運営 / 更新 2026-11-05
特定施設入居者生活介護の利用料等の受領(第182条):おむつ代・日常生活費・説明と同意
特定施設入居者生活介護の利用料等の受領は、指定基準の第182条に4つの項でまとまっています。法定代理受領サービスの自己負担、法定代理受領でない場合の不合理な差額の禁止、自己負担のほかに受け取れる3種類の費用(介護その他の日常生活上の便宜・おむつ代・日常生活費)、その費用の事前の説明と同意です。この記事では、4つの項の内容、3種類の費用の読み方、通知の版の注意点を、e-Gov法令検索の原文と老企第25号で整理します。
第182条の4つの項:自己負担、差額の禁止、受け取れる費用、説明と同意
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)の第182条は、指定特定施設入居者生活介護の利用料等の受領です。e-Gov法令検索で、2026年11月5日に原文を確認しました。直前の第181条はサービスの提供の記録で、利用料の条文は第182条であり、金額そのものは定めていません。
| 項 | 定めていること | 事業所が点検するもの |
|---|---|---|
| 第1項 | 法定代理受領サービスに該当するときは、居宅介護サービス費用基準額から居宅介護サービス費の額を控除した額の支払を、利用者から受ける | 利用者負担の計算の根拠、請求書・領収の書類 |
| 第2項 | 法定代理受領サービスに該当しないときの利用料の額と、居宅介護サービス費用基準額との間に、不合理な差額を生じさせない | 法定代理受領でない場合の利用料の設定表 |
| 第3項 | 第1項と第2項の額のほか、3つの号の費用の支払を利用者から受けることができる | 運営規程の利用料その他の費用の額の欄 |
| 第4項 | 第3項の費用に係るサービスの提供にあたっては、あらかじめ、利用者又はその家族に、内容と費用を説明し、利用者の同意を得る | 説明した日と同意の記録 |
この記事で決めること
特定施設入居者生活介護事業所の管理者が、基準第182条の4つの項が定める自己負担、不合理な差額の禁止、自己負担のほかに受け取れる3種類の費用、事前の説明と同意、厚生労働省の通知の版の注意点を確かめ、利用料と別料金の点検表を作るための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、特定施設入居者生活介護の利用料と別料金の点検表(1枚):第182条の4つの項を行に並べ、項ごとに対応する書類(利用者負担の計算の根拠、法定代理受領でない場合の利用料の設定表、運営規程や契約書の費用の欄、説明と同意の記録)と最後に見直した日を書き込む表を作成できる状態を目指します。
第3項の3種類の費用:介護その他の便宜・おむつ代・日常生活費
第3項が、自己負担のほかに受け取れるとしている費用は、次の3つです。第1号は、利用者の選定により提供される介護その他の日常生活上の便宜に要する費用、第2号はおむつ代、第3号は、第1号と第2号のほか、指定特定施設入居者生活介護において提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その利用者に負担させることが適当と認められるものです。
第3号は、費用の範囲が条文の言葉だけでは決まりません。老企第25号は具体的な範囲を別途通知するとしていますが、その内容はこの記事では確認していないので、個別の費用が当たるかどうかは指定権者に確認してください。第1号も、条文は「利用者の選定により」という条件を付けています。
通所介護の第96条にある、送迎や食事の費用は、第182条の第3項には書かれていません。通所介護の整理は通所介護の利用料と保険外費用:食事・おむつ代・送迎・その他の日常生活費で受け取れるものにあります。
第4項の説明と同意:運営規程と重要事項説明書をそろえる
第4項は、第3項の費用に係るサービスを提供するときに、あらかじめ、利用者又はその家族へ、サービスの内容と費用を説明し、利用者の同意を得ることを求めています。重要事項説明書や契約書に費用の表を載せるだけで済ませず、費用を受け取るサービスごとに、説明した日、相手、同意の記録を残す様式を用意しておくと、後から確かめやすくなります。様式は条文にないので、事業所で決めておく必要があります。
運営規程の記載事項は特定施設・地域密着型特定施設の運営規程の各10項目:入居定員と介護居室への移行で整理しています。
厚生労働省の通知の版に注意:訪問介護の項を参照するよう書かれている
老企第25号(厚生労働省の解釈通知)の特定施設入所者生活介護の利用料等の受領の項は、第182条の第1項、第2項、第4項は訪問介護の第20条と同趣旨だとして、訪問介護の項を参照するよう書いています。第3項は、3つの費用を前二項の利用料のほかに受け取れるとし、保険給付の対象となっているサービスと明確に区分されないあいまいな名目による費用の徴収は認めないと書いています。厚生労働省のサイトに掲載されている通知の版で、2026年11月5日に確認しました。
参照先の訪問介護の項は、法定代理受領でない場合の差額について、保険給付の対象になるサービスと明確に区分されるサービスは、別の料金を設定できるとし、その方法として、保険給付の対象とならない別事業であることの説明と理解、運営規程とは別の規定の整備、会計の区分の3つを挙げています。この3つが特定施設入居者生活介護にも当てはまるのは、通知が参照を指示しているためです。
この版は、利用者負担を一割と書き、基準の条番号が現行と一致しない箇所もあり、最新の改正が反映されていません。数字や範囲に関わる点は、通知の古い記載をそのまま使わず、現行の省令と告示、指定権者の案内で確かめてください。
次に知りたいこと:取扱方針・指定基準・単位数
サービスの提供の方針は特定施設入居者生活介護の取扱方針:第183条の7項・計画に基づく提供・説明・身体的拘束等で整理しています。員数と設備は特定施設入居者生活介護の指定基準:看護・介護職員は要介護者3人ごとに1以上にあります。
報酬は特定施設入居者生活介護費の単位数:要介護1は1日542単位・看取り介護加算で確認できます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- e-Gov法令検索で指定基準の第182条を開き、第1項から第4項までを表の行として書き写す
- 第3項の3種類の費用(介護その他の日常生活上の便宜、おむつ代、日常生活費)のうち、事業所が実際に受け取っているものに印を付け、運営規程と契約書の費用の欄に同じ額と条件が書かれているかを確かめる
- 受け取る費用ごとに、説明した日、相手、同意を得た記録を残す様式を用意し、直近の入居者の分がそろっているかを確かめる
- 第3号の日常生活費に当たるかどうか迷う費用は指定権者の案内で確かめ、書類のない行に見直す日を書き込む
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)」(第三 訪問介護に関する基準)(確認日 2026-10-04)
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第174条 基本方針、第175条 従業者の員数、第176条 管理者、第177条 設備に関する基準、第178条 内容及び手続の説明及び契約の締結等)、介護保険法第41条第1項」(基準第174条〜第178条(特定施設入居者生活介護)、法第41条第1項)(確認日 2026-10-20)