事業計画 / 更新 2026-10-30

特定施設入居者生活介護の事業計画書と収支:要介護1は542単位

特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホームなどが行う介護サービス)の事業計画書の収支は、員数と設備、月の収入、自社の費用の3つに分けると書けます。員数と設備は基準で、月の収入は告示の1日あたりの単位数で決まります。この記事は、原文を2026年10月30日に確かめ、収入の式と数値例、入力する項目を整理し、賃料や給与の平均値は扱いません。

事業計画書の収支に入れる項目と、数字の根拠

下の表は、収支に入れる項目ごとに、数字の根拠と、自社で確かめる点を並べたものです。基準や告示で決まる項目と、自社の数字を入れる項目を分けています。

特定施設入居者生活介護は、入居者の要介護度ごとに、1日あたりの単位数を算定します。通所系のように通った日の数ではなく、入居している日の数が収入のもとになります。

特定施設入居者生活介護の収支に入れる項目(2026年10月30日確認)
項目根拠の数字自社で確かめる点
指定の可否指定は都道府県知事が行う。区域の定員の総数が都道府県の介護保険事業支援計画の必要利用定員総数に達している又は超える場合は、指定をしないことができる(介護保険法 第70条第4項・第5項)予定する区域の必要利用定員総数と、現在の定員
生活相談員常勤換算で、利用者100人又はその端数ごとに1人以上。1人以上は常勤(基準 第175条第1項・第4項)入居定員と勤務表
看護職員・介護職員合計が常勤換算で、要介護者3人又はその端数ごとに1以上。常に1以上の介護職員を確保し、看護職員と介護職員のそれぞれ1人以上は常勤(同条第1項・第5項)要介護者の数の見込みと夜間の勤務
機能訓練指導員・計画作成担当者機能訓練指導員は1以上。計画作成担当者は専ら従事する介護支援専門員で1以上(利用者100人又はその端数ごとに1を標準)(同条第1項・第7項)兼務できる職員と、介護支援専門員の確保
設備耐火建築物又は準耐火建築物。一時介護室・浴室・便所・食堂・機能訓練室を置く。介護居室は1室1人(必要なら2人)で、地階に設けない(基準 第177条)建物の構造と、居室・共用部の図面
基本の収入イの特定施設入居者生活介護費は、要介護1から5まで、1日につき542・609・679・744・813単位要介護度ごとの入居者数の見込み
賃料・給与・食材費ほかこの記事は数字を示さない見積書と求人条件で確かめた自社の数字

この記事で決めること

特定施設入居者生活介護の指定を受けて介護付きの住まいを開設しようと考える事業者が、事業計画書の収支に何を入れるのかを、基準の員数と設備、告示の1日あたりの単位数から知り、入居者の要介護度別の人数から月の収入を見積もる式を確かめる。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、特定施設入居者生活介護の収支計画の入力表(入居定員と介護居室の数、生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員・計画作成担当者の人数、要介護度別の入居者数、1単位の単価、人件費と固定費)を作成できる状態を目指します。

最初に確かめる指定の総量規制:定員が計画の枠に入るか

指定には、区域ごとの定員の枠があります。介護保険法第70条第4項は、介護専用型特定施設入居者生活介護について、事業所を置く区域の定員の総数が、都道府県の介護保険事業支援計画の必要利用定員総数に既に達しているか、指定によって超えるときは、都道府県知事が指定をしないことができると定めています。第5項は、混合型特定施設入居者生活介護について、推定利用定員の総数で同じ仕組みを定めています。

第6項は、都道府県知事が指定をしようとするとき、関係市町村長に意見を求めなければならないと定めています。収支がどれだけ黒字に見えても、区域の枠に空きがなければ収入は生まれません。建物の設計や賃貸借契約の前に、都道府県の担当窓口で、予定する区域の枠の状況を確かめます。

員数から決まる固定費:要介護者3人に1以上、30人なら10以上

指定居宅サービス基準の第175条第1項は、生活相談員、看護職員又は介護職員、機能訓練指導員、計画作成担当者の4種類を置くと定めています。看護職員と介護職員の合計は、常勤換算方法で、要介護者である利用者の数が3又はその端数を増すごとに1以上です。要介護者が30人なら10以上、31人になると11以上です。

第9項は、委員会での検討、介護機器の複数種類の活用、職員間の役割分担、質の確保と負担軽減が行われていることの4つにすべて当てはまる場合に、この「1」を「0.9」とみなすと定めています。要介護者30人なら9以上で足ります。ただし、4つの要件を満たしているかを事前に確かめる必要があり、開業前の計画では10以上で組む方が安全です。

利用者の数は前年度の平均値で数えますが、新規に指定を受ける場合は推定数によります(第3項)。開業直後の員数は、入居の見込みを推定数として立てた計画で確かめられます。員数と常勤の決まりの全体は特定施設入居者生活介護の指定基準にまとめています。

月の収入の式:要介護度別の入居者数×日数×単位数×1単位の単価

イの特定施設入居者生活介護費は、1日につき、要介護1が542単位、要介護2が609単位、要介護3が679単位、要介護4が744単位、要介護5が813単位です。厚生労働省の介護報酬の算定構造(令和8年6月改定箇所入り)の特定施設入居者生活介護費で確かめました。

月の収入は、要介護度ごとの入居者数にその月の日数と単位数を掛けて足し、1単位の単価を掛けた額です。1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で決まります。

この式に入るのは要介護1〜5の入居者です。要支援の人や認定を受けていない人の収入は、この式に入れず別に見積もります。

この記事は、員数が基準に満たない場合の減算、身体拘束廃止未実施減算などの減算の細目と、各加算の算定基準を確認していません。加算と減算の単位数は特定施設入居者生活介護費の単位数にまとめています。対象になるかは告示と留意事項通知、都道府県で確かめます。

数値例:要介護者30人が入居する場合の月の収入

式を確かめるための仮の数字を置きます。要介護者が30人入居し、内訳は要介護1が8人、要介護2が8人、要介護3が6人、要介護4が5人、要介護5が3人、月の日数が30日だとします。

1日の単位数は、8人×542+8人×609+6人×679+5人×744+3人×813=4,336+4,872+4,074+3,720+2,439=19,441単位です。月は19,441×30日=583,230単位で、1単位を仮に10円とすると、月の収入は5,832,300円です。加算、減算、地域の割合は入れていません。

この数字は、仕組みを確かめるための仮の値で、全室が埋まっている前提です。実際は、入居が少しずつ進むため、開業直後の月は入居者数が定員を大きく下回ります。

開業直後でも、看護職員と介護職員の員数は、推定数で立てた計画に沿って確保する必要があります。収入が人件費を下回る期間を、月ごとの入居者数の表で見積もります。

費用側で自社の数字を入れる項目

費用は、生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員・計画作成担当者の給与、社会保険料、建物の賃料または償却、食材費、介護居室の備品、記録や請求のシステム、研修費に分けて書きます。この記事は、賃料や給与の平均値を示しません。物件の見積書、求人条件、契約条件で確かめた自社の数字を入れます。

有料老人ホームとしての届出や、初期総投資額、前払金の考え方は有料老人ホームの事業計画書に書く項目で整理しています。運営規程に書く項目は特定施設・地域密着型特定施設の運営規程で確かめられます。

この記事で確認した範囲

確認したのは、従業者の員数と設備の原文、指定の総量規制の原文、イの特定施設入居者生活介護費の要介護度別の単位数で、2026年10月30日に読んだ内容です。員数と設備は指定居宅サービス基準の第175条・第177条を、総量規制は介護保険法第70条を、いずれもe-Gov法令検索で、単位数は厚生労働省の介護報酬の算定構造で確かめました。

そのほかの減算の細目、各加算の届出基準、処遇改善加算の率、都道府県の条例の個別の定め、地域密着型特定施設と外部サービス利用型の基準、地域区分ごとの単価の値、賃料や給与の平均値は確認しておらず、扱っていません。個別の事業所の収支は、自社の数字と、事業所を置く都道府県への確認で決めてください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 予定する区域が、都道府県の介護保険事業支援計画の必要利用定員総数に達していないかを、都道府県の担当窓口で確かめる。達している場合は指定を受けられないことがあるため、建物の設計より先に確かめる
  2. 入居定員から、生活相談員(100人ごとに1人以上)、看護職員と介護職員の合計(要介護者3人ごとに常勤換算で1以上)、機能訓練指導員、計画作成担当者の人数を出し、常勤にする人と常に1以上いる介護職員の勤務表を作る。新規の指定では、利用者の数は推定数で見積もる
  3. 月の収入は、要介護度ごとの入居者数に、特定施設入居者生活介護費の1日の単位数と月の日数を掛けて足す。入居が定員に届かない月は、入居者数を少なくして見積もる。加算は、届出の見込みがあるものだけを足す
  4. 1単位の単価は、予定する所在地の地域区分で告示の表から確かめる。給与、賃料または建物の償却、食材費、介護居室の備品は、見積書と求人条件の自社の数字を入れ、入居が進むまでの月に収入が人件費を下回る期間を月ごとの表で見積もる

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

特定施設入居者生活介護の事業計画書の収入は、何で決まりますか?

特定施設入居者生活介護費は、要介護度ごとの1日あたりの単位数です。イの特定施設入居者生活介護費は、要介護1が542単位、要介護5が813単位です。月の収入は、要介護度ごとの入居者数に単位数と日数を掛け、1単位の単価を掛けて出します。

特定施設入居者生活介護に必要な看護職員と介護職員は、何人ですか?

基準の第175条は、看護職員と介護職員の合計を、常勤換算で要介護者3人又はその端数ごとに1以上と定めています。要介護者が30人なら10以上です。あわせて、生活相談員は100人ごとに1人以上、機能訓練指導員と計画作成担当者は1以上が必要です。

特定施設入居者生活介護は、希望すれば必ず指定を受けられますか?

受けられるとは限りません。介護保険法第70条は、区域の定員の総数が都道府県の介護保険事業支援計画の必要利用定員総数に達しているか、超える場合に、都道府県知事が指定をしないことができると定めています。予定する区域の状況は、都道府県の窓口で確かめます。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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