指定申請 / 更新 2026-10-25

サービス付き高齢者向け住宅の登録基準:25平方メートル・状況把握と生活相談・5年ごとの更新

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、都道府県知事の登録を受けた高齢者向けの住まいです。登録は5年ごとの更新制で、住戸の広さ、状況把握(毎日1回以上)と生活相談、入居契約の内容に基準があります。この記事は、高齢者の居住の安定確保に関する法律と同法施行規則を2026年10月25日にe-Govで確かめた範囲で登録の基準を整理したもので、登録の窓口や様式は都道府県の担当窓口で確かめてください。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

賃貸住宅と有料老人ホームのどちらも、建築物ごとに都道府県知事の登録を受けられる

法第5条第1項は、高齢者向けの賃貸住宅、または老人福祉法第29条第1項の有料老人ホームで、居住の用に供する専用部分を有するものが登録の対象と定めています。高齢者を入居させ、状況把握サービス、生活相談サービスその他の福祉サービスを提供する事業を行う者が、建築物ごとに都道府県知事の登録を受けることができます。

登録は任意で、5年ごとに更新を受けなければ効力を失います(第5条第2項)。高齢者は、60歳以上の者、または要介護認定もしくは要支援認定を受けている60歳未満の者で、同居者がいないか、同居者が配偶者や60歳以上の親族などである者です(施行規則第3条)。入居者の資格は、自ら居住するために住まいを必要とする高齢者と、その高齢者と同居する配偶者とされています(法第7条第1項第4号)。

この記事で決めること

訪問介護の事業者が、サービス付き高齢者向け住宅を自ら登録して運営する、または運営法人と組むことを考えるとき、登録の基準(入居者・住戸の広さ・状況把握と生活相談・入居契約)と、有料老人ホームの届出との関係を条文で知りたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、サ高住の登録前チェック表(1枚):住宅の形(賃貸住宅か有料老人ホームか)、住戸の面積と設備、状況把握・生活相談の体制、入居契約の確認項目を作成できる状態を目指します。

住戸は25平方メートル以上で、台所・水洗便所・収納・洗面・浴室を備える

各居住部分の床面積は、25平方メートル以上です。居間、食堂、台所などの居住の用に供する部分が、高齢者が共同して利用するために十分な面積を有する場合は18平方メートル以上になります(施行規則第8条)。

設備は、原則として各居住部分に台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えます。共用部分に共同で使える適切な台所・収納設備・浴室があり、各居住部分に備える場合と同等以上の居住環境が確保されるときは、この3つは各居住部分に備えなくてよいとされています(第9条)。加齢対応構造等の基準は別に定められており(法第7条第1項第3号)、この記事では扱っていません。

サ高住の住戸の基準(施行規則第8条・第9条)
項目基準
床面積各居住部分で25平方メートル以上(共同利用の居間・食堂・台所などが十分な面積なら18平方メートル以上)
各居住部分に備える設備台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室
共用部分で代えられる設備台所、収納設備、浴室(各居住部分に備える場合と同等以上の居住環境が確保されるとき)

状況把握サービスと生活相談サービス:日中の常駐と毎日1回以上の状況把握(施行規則第11条)

状況把握サービスは入居者の心身の状況を把握して一時的な便宜を供与するサービスで、生活相談サービスは日常生活の相談に応じて助言するサービスです(法第5条第1項)。基準では、原則として夜間を除き、敷地または隣接・近接する土地の建物に、サービスを提供する者が常駐します(施行規則第11条第1号)。

常駐する者は、医療法人(社会医療法人に限る)、社会福祉法人、指定居宅サービス事業者などが登録を受けようとする場合や、その事業者が委託を受けて提供する場合は、そのサービスに従事する者です。それ以外の場合は、医師、看護師、准看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、介護職員初任者研修の修了者のいずれかが当たります。

状況把握サービスは、各居住部分への訪問その他の適切な方法で、毎日1回以上提供します(第2号)。常駐する者がいない時間は、各居住部分に入居者の心身の状況に関して必要に応じて通報する装置を設置します(第4号)。常駐しなくても処遇に支障がない場合の例外(第5号)と、近隣の建物に常駐する場合に入居者の希望で居住部分を訪問する定め(第3号)は、この記事では扱っていません。

入居契約の基準:書面・権利金の不受領・前払金の返還・入院を理由にした解約の禁止

入居契約は、書面による契約で、居住部分が明示されたものとします。敷金、家賃等、前払金を除く権利金その他の金銭を受け取らない契約であることも求められます(法第7条第1項第6号)。

家賃等の前払金を受け取る場合は、算定の基礎と、返還債務の金額の算定方法を契約で明示します。入居後の一定期間内に契約が解除されるか死亡で終了したときは、前払金から省令の方法で算定した額を除いた残りを返す契約にします(同項第6号ニ・ホ)。返還債務に備える保全措置も講じます(同項第8号)。

一定期間は、入居後3か月以内、または前払金の算定で想定した入居期間内です。3か月以内の場合は、家賃等の月額を30で除した額に入居日から終了日までの日数を掛けた額を除きます(施行規則第12条)。

事業者が、入居者の病院への入院、心身の状況の変化を理由に、居住部分の変更や契約の解約をできない契約であることも基準です。ただし、理由が生じた後に入居者と登録事業者が合意した場合は別です(法第7条第1項第6号ヘ、施行規則第13条)。整備して事業を行う場合は、工事の完了前に敷金や前払金を受け取れません(同項第7号)。

登録を受けた有料老人ホームは、老人福祉法の設置届出が不要になる(法第23条)

法第23条は、登録を受けている有料老人ホームの設置者には、老人福祉法第29条第1項から第3項までを適用しないと定めています。第1項から第3項は、設置前の届出、変更届、廃止・休止の届出です。

条文が適用を外しているのは第1項から第3項だけで、帳簿や情報開示などを定めた第6項以降には触れていません。届出の内容と開設後の義務は、有料老人ホームの設置届出の記事で読めます。

訪問介護の事業者が検討するときの位置づけと、確かめた範囲

サ高住の入居者への訪問介護は、同一建物の利用者として減算の対象になることがあります。減算の判定は同一建物減算とサ高住・有料老人ホーム併設の90%判定の記事で読めます。

入居者が事業所を選べる扱いは住宅型有料老人ホーム・サ高住の入居者への訪問介護の記事にあります。

訪問介護の収支の差はサ高住・有料老人ホーム等の訪問介護の収支差率の記事で読めます。

この記事は、高齢者の居住の安定確保に関する法律の第5条・第7条・第23条と、国土交通省・厚生労働省関係の同法施行規則の第3条・第8条・第9条・第11条・第12条・第13条を2026年10月25日にe-Govで確かめた内容です。加齢対応構造等の基準、登録の拒否や取消し、補助金や税制、都道府県ごとの窓口と様式は確認しておらず、登録の可否は都道府県の担当窓口に確かめてください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 計画する建物が賃貸住宅か有料老人ホームかを決め、有料老人ホームなら登録で老人福祉法の設置届出が不要になる範囲を確かめ、都道府県の担当窓口に登録の手順と必要書類を問い合わせた日と回答を記録する
  2. 各住戸の床面積が25平方メートル以上か(共同利用の居間・食堂・台所が十分な広さなら18平方メートル以上)を図面で確かめ、台所・水洗便所・収納・洗面・浴室を各住戸に備えるか、共用部分で代えるかを一覧にする
  3. 状況把握サービスと生活相談サービスを誰が提供するかを決め、日中の常駐の体制、毎日1回以上の状況把握の方法、常駐しない時間の通報装置の配置を勤務表と設備図に書き込む
  4. 入居契約書の案が、書面での契約、居住部分の明示、権利金を受け取らないこと、前払金の算定根拠と返還の定め、入院や心身の状況の変化を理由に居住部分の変更や解約をしないことを満たすかを、基準の項目と照らして確かめる

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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