| 項目 | 根拠の数字 | 自社で確かめる点 |
|---|---|---|
| 利用定員 | 18人以下(基準 第40条の3) | 同時に受け入れる利用者数の上限 |
| 専用の部屋 | 専用の部屋の面積は、6.4平方メートル×利用定員以上(基準 第40条の4第2項) | 図面の面積と、定員の置き方 |
| 管理者 | 専らその職務に従事する常勤の管理者で、看護師でなければならない。管理上支障がない場合は兼務ができる(基準 第40条の2) | 管理者になる看護師の有無 |
| 看護職員または介護職員 | 利用者1.5に対し、提供時間帯を通じて専ら提供に当たる従業者が1以上確保される数以上。うち1人以上は常勤の看護師で専従(基準 第40条) | 勤務表と、利用者数の見込み |
| 基本の収入 | 療養通所介護費は1月につき12,785単位。短期利用は1日につき1,335単位(告示 別表 ロ・ハ) | 契約する利用者の人数の見込み |
| 賃料・車両・給与ほか | この記事は数字を示さない | 見積書と求人条件で確かめた自社の数字 |
この記事で決めること
難病やがん末期などの重度の人が通う療養通所介護の開設を考える事業者が、事業計画書の収支に何を入れるのかを、基準の利用定員・専用の部屋・員数と、告示の月額の単位数から知り、利用者の人数から月の収入を見積もる式を確かめる。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、療養通所介護の収支計画の入力表(利用定員と専用の部屋の面積、管理者の看護師と従業者の人数、月ごとの利用者の人数と入浴介助の有無、1人当たりの月の提供回数、1単位の単価、人件費と固定費)を作成できる状態を目指します。
利用定員と専用の部屋から決まる固定費:定員18人なら115.2平方メートル以上
指定地域密着型サービス基準の第40条の3は、利用定員を18人以下と定めています(利用定員とは、同時にサービスを受けられる利用者の数の上限です)。第40条の4第2項は、専用の部屋の面積を、6.4平方メートルに利用定員を乗じた面積以上としています。定員が18人なら115.2平方メートル以上、定員が9人なら57.6平方メートル以上です。
通常の地域密着型通所介護は、食堂と機能訓練室の合計を3平方メートル×定員以上とするため、同じ定員でも療養通所介護の専用の部屋は広く求められます。指定は市町村長が行い、設備の基準は市町村の条例で定められます。基準の全体は療養通所介護の指定基準にまとめています。
員数から決まる固定費:看護師の管理者と、利用者1.5に対し1以上
第40条第1項は、看護職員または介護職員(療養通所介護従業者)の員数を、利用者の数が1.5に対し、提供時間帯を通じて専ら提供に当たる従業者が1以上確保される数以上と定めています。文言のとおり割り算で読むと、同時に12人が利用する時間帯は8人分に当たります。実際に必要な人数は、勤務表を持って事業所を置く市町村に確かめます。
第40条第2項は、従業者のうち1人以上を、常勤の看護師で専ら療養通所介護の職務に従事する者とし、第40条の2第2項は、管理者を看護師と定めています。人件費は、看護師の確保が前提になるため、求人条件で確かめた給与の数字を入れます。
月の収入の式:契約する利用者の人数×12,785単位×1単位の単価
告示の別表は、ロの療養通所介護費を1月につき12,785単位、ハの短期利用療養通所介護費を1日につき1,335単位としています。ロは、厚生労働大臣が定める者に限る利用者について、施設基準の届出をした事業所が算定します。厚生労働省の介護報酬の算定構造(令和8年6月改定箇所入り)でも同じ単位数を確かめました。
月の収入は、その月にロを算定する利用者の人数に12,785単位を掛け、1単位の単価を掛けた額です。1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で決まります。告示の注には、月額の単位数に直接かかる減算が2つあります:入浴介助を行っていない場合は所定単位数の100分の95、算定月の提供回数が利用者1人当たりの平均で月5回に満たない場合は100分の70を算定します。
このほか、高齢者虐待防止措置未実施減算と業務継続計画未策定減算が、いずれも所定単位数の100分の1です。利用者が一の療養通所介護事業所で療養通所介護を受けている間は、ほかの療養通所介護事業所は療養通所介護費を算定しません。加算の単位数と届出の基準は確認していません。
数値例:利用者12人が月額で通う場合の月の収入
式を確かめるための仮の数字を置きます。ロを算定する利用者が12人で、全員が入浴介助を受け、1人当たりの月の提供回数が5回以上だとします。1単位は仮に10円とします。
1か月の単位数は、12人×12,785単位=153,420単位で、月の収入は1,534,200円です。加算、地域の割合、そのほかの減算は入れていません。入浴介助を行っていない利用者が出ると、その人の分は所定単位数の100分の95になります。
月額の報酬では、利用者が1人増減すると、収入が12,785単位ずつ動きます。利用者が少ない開業直後の月に、収入が看護師の人件費と賃料を下回る期間を、月ごとの表で見積もります。
費用側で自社の数字を入れる項目
費用は、管理者を含む看護職員・介護職員の給与、社会保険料、賃料、送迎車両の費用、医療的なケアに使う備品、記録や請求のシステム、研修費に分けて書きます。この記事は、賃料や給与の平均値を示しません。物件の見積書、求人条件、契約条件で確かめた自社の数字を入れます。
看護と連携する事業の収支は訪問看護ステーションの事業計画書と収支で、認知症の人向けの通所は認知症対応型通所介護の事業計画書と収支で確かめられます。通常の定員18人以下の通所は地域密着型通所介護の事業計画書と収支で比べられます。
この記事で確認した範囲
確認したのは、療養通所介護の利用定員・管理者・従業者の員数・専用の部屋の面積の原文と、ロ・ハの単位数と告示の注の減算で、2026年10月30日に読んだ内容です。基準は指定地域密着型サービス基準の第40条・第40条の2・第40条の3・第40条の4をe-Gov法令検索で、単位数と注は厚生労働省の告示と介護報酬の算定構造で確かめました。
ロを算定できる利用者の範囲(厚生労働大臣が定める者)、施設基準の細目、各加算の届出基準、処遇改善加算の率、市町村の条例の個別の定め、地域区分ごとの単価の値、賃料や給与の平均値は確認しておらず、扱っていません。個別の事業所の収支は、自社の数字と、事業所を置く市町村への確認で決めてください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 利用定員を18人以下で仮置きし、専用の部屋が6.4平方メートル×利用定員以上あるかを、図面の面積で確かめる。消火設備、送迎車両、医療的なケアに使う備品の見積書を取る
- 管理者になる看護師と、常勤の看護師で専ら職務に従事する者を置けるか、求人条件と勤務表で確かめる。従業者は利用者1.5に対し提供時間帯を通じて専ら提供に当たる者が1以上となる数を、事業所を置く市町村に確かめる
- 月の収入は、その月に療養通所介護費を算定する利用者の人数に12,785単位を掛けて足す。入浴介助を行わない利用者は100分の95、提供回数が利用者1人当たり平均で月5回に満たない月は100分の70で見積もる。加算は、届出の見込みがあるものだけを足す
- 1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で告示の表から確かめる。看護師の給与、賃料、送迎車両は、求人条件と見積書の自社の数字を入れ、利用者が少ない開業直後の月に収入が人件費を下回る期間を月ごとの表で見積もる
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
療養通所介護の事業計画書の収入は、何で決まりますか?
療養通所介護費は、1日ごとではなく1月につき12,785単位です。月の収入は、その月に算定する利用者の人数に12,785単位を掛け、1単位の単価を掛けて出します。入浴介助を行っていない場合は100分の95、提供回数が利用者1人当たり平均で月5回に満たない場合は100分の70です。
療養通所介護の利用定員と専用の部屋の広さは、どう決まりますか?
基準の第40条の3は、利用定員を18人以下としています。第40条の4第2項は、専用の部屋の面積を、6.4平方メートルに利用定員を掛けた面積以上と定めています。定員が18人なら115.2平方メートル以上です。
療養通所介護に必要な職員は、何人ですか?
基準の第40条は、看護職員または介護職員を、利用者1.5に対し、提供時間帯を通じて専ら提供に当たる者が1以上確保される数以上と定めています。うち1人以上は常勤の看護師で専従です。第40条の2は、管理者を常勤で、看護師と定めています。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)別表 3 認知症対応型通所介護費 イ〜ニと注」(別表 3 認知症対応型通所介護費 イ 認知症対応型通所介護費(Ⅰ)(1)(i)・(2)(ii)、ロ 認知症対応型通所介護費(Ⅱ)、注1〜注20、ハ サービス提供体制強化加算、ニ 介護職員等処遇改善加算(1ページ目の終わり))(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省老健局「介護報酬の算定構造(令和8年6月改定箇所入り)「3 認知症対応型通所介護費」」(Ⅰ 指定地域密着型サービス介護給付費単位数の算定構造 3 認知症対応型通所介護費)(確認日 2026-10-19)
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(第三十八条〜第四十条の四 療養通所介護の基本方針・従業者の員数・管理者・利用定員・設備、第四十条の八〜第四十条の十 取扱方針・計画・緊急時、第四十条の十三・第四十条の十四、第四十条の十五)、介護保険法第七十八条の二」(地域密着型サービス基準(平成18年厚生労働省令第34号)第38条、第39条、第40条、第40条の2、第40条の3、第40条の4、第40条の8第6号、第40条の9、第40条の10、第40条の13、第40条の14、第40条の15第2項、介護保険法第78条の2第1項)(確認日 2026-10-24)