運営 / 更新 2026-11-06
短期入所療養介護の利用料等の受領(基準第145条):食事・滞在費と別料金7区分、説明・同意
短期入所療養介護の利用料等の受領は、指定基準の第145条にあり、利用者負担のほかに受け取れる費用を、食事、滞在、特別な療養室等、特別な食事、送迎、理美容代、その他の日常生活費の7区分に限っています。すべて事前の文書交付と説明、利用者の同意が必要で、最初の4区分は同意自体も文書で得ます。この記事では、5つの項の中身、7区分と点検する書類、厚生労働省の通知の版の注意点を、e-Gov法令検索の原文で整理します。
第145条の5つの項:自己負担、差額の禁止、別料金7区分、説明と同意
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)の第145条は、短期入所療養介護の利用料等の受領を定めています。e-Gov法令検索で、2026年11月6日に原文を確認しました。第1項は、法定代理受領サービスに該当するとき、居宅介護サービス費用基準額から居宅介護サービス費の額を控除した額の支払を、利用料の一部として利用者から受けると定めています。
第2項は、法定代理受領サービスに該当しないときに利用者から受ける利用料の額と、居宅介護サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにすることを求めています。第3項は、前の2項の額のほかに受け取れる費用を7区分に限って挙げ、第4項は、第1号から第4号までの費用を別に厚生労働大臣が定めるところによるとしています。第5項は、第3項の費用に係るサービスの提供にあたっての説明と同意を定めています。
| 区分 | 条文が挙げる費用 | 点検する書類 |
|---|---|---|
| 第1号 | 食事の提供に要する費用 | 料金表、重要事項説明書、食費の請求欄 |
| 第2号 | 滞在に要する費用 | 料金表、療養室の区分、滞在費の請求欄 |
| 第3号 | 厚生労働大臣の定める基準に基づき、利用者が選定する特別な療養室等の提供に伴う費用 | 選定の記録、説明文書、同意書 |
| 第4号 | 厚生労働大臣の定める基準に基づき、利用者が選定する特別な食事の提供に伴う費用 | 選定の記録、説明文書、同意書 |
| 第5号 | 送迎に要する費用(厚生労働大臣が別に定める場合を除く) | 送迎の条件、料金表、請求欄 |
| 第6号 | 理美容代 | 利用者の希望、料金表、請求欄 |
| 第7号 | 日常生活でも通常必要となる便宜で、利用者に負担させることが適当な費用 | 品目、同意の記録、実際の請求額 |
この記事で決めること
短期入所療養介護の管理者が、基準第145条の5つの項が定める利用料の受け取り方、別に受け取れる7区分、事前の文書交付と説明、文書での同意が要る区分、通知の版の注意点を確かめ、料金表と重要事項説明書、請求書を点検するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、短期入所療養介護の費用の点検表(1枚):第145条第3項の7区分を行に並べ、料金表・重要事項説明書・契約書の費用名、説明の文書、同意の記録、請求書の欄を同じ行に書き込む表を作成できる状態を目指します。
説明と同意:7区分すべてを事前に文書で説明し、最初の4区分は文書で同意を得る
第5項は、第3項の費用の額に係るサービスの提供にあたって、あらかじめ、利用者又はその家族に、サービスの内容及び費用を記した文書を交付して説明を行い、利用者の同意を得なければならないと定めています。家族に説明する場合でも、同意を得る相手は条文上の利用者です。
ただし書は、第3項の第1号から第4号までの費用に係る同意を、文書によるものとしています。食事、滞在、特別な療養室等、特別な食事の4区分は同意自体を文書で得て、送迎、理美容代、その他の日常生活費は文書の交付と説明、利用者の同意が必要です。
食事と滞在の費用:特定入所者介護サービス費の支給があるときは、限度が条文に書かれている
第3項第1号と第2号は、介護保険法第51条の3第1項の規定により特定入所者介護サービス費が利用者に支給された場合、食費は同条第2項第1号の基準費用額、居住費は同条第2項第2号の基準費用額を限度とすると書いています。同条第4項の規定により、その費用が利用者に代わって事業者に支払われた場合は、それぞれの負担限度額が限度になります。
金額は、所得の段階や療養室の区分、適用の時点で変わるため、この記事には固定値を書きません。仕組みと確認する資料は補足給付(特定入所者介護サービス費):食費・居住費の負担限度額と事業計画書への入れ方で整理しています。
厚生労働省の通知の版に注意:第3項の区分が現行の条文と一致しない
老企第25号(厚生労働省の解釈通知)の短期入所療養介護の利用料等の受領の項は、基準第145条の第1項、第2項及び第4項を、訪問介護の第20条の第1項、第2項及び第4項と同趣旨だと書いています。第3項については、特別な療養室等の費用、送迎に要する費用、食材料費、理美容代、日常生活費の5つを挙げ、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないこととしたものだと説明しています。厚生労働省のサイトに掲載されている通知の版で、2026年11月6日に確認しました。
この版の5つの区分は、現行の条文の7区分とは一致しません。通知の食材料費に当たる費用は、現行の条文では食事の提供に要する費用(第1号)と特別な食事の費用(第4号)にあたります。
滞在に要する費用(第2号)は、この版の5つの区分にはありません。この記事の区分の説明は現行の条文を基準にし、通知は趣旨を確かめる資料として使ってください。
この版は、最新の改正が反映されていない可能性があります。費用の具体的な範囲は、現行の省令と告示、指定権者の案内で確かめてください。
点検の手順:料金表から請求書まで、同じ費用名と条件でつなぐ
最初に、運営規程、重要事項説明書、契約書、料金表にある費用名を一覧にし、第145条第3項の7区分へ割り当てます。次に、費用の内容と額を記した説明の文書、利用者の同意、実際の請求書と領収書を同じ行へ並べます。名称や条件が書類ごとに違う場合は、請求の前にそろえます。
食事、滞在、特別な療養室等、特別な食事は、説明の文書と文書での同意まで確認します。個別の費用が7区分のどれに当たるかの判断が分かれるときは、徴収の前に指定権者へ確認してください。運営規程の記載事項は短期入所療養介護の運営規程の8項目で整理しています。
この記事で確認した範囲と、次に知りたいこと
2026年11月6日に、e-Gov法令検索で、指定基準の第145条の原文を確認しました。あわせて、厚生労働省が掲載する老企第25号の、短期入所療養介護の利用料等の受領の項を確認しました。
ユニット型の利用料等の受領(第155条の5)、領収証の様式、自治体独自の取扱いは、この記事では確認していません。指定権者の案内で確かめてください。短期入所生活介護の同じ条文は短期入所生活介護の利用料等の受領に、記録の保存は短期入所療養介護の記録の整備(基準第154条の2)に、指定の基準は短期入所療養介護の指定基準にまとめています。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- e-Gov法令検索で指定基準の第145条を開き、第3項第1号から第7号までの7区分を、表の行として書き写す
- 運営規程、重要事項説明書、契約書、料金表にある費用名を行に割り当て、どの区分にも当たらない費用名には印を付けて、徴収の前に指定権者へ確認する項目に入れる
- 行ごとに、費用の内容と額を記した説明の文書を交付した日と、利用者の同意の記録を書き込み、第1号から第4号の行は、同意が文書で残っているかを別の欄で確かめる
- 食事と滞在の行は、特定入所者介護サービス費の支給があるときの限度額を、現行の省令と告示で確かめて請求書の欄と見比べ、見直す日を決める
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)」(第三 訪問介護に関する基準)(確認日 2026-10-04)
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第九十六条 通所介護の利用料等の受領、第百条 通所介護の運営規程、第百三条 非常災害対策、第百五条 準用、第三十七条の二 虐待の防止)」(第八条、第三十二条、第九十六条、第九十七条、第九十八条、第百条、第百三条、第百四条の四、第百五条、第三十七条の二)(確認日 2026-10-24)