開業準備 / 更新 2026-10-02

訪問介護のサービス提供責任者の配置人数の数え方(利用者40人ごと・前3か月平均・常勤換算・50人ごとの特例)

サービス提供責任者(サ責)の必要人数は、事業所の「利用者の数」を数えて決まります。省令の条文は「40人又はその端数を増すごとに1人以上」「前三月の平均値」と定めますが、実際の数え方(通院等乗降介助のみの利用者の扱い・常勤換算の計算・50人ごとにできる特例)は条文だけでは分かりにくい部分です。この記事は、厚生労働省掲載の省令第5条・第28条と、東京都が老企第25号を整理した資料から、必要人数の数え方と毎月の確認の仕方を整理します。

この記事で決めること

サービス提供責任者が何人必要かを、利用者の数の数え方(前3か月の平均・通院等乗降介助のみの利用者の扱い)、常勤換算の計算、50人ごとにできる特例の3条件から計算して確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、サービス提供責任者の必要人数の月次確認表を作成できる状態を目指します。

条文が定める配置の原則(省令第5条第2項〜第4項)

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(省令第37号)第5条第2項は、事業所ごとに、常勤の訪問介護員等のうち、利用者の数が40又はその端数を増すごとに1人以上の者をサービス提供責任者としなければならないと定めています。この場合、サ責の員数は、利用者の数に応じて常勤換算方法によることができます。利用者が41人になれば2人目が必要になる、という数え方です。

第3項は、この利用者の数を前三月の平均値とし、新規に指定を受ける場合は推定数によると定めています。第4項は、サ責を介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者で、専ら指定訪問介護に従事するものから充てるとしています。ただし、利用者への提供に支障がない場合は、同一敷地内の定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所または夜間対応型訪問介護事業所に従事できます。資格と従事範囲は訪問介護員の資格と従事範囲、員数や管理者を含む全体像は訪問介護の人員基準で整理しています。

利用者の数の数え方(前3か月の平均・通院のみは0.1人)

東京都福祉局の資料は、老企第25号の取扱いを次のように整理しています。前3か月の平均値は、暦月ごとの実利用者の数を合算して3で除して得た数です。通院等乗降介助に該当するもののみを利用した者は、その月の利用者の数を0.1人として数えます。通院等乗降介助の算定要件は訪問介護の通院等乗降介助の算定要件で確認できます。

新規に指定を受けるときの推定数について、老企第25号(厚生労働省掲載の新旧対照表の抄)のサービス提供責任者の項は、前3か月の平均値の定めに続けて「新たに事業を開始し、又は再開した事業所においては、適切な方法により利用者の数を推定するものとする」と書いています。通院等乗降介助のみの利用者を0.1人と数える定めも同じ項にあり、改正前後で文言は同じです。

通知が示すのは「適切な方法により推定する」までで、推定の計算式や根拠資料は書かれていません。開業前の事業計画では、見込み利用者数の根拠を訪問件数の上限の決め方で置き、どの方法が適切とされるかは指定申請の窓口である指定権者に確認します。指定権者ごとの案内の有無は今回確認していません。

利用者の数は毎月動くため、必要人数も毎月変わります。東京都の資料は、毎月、実利用者数、前3か月の平均値、サ責の必要配置人数を記録し、書面を保存するよう求めています。この記事は東京都の整理であり、他の都道府県・市区町村は様式や取扱いが異なる場合があります。

常勤換算で数える場合の計算例

常勤換算を使う場合、東京都の資料は、必要なサ責の員数を「利用者の数を40で除して得られた数(小数点第1位に切り上げた数)」と整理しています。資料の例では、前3か月の平均が52.3666…人のとき、52.3666÷40=1.3091…を小数点第1位で切り上げて、常勤換算で1.4人以上が必要になります。

下の表は、この考え方を平均値の例に当てはめたものです。数値は東京都の資料の計算例に基づく説明用で、事業所の必要人数を決めるものではありません。東京都の資料には別表があり、常勤換算を採る場合に必要な常勤のサ責の人数が利用者数別に示されています。常勤換算方法の定義は省令第2条第8号(勤務延時間数を常勤職員の勤務すべき時間数で除す)です。

前3か月の平均利用者数と必要なサ責の員数の計算例(東京都の資料の考え方)
段階計算結果
月ごとの利用者数通院等乗降介助のみの利用者は0.1人として合算(例は1月51.3人・2月52.4人・3月53.3人)3か月の合計157.1人
前3か月の平均値157.1人÷352.3666…人
常勤換算の必要員数52.3666…人÷40(小数点第1位に切り上げ)1.4人以上

50人ごとにできる特例(省令第5条第5項)

第5項は、第2項の規定にかかわらず、常勤のサ責を3人以上配置し、かつ、サ責の業務に主として従事する者を1人以上配置している事業所で、サ責が行う業務が効率的に行われている場合は、必要なサ責の員数を利用者の数が50又はその端数を増すごとに1人以上とすることができると定めています。第5項の要件を満たさない場合は、第2項の40人ごとが適用されます。

東京都の資料は、「業務に主として従事する者」を、サ責が訪問介護員として行ったサービス提供時間が1月あたり30時間以内の者と整理し、「効率的に行われている場合」を、訪問介護計画の作成や勤務調整の省力化・効率化、ソフトウェアやネットワークによる情報共有などが図られている場合としています。特例を使えるかの判断は、事業所の実態を示した上で、指定権者に確認します。

サ責の業務と配置計画への反映(省令第28条第3項)

第28条第3項は、サ責が訪問介護計画の作成のほかに行う業務として、利用の申込みに係る調整、利用者の状態の変化や意向の定期的な把握、居宅介護支援事業者等への服薬状況や口腔機能などの情報提供、サービス担当者会議への出席等による連携、訪問介護員等への援助目標・内容の指示と情報伝達、実施状況の把握、能力や希望を踏まえた業務管理、研修・技術指導を挙げています。計画の作成は訪問介護計画の作成・変更サイクル、居宅介護支援事業者との連携はケアマネジャーとの連携で整理しています。

事業計画では、利用者数の増加に合わせて、サ責の採用時期を前倒しで置きます。利用者が節目を超える月に必要人数が増えるためです。採用の進め方は訪問介護の人員計画と採用シナリオで組み立てられます。必要人数の最終判断は指定権者が行う事項で、この記事は指定の可否や適合を保証するものではありません。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 暦月ごとの実利用者数を一覧にし、通院等乗降介助のみを利用した人は0.1人として数えて、前3か月の合計を3で割った平均値を出す
  2. 平均値を40で割り、常勤換算で数える場合は小数点第1位に切り上げた員数を、40人ごとに数える場合は40人またはその端数ごとの人数を、現在の配置と並べて過不足を確認する
  3. 常勤のサ責が3人以上いて、サ責の業務に主として従事する者が1人以上おり、業務が効率的に行われているかを確認し、50人ごとの特例を使う場合は根拠の記録を整える
  4. 利用者数の増加見込みから、必要人数が増える月を事業計画に書き込み、採用時期を前倒しで置く。新規指定時の推定数や特例の適用は指定権者へ確認する

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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