運営 / 更新 2026-11-03
サービス提供責任者が休む・退職したとき:欠員の扱いと交代で確かめる順番
サービス提供責任者(サ責)が休む、退職する、というときに、基準上どの時点から欠員として扱われるのかは、現場で最初に気になる点です。省令第5条と解釈通知(老企第25号)を読み直すと、必要な員数の決め方は書かれていますが、何日以上の不在で欠員とするかという線引きは、確認した範囲では見当たりません。定めのあることと無いことを分けて、交代の前に確かめる順番をまとめます。
先に結論:員数の定めはあるが、不在日数で欠員とする定めは見当たらない
省令第5条第2項は、訪問介護事業所ごとに、常勤の訪問介護員等のうちから、利用者の数が40人又はその端数を増すごとに1人以上をサービス提供責任者としなければならないと定めています。第3項は、この利用者の数を前3月の平均値とし、新規に指定を受ける場合は推定数によると定めています。
一方で、サ責が何日休んだら欠員になるか、退職の何日前から交代の手当てが必要か、といった日数の定めは、省令第5条の条文にも、解釈通知の訪問介護の人員の項(サービス提供責任者の部分)にも見当たりませんでした(通知の新旧対照表の全文を、欠員・退職・一時的などの語で検索して確かめています)。この記事は、日数の目安を示さず、定めのある部分だけを書きます。
この記事で決めること
訪問介護事業所で、サービス提供責任者が休む・退職・交代するときに、基準上の員数と欠員の扱い、不在日数の定めの有無、交代時に確かめる順番を確認したい事業者向け。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、サービス提供責任者の交代・欠員の点検表(1枚):前3月の平均利用者数、必要なサービス提供責任者数、現在の人数と退職・休みの予定、後任候補の資格と専従の可否、変更届の提出予定日を作成できる状態を目指します。
基準が求める員数と、サ責になれる人の条件
第4項は、サ責を介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者であって、専ら指定訪問介護に従事するものから充てると定めています。利用者への訪問介護の提供に支障がないときは、同一敷地内の定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所または夜間対応型訪問介護事業所に従事することもできます。
第5項は、常勤のサ責を3人以上配置し、かつサ責の業務に主として従事する者を1人以上配置している事業所で、サ責の業務が効率的に行われている場合は、員数を利用者50人又はその端数ごとに1人以上とできると定めています。交代で欠員を出しやすいかどうかとは別の、配置の緩和の規定です。
| 確かめること | 定め |
|---|---|
| 必要な員数 | 利用者の数が40人又はその端数を増すごとに1人以上(省令第5条第2項)。利用者の数は前3月の平均値で、新規指定は推定数(同第3項) |
| 1人当たりの担当の上限 | 通知は、この員数を事業所ごとに最小限必要な員数として定めたもので、1人のサ責が担当する利用者数の上限を定めたものではないとし、業務の実態に応じて必要な員数を配置するとしている |
| 後任の資格・従事の条件 | 介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者で、専ら指定訪問介護に従事する者(省令第5条第4項) |
| 管理者の兼務 | 通知は、管理者がサ責を兼務することは差し支えないとしている |
| 常勤の考え方 | 通知は、常勤の従業者が勤務すべき時間数が32時間を下回る場合は32時間を基本とするとし、育児・介護のための所定労働時間の短縮措置がある者は、体制が整っている場合に限り30時間として取り扱えるとしている |
| 不在日数による欠員の線引き | 確認した条文・通知に定めは見当たらない |
休みや不在に備えるときに、通知が挙げている体制
通知には、サ責が不在のときの扱いを直接定めた文はありません。近いものとして、第5項の緩和を使う事業所について、サ責の業務が効率的に行われているといえる取組の例が挙げられ、その中に、利用者に対して複数のサ責が共同して対応する体制(主担当と副担当を定めるなど)を構築し、サ責が不在のときに別のサ責が補完できるようにしていること、があります。
これは緩和を使う場合の例示であり、すべての事業所に不在時の補完を義務づけたものではありません。ただ、休みや退職が重なりやすい小さな事業所では、主担当と副担当を決めておく運用が、交代の混乱を減らす参考になります(この見方は通知の記載ではなく、この記事の整理です)。
退職や交代が決まったときに、確かめる順番
最初に、前3月の平均利用者数から必要なサ責の人数を数え直し、退職後に員数が足りるかを確かめます。足りない場合は、後任の資格(介護福祉士など)と、専ら訪問介護に従事できるかを、採用や配置換えの前に確かめます。
サ責が変わるときの届出は、管理者・サービス提供責任者の変更届で届出の期限と書類を確認できます。員数が基準を下回った場合の変更届出と指定取消しに至る流れは、人員基準割れ(欠員)時の変更届出にまとめています。
自治体によって、欠員が出たときの事前相談の扱いや様式が異なることがあります。実際の手続きは、指定を受けた都道府県・市町村の窓口で確かめてください。個別の事業所が基準を満たしているかを、この記事で判断することはできません。
この記事で確認した範囲と、次に確かめること
2026年11月3日に、e-Govの現行条文(省令第5条)と、厚生労働省掲載の老企第25号の新旧対照表(訪問介護の人員の項)を照らしました。表の事項は、この2つで原文を確かめたものだけです。不在日数の定めが無いことは、確認した範囲で見当たらなかったという意味で、他の通知やQ&Aに定めが無いとまでは言い切っていません。
次に知りたいことは、サ責の人数の数え方はサービス提供責任者の配置基準、非常勤を人員に数える条件は非常勤のサービス提供責任者を人員に数える条件、人員基準全体は訪問介護の人員基準で確かめられます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 前3月の暦月ごとの実利用者数を合算して3で除し、40で割って、必要なサービス提供責任者数を数える
- 現在のサービス提供責任者ごとに、資格、常勤か非常勤か、退職や休みの予定日を表に書き、予定日以降の人数が必要数を満たすかを確かめる
- 後任候補の資格(介護福祉士など)と、専ら訪問介護に従事できるかを確かめ、足りないときは採用や配置換えの時期を決める
- 主担当と副担当を決める利用者を選び、変更届の提出予定日と、指定を受けた自治体の窓口に確かめる事項を表に残す
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)(抄)(新旧対照表)」(確認日 2026-10-02)
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第2条第8号 常勤換算方法、第5条 訪問介護員等の員数)」(基準第2条第8号、第5条第2項〜第5項)(確認日 2026-10-24)