運営 / 更新 2026-10-26
短期入所生活介護の送迎加算:片道184単位、届出と「送迎が必要と認められる」利用者の条件
短期入所生活介護(ショートステイ)の送迎加算は、利用者の居宅と事業所の間を事業所の従業者が送迎したとき、片道につき184単位が加算されます。算定には都道府県知事への届出が要り、対象は心身の状態や家族等の事情から送迎が必要と認められる利用者です。この記事は、告示と留意事項通知の原文で条件を確かめ、通所介護にある送迎の減算とは向きが逆であることを整理します。
この記事の要点
- 単位数
- 片道につき184単位を所定単位数に加算(告示 別表8 注17)。往復なら2回分の368単位
- 届出
- 電子情報処理組織により、都道府県知事に老健局長が定める様式で届出を行った事業所だけが算定できる
- 対象と送迎する人
- 心身の状態や家族等の事情から送迎が必要と認められる利用者。事業所の従業者が居宅と事業所の間を送迎する(留意事項通知)
- 通所介護との違い
- 通所介護は送迎しない便を片道47単位減算。短期入所生活介護は送迎した便を184単位加算
送迎加算の単位数と告示の条件
指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(厚生労働省の告示)の別表8、短期入所生活介護費の注17が、送迎加算を定めています。届出を行った事業所が、送迎が必要と認められる利用者を居宅と事業所の間で送迎した場合に、片道につき184単位を所定単位数に加算する、という内容です。届出は、都道府県知事に対し、老健局長が定める様式で、電子情報処理組織を使用して行います。
表のとおり、条件は4つに分けて読めます。1日の基本単位数に上乗せする形なので、送迎のない日は何も加算されません。基本単位数と他の加算は短期入所生活介護費の単位数にまとめています。
| 条件 | 告示の書き方 |
|---|---|
| 届出 | 電子情報処理組織を使用する方法により、都道府県知事に対し、老健局長が定める様式による届出を行った事業所 |
| 対象の利用者 | 利用者の心身の状態、家族等の事情等からみて送迎を行うことが必要と認められる利用者 |
| 送迎の区間 | 利用者の居宅と指定短期入所生活介護事業所との間 |
| 単位数 | 片道につき184単位を所定単位数に加算 |
この記事で決めること
短期入所生活介護の事業所が、送迎加算を算定できる条件と片道ごとの単位数を、告示と留意事項通知の原文で確かめ、通所介護の送迎減算との向きの違いも知りたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、ショートステイの送迎加算の算定確認表(1枚):利用者ごとの送迎が必要と判断した理由、送迎の日時と片道・往復の別、送迎した従業者、届出の確認日を作成できる状態を目指します。
留意事項通知が足す条件:従業者が送迎し、片道ごとに数える
告示を補う留意事項通知(平成12年3月8日老企第40号)の短期入所生活介護費の項には、送迎を行う場合の取扱いが1節あります。厚生労働省の新旧対照表のPDFで確かめた原文は、次のとおりです。「利用者の心身の状態、家族等の事情等からみて送迎を行うことが必要と認められる利用者に対して、指定短期入所生活介護事業所の従業者が当該利用者の居宅と指定短期入所生活介護事業所との間の送迎を行う場合は、片道につき加算の対象となる。」
告示にない点は、送迎を行うのが事業所の従業者であること、加算の対象が片道ごとであることの2つです。居宅から事業所へ向かう便と、事業所から居宅へ戻る便は、別々の送迎として数えます。従業者の範囲や委託した車両で送る場合の扱いなど、原文に書かれていない細かな運用は、請求の前に事業所の所在地の指定権者へ確かめてください。
往復と片道で単位数が変わる計算例
送迎加算は片道ごとの加算なので、往復の送迎を行うと184単位の2回分、368単位になります。行きだけ、または帰りだけ事業所が送迎した場合は、その片道の184単位だけが対象です。家族が送迎した便は、通知の文言(事業所の従業者が送迎する場合)に当てはまらないため、対象に含めない扱いで数えます。
次の表は、数え方を確かめるための架空の例です。実際の請求額は、単位数に地域区分ごとの1単位の単価を掛け、利用者の負担割合に応じて計算します。
| 利用の場面 | 事業所が送迎した片道 | 送迎加算の単位数 |
|---|---|---|
| 往復とも事業所が送迎(1回の利用) | 2回 | 184×2=368単位 |
| 行きは家族、帰りは事業所が送迎(1回の利用) | 1回 | 184単位 |
| 往復とも事業所が送迎(月に4回の利用) | 8回 | 184×8=1,472単位 |
同じ告示の他のサービスの送迎:加算と減算は向きが逆
同じ告示の別表では、サービスによって送迎の定め方が違います。短期入所療養介護費の注16にも、短期入所生活介護と同じ文言で、片道につき184単位を加算する定めがあります。一方、通所介護費と通所リハビリテーション費の注24は、居宅と事業所の間の送迎を行わない場合に、片道につき47単位を所定単位数から減算します。
告示の定め方は、通所介護では送迎しない便を引く減算、短期入所生活介護では送迎した便を足す加算と、向きが逆です。通所介護の減算は通所介護の減算の早見表、通所介護の基本単位数は通所介護費の単位数で扱っています。
| サービス | 送迎の定め | 形 |
|---|---|---|
| 短期入所生活介護(注17) | 届出を行った事業所が、送迎が必要と認められる利用者を送迎した場合、片道につき184単位 | 加算 |
| 短期入所療養介護(注16) | 届出を行った事業所が、送迎が必要と認められる利用者を送迎した場合、片道につき184単位 | 加算 |
| 通所介護(注24) | 居宅と事業所の間の送迎を行わない場合、片道につき47単位 | 減算 |
| 通所リハビリテーション(注24) | 居宅と事業所の間の送迎を行わない場合、片道につき47単位 | 減算 |
事業所で確かめる順番:届出、判断の理由、片道ごとの記録
最初に、送迎加算の届出が済んでいるかを、指定権者へ出した届出の控えで確かめます(届出のない事業所は、送迎をしても加算できません)。次に、利用者ごとに、なぜ送迎が必要と判断したか(歩行や移乗の状態、家族の就労や介護の状況など)を、居宅サービス計画や利用の記録にひもづけて残します。記録の様式は通知に示されていないため、不安があれば指定権者に確かめます。
請求の前には、送迎の日付、居宅から事業所へ向かう便と戻る便の別、送迎した従業者の名前を、片道ごとの行にして月末に数えます。片道の件数に184単位を掛けた合計と、請求の件数が合っているかの確認が、返還の指摘を避ける助けになります。緊急の利用などほかの加算は短期入所生活介護費の単位数、人員や設備は短期入所生活介護の指定基準の記事で確かめられます。
この記事で確認した範囲
2026年10月26日に、厚生労働省が掲載する告示の本文を確認しました。対象は、短期入所生活介護費の注17、短期入所療養介護費の注16、通所介護と通所リハビリテーションの注24で、184単位と47単位、届出の要否、対象の利用者、送迎の区間を写しました。留意事項通知は、厚生労働省の新旧対照表のPDFに載る送迎の項の原文を同日に確かめたもので、現行の通知全文との突き合わせは請求の前に必要です。
個別の利用者が加算の対象になるか、同一敷地内の移動や車両の取扱いなど細かな運用、地域区分ごとの1単位の単価は、この記事では扱っていません。算定の可否は指定権者の判断によるため、保証する記事ではありません。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 送迎加算の届出(老健局長が定める様式による届出)が済んでいるかを、指定権者の届出控えで確かめ、確認日を表に書く
- 利用者ごとに、心身の状態や家族等の事情から送迎が必要と判断した理由を、居宅サービス計画や利用の記録に残す
- 送迎の日ごとに、居宅から事業所へ向かう便と事業所から居宅へ戻る便を別の行にし、乗せた従業者の名前を書く
- 月末に、片道の件数に184単位を掛けた合計を請求の件数と照らし、迷う送迎は請求の前に指定権者へ確かめる
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 8 短期入所生活介護費 イ〜リと注1〜注23」(別表 8 短期入所生活介護費(1日につき)イ 単独型・併設型、ロ ユニット型、注1〜注23、ハ 口腔連携強化加算、ニ 療養食加算、ホ 在宅中重度者受入加算、ヘ 認知症専門ケア加算、ト 生産性向上推進体制加算、チ サービス提供体制強化加算、リ 介護職員等処遇改善加算)(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成12年3月8日老企第40号)短期入所生活介護 ⒂利用者に対して送迎を行う場合(改正の新旧対照表)」(第2 短期入所生活介護費の項 ⒂ 利用者に対して送迎を行う場合(新設の項))(確認日 2026-10-26)