運営 / 更新 2026-10-24

非常勤のサービス提供責任者を人員に数える条件:常勤の勤務時間の2分の1以上と専従

非常勤のサービス提供責任者(サ責)を数えるには、常勤の勤務すべき時間数の2分の1以上の勤務が要ります。老企第25号の掲載版(厚生労働省の新旧対照表の抄)は、その時間数を、32時間を下回る場合は32時間を基本としています。この記事は、2分の1以上の見方、専従、常勤で置く最低人数を整理し、配置人数の数え方は別の記事に譲ります。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

非常勤のサ責を数える前提は、利用者40人超の常勤換算方法

指定居宅サービス等の基準(省令第37号)第5条第2項は、サ責を「常勤の訪問介護員等のうち」から置くと定めています。この項は、サ責の員数を利用者の数に応じて常勤換算方法によることもできるとしています。常勤換算方法は、同令第2条第8号が、事業所の従業者の勤務延時間数を、常勤の従業者が勤務すべき時間数で除して員数に換算する方法と定義しています。

老企第25号の掲載版は、利用者の数が40人を超える事業所は常勤換算方法とすることができ、その場合に配置すべきサ責の員数は、利用者の数を40で除した数(小数第1位に切り上げた数)以上とすると書いています。40人以下の事業所について通知は常勤換算方法の定めを置いておらず、省令第5条第2項の「常勤の訪問介護員等のうち」から置く形になります(この点は条文からの読み方で、非常勤を数えてよいかは指定権者に確かめてください)。配置人数の数え方は訪問介護のサービス提供責任者の配置基準で整理しています。

この記事で決めること

訪問介護事業所で非常勤のサービス提供責任者を人員に数えられる条件(常勤換算方法を使える場面、常勤の勤務すべき時間数の2分の1以上、専従、常勤で置く最低人数)を知りたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、非常勤サ責の算入確認表(1枚):事業所の常勤の所定労働時間、その2分の1の時間、非常勤サ責ごとの勤務時間、専従の確認、常勤で置く最低人数を作成できる状態を目指します。

非常勤は常勤の勤務すべき時間数の2分の1以上

老企第25号の掲載版は、非常勤のサ責に最低限の勤務時間を求めています。常勤換算方法の説明のなかで、サ責として配置できる非常勤職員は、その事業所での勤務時間が、その事業所で定められている常勤の訪問介護員等が勤務すべき時間数(32時間を下回る場合は32時間を基本とする)の2分の1以上に達している者でなければならないとしています。

たとえば、事業所で定めた常勤の所定労働時間が週40時間なら、非常勤のサ責は週20時間以上、週32時間を下回る定めなら、32時間の2分の1にあたる週16時間以上が目安になります。この数字は通知の基準を当てはめた計算例で、通知は「週」の単位まで書いていません。月や週のどちらで確認するかは、指定権者に確かめてください。

勤務時間は、通知が「当該事業所における勤務時間」と書いているため、その事業所での勤務で見ます。通知の用語の説明も、勤務延時間数を「当該事業所の指定に係る事業のサービスに従事する勤務時間の延べ数」としています。ほかの事業所の時間や別の職務の時間をどう扱うかは通知に書かれていないため、指定権者に確かめてください。

計算例:必要が1.4人のとき、非常勤を含めると実際は1.5人以上

東京都福祉局の資料(令和4年4月1日)に計算例があります。前3か月の利用者の数の平均が52.3666…人の例で、常勤換算では1.4人以上のサ責が必要になると整理したうえで、非常勤のサ責は常勤の勤務時間の2分の1以上の勤務が必要なので、実際の配置は1.5人以上になると書いています。

資料が理由として書いているのは、非常勤のサ責に2分の1以上の勤務が必要なことです。非常勤を含めて1.4人以上にするには、常勤の2分の1の勤務の人を足していく数え方になり、この例では1.5人以上の配置と読めます。ただし、常勤のサ責も一定数以上置く必要があり(次の節)、非常勤だけで満たす例ではありません。

この資料は東京都の整理で、他の自治体が同じ数え方をするとは限りません。

非常勤のサ責を数えるときの確認点(老企第25号の掲載版・東京都の資料の整理)
確認する点書かれていること出典
非常勤を数えられる場面利用者の数が40人を超え、常勤換算方法とする事業所老企第25号の掲載版(新旧対照表の抄)
非常勤の勤務時間その事業所の常勤が勤務すべき時間数(32時間未満なら32時間を基本)の2分の1以上老企第25号の掲載版
必要員数利用者の数÷40(小数第1位に切り上げ)以上老企第25号の掲載版
実際の配置の例必要が1.4人なら、非常勤のサ責を含めた実際の配置は1.5人以上東京都福祉局の資料

常勤で置く最低人数は、常勤換算方法の下限になる

老企第25号の掲載版は、常勤換算方法とする事業所は、次の員数以上の常勤のサ責を配置するものとしています。利用者の数が40人超200人以下の事業所は、常勤換算方法としない場合に必要なサ責の員数から1を減じた数以上、200人超の事業所は、その員数に2を乗じて3で除した数(一の位に切り上げ)以上です。

計算例として、利用者の数が90人のとき、常勤換算方法としない場合の員数は90÷40=2.25の端数を繰り上げて3人です。常勤換算方法とする場合の員数は2.3人以上で、常勤は3−1=2人以上を置くことになります。残りの0.3人以上を非常勤の2分の1勤務で埋めるなら非常勤は1人で足りる計算ですが、2分の1に満たない勤務時間では数えられません。

この例は通知の式を当てはめた説明用です。

専従は常勤・非常勤の別を問わない

省令第5条第4項は、サ責を介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者で、専ら指定訪問介護に従事するものから充てると定めています。非常勤だから専従の条件が緩む、という書き方はありません。

老企第25号の掲載版は、「専ら従事する」を、原則としてサービス提供時間帯を通じて当該サービス以外の職務に従事しないことと説明し、この場合のサービス提供時間帯は、その従事者の事業所での勤務時間をいい、常勤・非常勤の別を問わないとしています。つまり、非常勤のサ責も、勤務している時間のあいだは原則として訪問介護以外の職務に就かない、という読み方になります。条文にはただし書きがあり、利用者への指定訪問介護の提供に支障がない場合は、同一敷地内の定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所または夜間対応型訪問介護事業所に従事できます。

管理者がサ責を兼務することは差し支えない、とも通知にあります。個別の兼務が認められるかは、指定権者の確認事項です。

勤務表で明確にする:算入できる時間の考え方

老企第25号の掲載版は、算入できる時間を勤務表で明確にするよう求めています。勤務延時間数を、勤務表上、サービスの提供に従事する時間またはサービス提供のための準備等を行う時間(待機の時間を含む)として明確に位置付けられている時間の合計数としています。非常勤のサ責の勤務時間も、勤務表で、いつ、どれだけサ責として勤務するかを書いておく形になります。

標準様式1(勤務の体制及び勤務形態一覧表)の書き方は標準様式1の書き方で、常勤・専ら従事・勤務延時間数の定義は常勤・専ら従事・勤務延時間数の定義で整理しています。

資料の範囲

省令第37号第2条・第5条は2026年10月24日にe-Govで、老企第25号は同日に厚生労働省の新旧対照表の抄と掲載版で確認しました。通知は改正が重ねられるため、現行の本文は指定権者に確かめてください。

自治体の運営指導の資料で非常勤のサ責が指摘された事例は、この記事では確認しておらず、書いていません。

指定の可否や基準への適合を保証する記事ではありません。非常勤のサ責を置く計画では、勤務時間と専従の確認結果を、指定権者に聞いた日と回答とあわせて残してください。人員の組み立ては訪問介護の人員基準から確認できます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 事業所で定める常勤の所定労働時間(32時間未満なら32時間を基本)を書き、その2分の1の時間を計算して、非常勤のサ責ごとの勤務時間と並べる
  2. 前3か月の利用者の数の平均から、常勤換算方法とする場合の必要員数(40で除して小数第1位に切り上げ)と、常勤換算方法としない場合の員数を並べて書き、利用者の数が40人超かを確かめる
  3. 40人超200人以下は常勤換算方法としない場合の員数から1を減じた数以上、200人超はその員数×2÷3(一の位に切り上げ)以上、という常勤の最低人数を書き、実際の常勤の人数と照らす
  4. 非常勤のサ責が勤務する時間に訪問介護以外の職務に就かないことを勤務表で確かめ、週・月のどちらで2分の1を見るかと合わせて、指定権者に聞いた日と回答を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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