運営 / 更新 2026-10-17
小規模事業者持続化補助金と訪問介護:介護報酬が適用されるサービスは対象外の例示(第20回)
小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠)は、チラシやウェブサイトなど販路開拓の費用を補助する制度で、従業員5人以下の小さな事業所が使えるように見えます。ただし第20回公募の公募要領は、介護報酬が適用されるサービスを補助対象外の事業の例に挙げています。この記事は、訪問介護事業所が使えるかを、公募要領と事務局ホームページで確認した範囲で整理します。
結論:介護報酬が適用されるサービスは、補助対象外の事業の例として挙がっている
公募要領の「補助対象外となる事業」は、国が助成する他の制度(補助金、委託費、公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬など)と同一または類似の内容の事業を対象外としています。例として、デイサービス・介護タクシー等の居宅介護サービス事業者で介護報酬が適用されるサービスが挙げられています。
訪問介護の介護報酬が適用されるサービスは、この例と同じ居宅介護サービスです。そのため、介護報酬が適用されるサービスそのものの販路開拓に使う補助金としては、対象外と読むのが自然です。
介護報酬が適用されない取り組みが対象になるかは、公募要領に個別の例がありません。取り組みの内容ごとに、事務局に確認してから進めてください。この記事は、個別の事業所が対象になるか、採択されるかを判断するものではありません。
この記事で決めること
訪問介護事業所の管理者や開業準備者が、小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠)を使えるかどうかを、公募要領の補助対象外の事業、補助対象者の要件、補助額と日程から確認するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、持続化補助金を使えるかの確認メモ(取り組みたい内容が介護報酬の適用されるサービスかどうか、対象者の要件、事務局への確認事項)を作成できる状態を目指します。
制度の概要:補助上限50万円、補助率2/3、電子申請のみ
第20回公募の通常枠は、補助上限が50万円、補助率が2/3です。賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4です。インボイス特例の対象事業者は50万円、賃金引上げ特例の対象事業者は150万円、両特例の対象事業者は200万円が上乗せされます。
申請受付は2026年11月5日(木)に始まり、締切は2026年12月15日(火)17:00です。事業支援計画書(様式4)の発行依頼の受付締切は2026年12月4日(金)で、締切以降の依頼は理由を問わずできないとされています。
申請は電子申請システムのみで、郵送は受け付けません。GビズIDプライムのアカウントの取得と、地域の商工会・商工会議所への事業支援計画書の発行依頼が、申請前の手続きに入っています。事務局のホームページには、採択審査があり、不採択となる場合があると書かれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 50万円(特例の上乗せは50万円・150万円・200万円) |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 申請受付 | 2026年11月5日(木)〜12月15日(火)17:00 |
| 事業支援計画書(様式4)の発行依頼の締切 | 2026年12月4日(金) |
| 申請方法 | 電子申請のみ(GビズIDプライムが必要) |
補助対象者の要件:従業員数、法人の種類、開業しているか
補助対象者は、小規模事業者であることが要件です。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は、常時使用する従業員が5人以下です。常時使用する従業員は、労働基準法第20条の「解雇の予告を必要とする者」で、会社役員や同居の親族従業員は含まれません。
補助対象になり得る者は、株式会社や合同会社などの会社と、商工業者である個人事業主です。補助対象にならない者には、医療法人、社会福祉法人、一般社団法人、公益社団法人、学校法人などが挙がっています。
申請時点で開業していない創業予定者も、補助対象にならない者です。税務署に開業届を出していても、開業届の開業日が申請日より後なら対象外とされています。事業を始める前の準備段階の方は、この対象外に当たる可能性があるため、事務局に確認してください。
補助対象事業の要件:売上の増加が見込める販路開拓の取り組み
補助対象事業は、策定した経営計画に基づく販路開拓などの取り組みか、販路開拓とあわせて行う業務効率化の取り組みです。補助事業終了時より、事業効果の報告書の提出時に、売上高や売上総利益が増える見込みのある事業であることが求められます。
申請時には、客観的なデータを使った市場や顧客ニーズの分析、営業方針、新規取引や値上げの見込みなどの根拠とともに、売上高と売上総利益の増加を補助事業計画(様式2)に書く必要があります。事業終了後おおむね1年以内に売上につながることが見込まれない事業は、対象外です。
補助対象経費には、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費、機械装置等費などがあります。同一の取り組みで、国のほかの補助金を重ねて受け取ることはできません。
訪問介護事業所が確認する順番と、ほかの制度の記事
確認の順番は、まず取り組みが介護報酬の適用されるサービスそのものかどうかを分けます。次に、法人の種類、従業員数、申請時点で開業しているかを公募要領の表に当てはめます。迷う点は、事務局に確認する内容を文章にして残します。
介護報酬が適用されない保険外のサービスの考え方は指定訪問介護と保険外の訪問サービス:開業前に比べる指定・給付・確認事項で整理しています。介護報酬の適用の有無は、サービスごとに分けて考える必要があります。
記録・請求ソフトの導入に使える国の補助はデジタル化・AI導入補助金で訪問介護の記録ソフトを入れる:対象者・補助額・申請前の手続きに、都道府県の補助は訪問介護の記録ICT導入に使える都道府県の補助(令和8年度、3県の例)にあります。創業時の資金は訪問介護の日本政策金融公庫の創業融資:限度額7,200万円・返済期間・経営者保証免除特例も確認してください。
この記事は、第20回公募の公募要領(第8版)の内容です。公募要領は改定されることがあるため、申請を考えるときは、事務局ホームページの最新の公募要領を確認してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 補助金で取り組みたい内容を書き出し、介護報酬が適用されるサービスそのものの販路開拓なのか、介護報酬が適用されない取り組みなのかを分けて記録する
- 法人の種類、常時使用する従業員数、申請時点で開業しているかを、公募要領の補助対象者の表に当てはめて確認する
- 対象になるか迷う取り組みは、公募要領の補助対象外の事業の項目と、事務局ホームページの問い合わせ先を控え、事務局に確認する内容を文章にして残す
- 対象になり得る場合は、GビズIDプライムの取得と、商工会・商工会議所への事業支援計画書の発行依頼の期限を、締切から逆算して予定表に入れる
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。