運営 / 更新 2026-10-13

訪問介護事業所の安全運転管理者:選任が必要な台数・届出・酒気帯び確認

訪問介護事業所が訪問や送迎に車を使うとき、使う台数が一定以上になると、道路交通法で安全運転管理者の選任と公安委員会への届出が必要になります。選任が必要な台数は、乗車定員11人以上の車なら1台、それ以外なら5台です。選任後は、運転の前後にアルコール検知器で酒気帯びを確認し、記録を1年間保存する義務もあり、このページは台数の数え方、選任できる人の要件、届出、酒気帯び確認までをe-Gov法令検索と警察庁の資料で整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護事業所の経営者が、訪問用の自動車を使う事業所で、道路交通法に基づく安全運転管理者の選任が必要になる台数、要件、届出、酒気帯び確認と記録の義務を確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、安全運転管理者の選任判定メモ(事業所ごとの使用台数、選任の要否、選任者の要件確認、届出日、酒気帯び確認の担当・方法・記録場所)を作成できる状態を目指します。

選任が必要になる台数は、事業所ごとに数える

道路交通法第74条の3第1項は、自動車の使用者が、内閣府令で定める台数以上の自動車の使用の本拠ごとに、安全運転管理者を選任しなければならないと定めています。使用の本拠とは事業所などの単位です。法人全体の合計ではなく、事業所ごとに数えます。

台数は、道路交通法施行規則第9条の8が定めています。乗車定員が11人以上の自動車は1台、その他の自動車は5台です。大型自動二輪車と普通自動二輪車は、それぞれ1台を0.5台として数え、訪問介護で使う軽自動車や普通乗用車は「その他の自動車」に当たり、1つの事業所で5台以上を使うときに選任が必要です。

訪問介護員が自分の車を業務に使う場合に台数へ入るかどうかは、法令の条文にも警察庁の制度の概要にも書かれていません。マイカー使用が多い事業所は、事業所の所在地を管轄する警察署に数え方を確認し、確認した日と回答を記録に残してください。マイカー使用の費用負担などは訪問介護員のマイカー使用で扱っています。

安全運転管理者の選任に関する主な定め(e-Gov法令検索と警察庁の資料で確認、2026-10-13)
項目定め事業所が確認すること
選任が必要な台数乗車定員11人以上の自動車は1台、その他は5台。二輪は1台を0.5台(施行規則第9条の8)事業所ごとの業務用の自動車の台数と定員。マイカーの数え方は警察署に確認
副安全運転管理者20台以上40台未満で1人、40台以上は20台を増すごとに1人(警察庁の制度の概要)20台に近い事業所は、台数の見込みも含めて確認
選任できる人20歳以上(副が置かれる場合は30歳以上)で、運転の管理の実務経験が2年以上(公安委員会の教習の修了者は1年)等。一定の違反や解任命令から2年以内の人は選べない(施行規則第9条の9)候補者の年齢と経験、欠格事項に当たらないか
届出選任した日から15日以内に公安委員会へ届け出る。解任したときも同様(法第74条の3第5項)選任日、届出日、控えの保管場所
罰則選任義務の違反と公安委員会の命令に従わないときは50万円以下の罰金(法第119条の2)選任の要否の判断を台帳に残す

安全運転管理者の業務:酒気帯び確認と運転日誌

安全運転管理者の業務は、施行規則第9条の10に並んでいます。運転者の状況の把握、運行計画の作成、異常な天候のときの措置、運転前の点呼などによる体調と車両点検の確認、運転者への安全運転の指導が含まれます。

酒気帯びの確認は、運転しようとする運転者と運転を終了した運転者について、目視等で状態を確認するほか、アルコール検知器を使って行います。確認の内容は記録して1年間保存し、アルコール検知器は常時有効に保持します。運転者名、運転の開始と終了の日時、運転した距離などを記録する運転日誌も、備え付けて運転を終えた運転者に書かせます。

警察庁のQ&Aによると、この確認は個々の運転の直前や直後に毎回行う必要はなく、運転を含む業務の開始前や出勤時と、終了後や退勤時に行えば足ります。

直行直帰のヘルパーと、検知器の用意

訪問介護では、自宅から利用者宅へ直行し、そのまま帰る登録ヘルパーが多くいます。警察庁のQ&Aは、酒気帯び確認は対面が原則だが、直行直帰など対面での確認が難しい場合は、対面と同視できる方法でもよいとしています。例として、携帯型のアルコール検知器を持たせ、カメラやモニターで顔色や声の調子と測定結果を確認する方法、電話や業務無線で声の調子を確認しながら測定結果を報告させる方法が挙げられています。

アルコール検知器は、基本的に自動車の使用者が購入するものとされています。個人で買ったものを使う場合は、安全運転管理者が正常に動くかを定期的に確認するなど、事業所が持つ検知器と同等の管理をしている場合に限られます。確認は安全運転管理者が行うのが原則ですが、不在などのときは、あらかじめ指定して指導した副安全運転管理者などの補助者に行わせることもできます。

事業所の運用では、運転する人ごとに、確認する人、確認の方法、測定結果を残す様式、検知器の点検の頻度を決めておきます。警察庁のQ&Aは、記録する内容として、確認者名、運転者の氏名、自動車の登録番号など車を識別できる記号、確認の日時、確認の方法(対面でない場合は具体的な方法)、酒気帯びの有無を挙げています。運営開始後の義務をまとめたカレンダーに、この確認を足すと忘れにくくなります。

確認した範囲と、準備の順番

このページが確認したのは、道路交通法第74条の3と第119条の2、同法施行規則第9条の8から第9条の10(いずれもe-Gov法令検索)、警察庁の「安全運転管理者制度の概要」とアルコール検知器のQ&Aです。届出の様式と窓口は都道府県の警察で異なるため、管轄の警察署で確認してください。選任が必要かどうかの最終判断は、警察署への確認によります。

準備の順番は、事業所ごとに業務で使う自動車の台数を数え、選任が必要なら候補者の要件を確認して選任し、15日以内に届け出て、酒気帯び確認の担当と記録を決める流れです。駐車の許可は車両の駐車許可、移動中の事故の扱いは移動中の事故で扱っています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 事業所ごとに、業務で使う自動車の台数を数える。乗車定員11人以上の車は1台以上、それ以外は5台以上で選任が必要になる。二輪は1台を0.5台と数える。マイカーを業務に使わせている場合の数え方は、事業所の所在地を管轄する警察署に確認して結果を残す
  2. 選任が必要なら、20歳以上で運転の管理の実務経験が2年以上(公安委員会の教習を修了した人は1年)などの要件を満たす人を選ぶ。20台以上なら副安全運転管理者も必要になるため、台数の見込みも合わせて確認する
  3. 選任した日から15日以内に、事業所の所在地を管轄する公安委員会(警察署)へ届け出る。届出の様式と窓口は管轄の警察署で確認し、届出日と控えを台帳に残す
  4. 運転する職員ごとに、運転の開始前と終了後の酒気帯び確認の担当、アルコール検知器の置き場所と点検方法、直行直帰の人の確認方法を決める。確認結果は1年間保存する記録として様式を作り、運転日誌とあわせて備え付ける

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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