運営 / 更新 2026-10-14

訪問介護の利用者不在時の生活援助:算定できない場合と記録・連絡の整理

利用者が不在の居宅を訪問して掃除などをしても、訪問介護の生活援助の所定単位数は算定できず、その理由は厚生労働省の留意事項通知(老企第36号)に書かれています。この記事は、通知の文言と、算定できなかった訪問の記録・連絡の整理をまとめます。応答がなく入室できないときの扱いは、確認できた資料に定めが無いため書いていません。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護の管理者やサービス提供責任者が、利用者が不在だったときに生活援助が算定できない理由を通知の文言で確かめ、記録と連絡をどう整理するかを決めるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、利用者不在時の対応票(訪問日時、不在を確認した方法、訪問した訪問介護員、連絡した相手と内容、請求しない旨の記載)を作成できる状態を目指します。

通知の定め:本人不在の居宅への訪問は生活援助として算定できない

留意事項通知(平成12年3月1日老企第36号、平成27年度改正版)は、同一時間帯に通所サービスと訪問サービスを利用した場合は訪問サービスの所定単位数は算定できないとしたうえで、例を挙げています。利用者が通所サービスを受けている時間帯に、本人不在の居宅を訪問して掃除等を行うことは、訪問介護の生活援助としては算定できない、という例です。

理由として通知は、生活援助として行う場合は、本人の安否確認・健康チェック等もあわせて行うべきものだからと書いています。さらに、利用者不在時の訪問サービスの取扱いは、その時間帯に通所サービスを利用するかどうかにかかわらず、同様であるとしています。

利用者不在時の生活援助についての通知の整理(老企第36号の文言から作成、確認日2026-10-14)
場面通知の扱い根拠の読み方
通所サービスの時間帯に、本人不在の居宅で掃除等をした生活援助の所定単位数は算定できない通知が例として挙げている場面
通所サービスを使わない時間帯に、本人不在の居宅で掃除等をした同様に算定できない通知が「通所サービスを利用するかどうかにかかわらず、同様」と書いている
本人がいる時間に、安否確認・健康チェックとあわせて生活援助をしたこの項の対象外(通常の算定の要件で判断する)通知が不算定の理由を、安否確認・健康チェックを合わせて行うべきことに置いている

不在だったときに事業所が残す記録

基準第19条は、訪問介護を提供したときは、提供日と内容などをサービス計画の書面に記載し、提供した具体的なサービスの内容等を記録するよう定めています。不在で提供できなかった訪問は、この記録の対象になるサービスの提供ではないため、請求の根拠にはなりません。

ここから先は通知の定めではなく、事業所の運用の提案です。不在だった訪問は、訪問した日時、不在を確認した方法(呼び鈴、電話など)、訪問した訪問介護員の名前、連絡した相手と内容を、事業所の記録に残しておくと、請求しなかった理由を後から説明できます。

記録の基本は訪問介護のサービスの提供の記録(基準第19条)と身分を証する書類の携行(第18条)にあります。

不在のとき、誰に何を連絡するか(運用の整理)

不在の連絡先として、サービス提供責任者への報告、利用者や家族への連絡、居宅サービス計画を作ったケアマネジャーへの連絡の3つが考えられます。通知はこの連絡の様式や時期を定めていないため、連絡の相手と時期は事業所の手順として決め、利用者に事前に説明しておきます。

利用者の都合で訪問がなくなったときに、職員の休業手当が必要になるかは訪問介護の利用者キャンセルと休業手当:勤務表で特定された後の取消しと労基法第26条で整理しています。キャンセル料の請求は訪問介護の利用料等の受領(基準第20条・交通費と保険外サービスの別料金の条件)の範囲です。

生活援助そのものを算定できる利用者の範囲は訪問介護の生活援助中心型(ロ)を算定できる利用者の要件(単身世帯・家族等が家事困難)にあります。

この記事で扱っていないこと

訪問したが応答がなく、入室できなかった場合に何を確認してから戻るかや、緊急時の対応については、確認した通知の該当箇所に定めが見つからなかったため、この記事では扱っていません。安否が心配なときの対応は、居宅介護支援事業所や指定権者に確認してください。

個別の訪問が算定できるかどうかは、指定権者の判断によります。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 不在の居宅を訪問した日時と、不在を確認した方法を、その場で事業所に報告する
  2. サービス提供責任者が、利用者または家族、担当のケアマネジャーへ連絡し、連絡した日時と内容を記録する
  3. 不在の訪問は生活援助として請求しないことを、請求前の確認で照合する
  4. 不在が続く利用者は、居宅サービス計画の訪問の時間帯や日の見直しを、ケアマネジャーに相談する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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