運営 / 更新 2026-10-13

サービス担当者会議で訪問介護事業所がすること:状況の把握・訪問介護計画の提出・変更の連絡

サービス担当者会議は、居宅介護支援のケアマネジャーが開く会議です。訪問介護事業所の運営基準は、事業所に会議等を通じて利用者の状況の把握に努めることを求め、サービス提供責任者の業務として、会議への出席等により居宅介護支援事業者等と連携を図ることを挙げています。会議を開くのはケアマネジャーの側の義務なので、このページは両者を区別して条文で確認します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護事業所の管理者やサービス提供責任者が、サービス担当者会議について運営基準が事業所に求めること(状況の把握の努力義務、計画変更の希望時の連絡)と、居宅介護支援の基準がケアマネジャーに求めること(会議の開催、照会による代替、訪問介護計画の提出依頼)を区別して確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、サービス担当者会議の対応メモ(案内を受けたときの確認事項、会議で共有する情報、会議後の訪問介護計画の見直しと変更連絡の記録)を作成できる状態を目指します。

事業所に求められるのは、状況の把握に努めること

運営基準(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準)の第13条は、訪問介護事業者は、居宅介護支援事業者が開催するサービス担当者会議等を通じて、利用者の心身の状況、置かれている環境、他の保健医療サービスや福祉サービスの利用状況等の把握に努めなければならないと定めています。事業者の義務としては「努めなければならない」という書き方です。

サービス提供責任者の業務を定める第28条第3項は、訪問介護計画の作成のほかに行う業務の一つとして、サービス担当者会議への出席等により、居宅介護支援事業者等と連携を図ることを挙げています。会議の案内を受けたら、誰が出るか、出られないときに書面や電話で意見を伝えるかを、サービス提供責任者と管理者で決めておくと対応しやすくなります。出席の記録の残し方は、条文に定めがないため事業所の運用として決めます。

第17条は、利用者が居宅サービス計画の変更を希望する場合に、その利用者に係る居宅介護支援事業者への連絡その他の必要な援助を行わなければならないと定めています。こちらは「しなければならない」の義務です。居宅サービス計画の変更に当たる希望を利用者から受けたときは、事業所だけで決めずに、ケアマネジャーへ連絡します。

会議を開くのはケアマネジャーで、照会で済む場面もある

居宅介護支援の基準(指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準)の第13条第9号は、介護支援専門員が、利用者とその家族の参加を基本として、居宅サービス計画の原案に位置づけたサービスの担当者を招集し、情報を共有して、原案について専門的な見地からの意見を求めるものと定めています。会議はテレビ電話装置等を使って行うことができ、利用者やその家族が参加する場合は、その活用について利用者等の同意が必要です。

同じ号のただし書きは、利用者が末期の悪性腫瘍の患者で、心身の状況等から主治の医師等の意見を勘案して必要と認める場合や、そのほかのやむを得ない理由がある場合は、担当者への照会等で意見を求めることができるとしています。事業所に会議ではなく書面や電話の照会が来ることがあるのは、この規定が根拠です。

第15号は、利用者が要介護更新認定や要介護状態区分の変更の認定を受けた場合に、サービス担当者会議を開いて居宅サービス計画の変更の必要性について担当者から意見を求めるものとし、やむを得ない理由がある場合は照会等で足りるとしています。認定が出たあとに会議や照会が来るのは、この規定によります。

サービス担当者会議に関わる条文と、義務を負う者(e-Gov法令検索で確認、2026-10-13)
条文義務を負う者内容
運営基準第13条訪問介護事業者居宅介護支援事業者が開催する会議等を通じて、利用者の状況の把握に努める(努力義務)
運営基準第28条第3項第3号サービス提供責任者会議への出席等により、居宅介護支援事業者等と連携を図る
居宅介護支援の基準第13条第9号介護支援専門員原案に位置づけたサービスの担当者を招集して会議を開き、専門的な見地からの意見を求める。やむを得ない理由があるときは照会等で足りる
居宅介護支援の基準第13条第15号介護支援専門員要介護更新認定や区分変更の認定を受けたときに、会議(やむを得ないときは照会等)で計画の変更の必要性について意見を求める
居宅介護支援の基準第13条第12号介護支援専門員居宅サービス計画に位置づけた事業者に、訪問介護計画等の提出を求める
運営基準第17条訪問介護事業者利用者が計画の変更を希望するとき、居宅介護支援事業者への連絡その他の必要な援助を行う

会議のあとに事業所がすること:訪問介護計画の作成と提出

居宅介護支援の基準の第13条第12号は、介護支援専門員が、居宅サービス計画に位置づけた事業者に対して、訪問介護計画等の提出を求めるものと定めています。提出を求められることがあるため、サービス提供責任者が作った訪問介護計画をすぐに出せる状態にしておくと対応しやすくなります。

運営基準の第24条は、サービス提供責任者が訪問介護計画を作成すること、計画は既に居宅サービス計画が作成されている場合はその内容に沿って作成しなければならないこと、計画の内容を利用者や家族に説明して利用者の同意を得ること、作成した計画を利用者に交付することを定めています。会議で原案の内容や他のサービスとの関係を聞いたうえで計画を作る流れになります。作成の手順はサービス提供責任者と管理者の責務で整理しています。

会議で利用者や家族の個人情報を用いる場合は、運営基準第33条第3項により、あらかじめ文書で利用者や家族の同意を得ておく必要があります。同意の取り方は訪問介護の秘密保持の義務で確認してください。

加算の算定要件に関わる会議との区別

留意事項通知(老企第36号)の生活機能向上連携加算の項は、理学療法士等とサービス提供責任者が共同して行うカンファレンスから、居宅介護支援の基準第13条第9号のサービス担当者会議として開催されるものを除くと書いています。通常のサービス担当者会議をそのまま、この加算のためのカンファレンスとして数えることはできません。加算の要件は生活機能向上連携加算で確認してください。

ほかの加算の算定要件に会議が出てくる場合も、その加算の記事で要件を確認してください。この記事は運営基準が定める会議への関わり方を扱い、加算の要件の確認までは扱いません。

確認した範囲と、事業所が準備すること

このページが確認したのは、運営基準の第13条・第17条・第24条・第28条・第33条と、居宅介護支援の基準の第13条第9号・第12号・第15号(e-Gov法令検索)、留意事項通知の生活機能向上連携加算の項です。会議に欠席した場合の指導の有無や、会議の記録の様式は、条文からは読み取れないため扱っていません。

準備としては、会議の案内や照会を受けた日、回答の期限、出席者、出した意見を残す方針を決め、ケアマネジャーとの連携の流れの手順に合わせて運用します。個別の会議の扱いは、担当のケアマネジャーと、指定権者・保険者に確認する事項です。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 居宅介護支援事業者から会議の案内や照会が来たら、依頼の日付、会議の開催方法(対面かテレビ電話か、照会か)、回答の期限を受付の記録に残す。誰が窓口になるか(管理者かサービス提供責任者か)を事業所で決めておく
  2. 会議や照会で共有する情報を、訪問介護で見えている利用者の心身の状況、生活環境、他サービスの利用状況に分けて準備する。会議で利用者や家族の個人情報を用いる前の文書での同意は、秘密保持の記事の手順で確認する
  3. 居宅サービス計画の原案を受け取ったら、訪問介護計画の案がその内容に沿っているかを確認し、提出を求められたときに出せる形に整える。計画を作成したら利用者に説明して同意を得て交付する流れを、サービス提供責任者の手順に入れる
  4. 要介護更新認定や区分変更の認定があったとき、利用者が計画の変更を希望したときの連絡先と連絡の記録を決める。会議の出席や回答の記録の残し方は条文に定めがないため、事業所の運用として日付、参加者、出した意見を残す方針を書き、疑問は担当のケアマネジャーと指定権者に確認する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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