運営 / 更新 2026-10-22
訪問介護の移動手段・移動時間別の収支差率:徒歩7.5%・30分以上45分未満3.5%
訪問介護の収支差率は、厚生労働省の令和7年度介護事業経営概況調査(令和6年度決算)で、職員の主な移動手段が自動車等の事業所は9.7%、徒歩は7.5%、自転車は9.4%です。1回の訪問にかかる平均的な移動時間では、30分以上45分未満の事業所が3.5%(有効回答27)と、ほかの区分より低く公表されています。このページでは、2つの表の値と有効回答数を並べ、移動を計画に入れるときの読み方を整理します。
調査の概要と、表の数字の読み方
第95表(訪問する職員の主な訪問(移動)手段)と第96表(1回(件)の訪問にかかった平均的な移動時間)は、訪問系サービスの種類別に収支差率を示した表です。収支差率は令和6年度決算の値で、移動手段と移動時間は令和7年4月の1か月分の実績と表の注に書かれています。
表には、税引前収支差率(コロナ・物価関連の補助金を含まない)、同(含む)、税引後収支差率(含む)の3種類と、有効回答数が並びます。この記事では、補助金を含まない税引前収支差率を主に読み、ほかの2種類も表に載せます。
表の記号は、結果PDFの規約で「-」が計数のない場合、「・・・」が計数を表章することが不適当な場合と定められています。訪問介護の公共交通機関と、移動時間が1時間以上の区分は「・・・」で、値が公表されていません。
この記事で決めること
訪問介護の事業計画を作る事業者が、職員の主な移動手段と1回の訪問にかかる平均的な移動時間の区分ごとに、令和6年度決算の収支差率と有効回答数を確かめ、移動の条件を計画に入れるときの読み方を知るための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、移動条件の対照表(自事業所の主な移動手段、月の移動時間の合計、月の訪問回数、1回あたりの平均移動時間、近い区分の全国の収支差率と有効回答数、確認メモ)を作成できる状態を目指します。
主な移動手段別の収支差率(令和6年度決算・第95表)
訪問介護で値が公表されているのは、自動車等、徒歩、自転車の3区分です。補助金を含まない税引前収支差率は、自動車等が9.7%、徒歩が7.5%、自転車が9.4%で、有効回答数はそれぞれ365、119、127です。
徒歩の区分は、自動車等より2.2ポイント低くなっています。ただし、この差が移動手段によるものか、事業所の規模や地域、利用者の分布の違いによるものかは、表からは分かりません。
| 区分 | 自動車等 | 徒歩 | 自転車 | 公共交通機関 |
|---|---|---|---|---|
| 税引前収支差率(補助金を含まない) | 9.7% | 7.5% | 9.4% | 表章なし |
| 税引前収支差率(補助金を含む) | 9.8% | 7.6% | 9.4% | 表章なし |
| 税引後収支差率(補助金を含む) | 9.4% | 6.7% | 8.8% | 表章なし |
| 有効回答数 | 365 | 119 | 127 | 表章なし |
1回の訪問にかかる平均的な移動時間別の収支差率(第96表)
移動時間は6区分で、訪問介護で値が公表されているのは5分未満から1時間未満の5区分です。補助金を含まない税引前収支差率は、5分未満が8.7%、5分以上15分未満が9.6%、15分以上30分未満が9.4%、30分以上45分未満が3.5%、45分以上1時間未満が11.0%です。
30分以上45分未満の区分は有効回答数が27、45分以上1時間未満の区分は16と少なく、1つの事業所の値で平均が大きく動きます。移動時間が長いほど収支差率が低い、とは表から読み取れません。
| 区分 | 5分未満 | 5分以上15分未満 | 15分以上30分未満 | 30分以上45分未満 | 45分以上1時間未満 | 1時間以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 税引前収支差率(補助金を含まない) | 8.7% | 9.6% | 9.4% | 3.5% | 11.0% | 表章なし |
| 税引前収支差率(補助金を含む) | 8.8% | 9.7% | 9.5% | 3.6% | 11.0% | 表章なし |
| 税引後収支差率(補助金を含む) | 7.8% | 9.2% | 9.0% | 3.5% | 10.3% | 表章なし |
| 有効回答数 | 106 | 216 | 243 | 27 | 16 | 表章なし |
自事業所の計画に使うときの確認点
自事業所の平均的な移動時間は、月の移動時間の合計を月の訪問回数で割って出します。たとえば、月の移動時間が合計120時間、訪問回数が480回の架空の計画では、1回あたり15分で、「15分以上30分未満」の区分の入口にあたります。数字は例示で、事業所の実際の値ではありません。
表は区分ごとの平均で、同じ区分の事業所でも収支差率は大きく異なります。自事業所の移動時間を区分に当てはめて、全国の値と比べる使い方にとどめ、収支の見通しの保証には使いません。
移動時間を賃金や稼働にどう入れるかは、雇用・勤怠と訪問介護の移動時間と訪問介護の訪問割り当てと移動時間の組み方で確認できます。事業所の規模別の収支は訪問介護の事業所規模別の収支比較、1人あたりの訪問回数は常勤換算1人あたり訪問回数で確認できます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 職員の主な移動手段を自動車等、徒歩、自転車などに分けて、各手段で回る訪問の割合を把握する
- 月の移動時間の合計を月の訪問回数で割り、1回あたりの平均的な移動時間を出す
- 全国の調査結果の区分のうち近いものを選び、収支差率と有効回答数を並べて記録する
- 有効回答数が少ない区分は参考にとどめ、自事業所の移動時間の短縮や訪問の組み方の見直しを別に検討する
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
訪問介護の収支差率は移動手段で違いますか?
厚生労働省の令和7年度介護事業経営概況調査(令和6年度決算)では、税引前収支差率(補助金を含まない)が自動車等9.7%、徒歩7.5%、自転車9.4%です。有効回答数は365、119、127で、公共交通機関の区分は値が公表されていません。
移動時間が長い事業所ほど収支差率は低いのですか?
表からは言えません。平均的な移動時間が30分以上45分未満の区分は3.5%ですが、45分以上1時間未満の区分は11.0%です。それぞれの有効回答数は27と16で少なく、値が大きく動きます。
自事業所の平均的な移動時間はどう出しますか?
月の移動時間の合計を月の訪問回数で割ります。たとえば、移動時間が合計120時間、訪問回数が480回なら1回あたり15分です。この数字を調査の移動時間の区分に当てはめて、全国の値と比べます。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省老健局老人保健課「令和7年度介護事業経営概況調査結果(令和7年度介護事業実態調査)」(確認日 2026-10-22)