運営 / 更新 2026-10-26
訪問看護の特別管理加算:月500単位・250単位と、対象の5つの状態の振り分け
訪問看護の特別管理加算は、1月につき(Ⅰ)が500単位、(Ⅱ)が250単位です。対象は、告示が定める5つの区分の状態にある利用者です。気管カニューレや留置カテーテルの使用などは(Ⅰ)、在宅酸素療法・人工肛門・真皮を越える褥瘡などは(Ⅱ)に当たります。
単位数と届出:1月につき(Ⅰ)500単位・(Ⅱ)250単位
特別管理加算は、1月につき(Ⅰ)が500単位、(Ⅱ)が250単位です。介護報酬の告示(平成12年厚生省告示第19号)の別表、訪問看護費の注13で、厚生労働省掲載の告示本文で確認しました。
注13は、特別な管理を必要とする利用者に、届出をした指定訪問看護事業所が計画的な管理を行った場合に、厚生労働大臣が定める区分に応じて加算すると定めています。
注13のただし書きは、これらのいずれかを算定している場合は、ほかの区分を算定しないと定めています。同じ月に(Ⅰ)と(Ⅱ)を重ねて請求することはできません。
この記事で決めること
訪問看護の特別管理加算の単位数と、対象となる利用者の状態、(Ⅰ)(Ⅱ)のどちらに当たるかを、告示の原文で確かめたい訪問看護の事業者向け。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、特別管理加算の対象状態の確認表(利用者ごとに、該当する状態・主治医の指示の日・加算の区分・確認日を記入)を作成できる状態を目指します。
対象の状態:告示第94号の第六号が並べる5つの区分
「特別な管理を必要とする利用者」は、訪問看護費の注7で「別に厚生労働大臣が定める状態にあるものに限る」とされています。その状態は、利用者等告示(平成27年厚生労働省告示第94号)の第六号が定めています。次のいずれかに当たる状態です。
表の各行は、告示の文言を短くまとめたものです。診療報酬の指導管理の名称は、告示が医科診療報酬点数表に掲げるものを指しており、個別の利用者が当たるかどうかは、主治の医師の指示と訪問看護事業所の記録で確かめます。
| 号の区分 | 告示が定める状態 | 加算の区分 |
|---|---|---|
| イ | 在宅麻薬等注射指導管理・在宅腫瘍化学療法注射指導管理・在宅強心剤持続投与指導管理・在宅気管切開患者指導管理を受けている状態、または気管カニューレ・留置カテーテルを使用している状態 | 特別管理加算(Ⅰ) |
| ロ | 在宅自己腹膜灌流・在宅血液透析・在宅酸素療法・在宅中心静脈栄養法・在宅成分栄養経管栄養法・在宅自己導尿・在宅持続陽圧呼吸療法・在宅自己疼痛管理・在宅肺高血圧症患者の各指導管理を受けている状態 | 特別管理加算(Ⅱ) |
| ハ | 人工肛門または人工膀胱を設置している状態 | 特別管理加算(Ⅱ) |
| ニ | 真皮を越える褥瘡の状態 | 特別管理加算(Ⅱ) |
| ホ | 点滴注射を週3日以上行う必要があると認められる状態 | 特別管理加算(Ⅱ) |
(Ⅰ)と(Ⅱ)の振り分け:第七号が決める
訪問看護費の注13の「厚生労働大臣が定める区分」は、同じ告示の第七号です。第六号のイに当たる状態の利用者に訪問看護を行う場合が特別管理加算(Ⅰ)、第六号のロ、ハ、ニまたはホに当たる状態の利用者に行う場合が(Ⅱ)です。
たとえば、気管カニューレを使っている利用者はイなので(Ⅰ)、在宅酸素療法の指導管理を受けている利用者はロなので(Ⅱ)です。イとロの両方に当たる状態の利用者について、どちらの区分で請求するかは、告示の文言だけでは確かめられません。算定の扱いは、指定権者または国民健康保険団体連合会の案内で確かめてください。
ほかの加算との関係:長時間の訪問と死亡月の加算
第六号の状態は、注7の長時間訪問看護加算(1回300単位)の対象にもなっています。月単位の特別管理加算と、1回ごとの加算は、告示上は別の注に置かれた別の加算です。
月額の加算の一覧と、緊急時訪問看護加算・ターミナルケア加算との並びは訪問看護の主な加算、基本の単位数は訪問看護費の単位数にあります。介護保険と医療保険のどちらで訪問看護を受けるかの区分は、介護保険と医療保険の訪問看護の使い分けにあります。
資料の範囲
2026年10月26日に、介護報酬告示の別表の訪問看護費の注13と、利用者等告示(平成27年厚生労働省告示第94号)の第六号・第七号を、厚生労働省掲載の本文で確認しました。
届出に必要な書類、算定の開始月の数え方、計画的な管理の具体的な内容を定める留意事項通知(老企第36号)は、この記事では確認していません。医療保険の訪問看護の特別管理加算は別の制度で、このページの対象外です。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 利用者ごとに、主治の医師の指示書と訪問看護計画書から、受けている指導管理や使用している器具、褥瘡・点滴の状態を書き写す
- 書き写した状態を告示第94号の第六号のイからホに当てはめ、イに当たれば(Ⅰ)、ロ・ハ・ニ・ホに当たれば(Ⅱ)として、区分の案を書く
- イとロの両方に当たる状態など、告示の文言だけで区分を決められない利用者は、指定権者または国民健康保険団体連合会の案内で確かめた日と内容を残す
- 月ごとに、特別管理加算の請求の有無を並べ、状態が変わった月(指導管理の終了、褥瘡の治癒など)に算定を続けてよいか、留意事項通知の現行の本文で確かめて記録する
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等(平成27年厚生労働省告示第94号)第四号(訪問看護費の注1の疾病等)・第五号(訪問看護費の注6の複数名訪問加算の基準)」(第四号(訪問看護費の注1の厚生労働大臣が定める疾病等)、第五号(訪問看護費の注6の厚生労働大臣が定める基準)、第六号(注7の厚生労働大臣が定める状態。イ〜ホの5区分)、第七号(注13の特別管理加算の区分。(Ⅰ)は第六号イ、(Ⅱ)は第六号ロ・ハ・ニ・ホ)、第八号(注15の厚生労働大臣が定める状態。イ・ロ))(確認日 2026-10-26)
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 3 訪問看護費 注1(対象となる利用者)・注6(複数名訪問加算)」(別表 3 訪問看護費 注1(通院が困難な利用者。末期の悪性腫瘍等・精神科訪問看護の利用者を除く。理学療法士等の訪問はイ(5)で1日2回を超えると100分の90)、注6(複数名訪問加算(Ⅰ)(Ⅱ))、注20(イ(5)の1回8単位の減算)、ヘ 看護・介護職員連携強化加算(250単位。1月に1回)、イ(4)・ロ(4)(所要時間1時間以上1時間30分未満)、注7(特別な管理を必要とする利用者への1時間以上1時間30分未満の訪問後に引き続き訪問し通算1時間30分以上で1回300単位)、注12(緊急時訪問看護加算。ステーション(Ⅰ)600単位・(Ⅱ)574単位、病院・診療所(Ⅰ)325単位・(Ⅱ)315単位)、注13(特別管理加算(Ⅰ)500単位・(Ⅱ)250単位。1月につき)、注15(ターミナルケア加算。死亡月につき2,500単位)、ト 看護体制強化加算((Ⅰ)550単位・(Ⅱ)200単位。1月につき)、ホ 退院時共同指導加算(600単位。退院・退所につき1回、特別な管理を必要とする利用者は2回。ニの初回加算を算定する場合は算定しない)、注5(夜間・早朝100分の25・深夜100分の50。イ及びロが対象。1回につき)、イ・ロの所要時間別の所定単位数、注8(同一敷地内建物等の利用者と同一の建物に20人以上居住する利用者は1回につき100分の90、同一敷地内建物等に50人以上居住する建物の利用者は100分の85。訪問介護費の注12にある100分の88のただし書きは訪問看護費の注8にはない)、リ サービス提供体制強化加算(イ又はロを算定する場合は1回につき(Ⅰ)6単位・(Ⅱ)3単位、ハを算定する場合は1月につき(Ⅰ)50単位・(Ⅱ)25単位。ハは定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と連携して行う訪問看護で2,961単位)、注9(特別地域訪問看護加算。大臣が定める地域に所在し届出をした事業所。イ・ロは1回につき・ハは1月につき100分の15)、注10(地域に所在し大臣が定める施設基準に適合し届出をした事業所。100分の10)、ニ 初回加算((Ⅰ)350単位・(Ⅱ)300単位。1月につき。(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定しない)、ホ 退院時共同指導加算の注(ニの初回加算を算定する場合は算定しない)、注11(大臣が定める地域に居住する利用者へ通常の事業の実施地域を越えて訪問。100分の5)、注14(専門管理加算。緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門ケア及び人工膀胱ケアの専門の研修を受けた看護師はイ250単位、特定行為研修を修了した看護師はロ250単位。1月に1回に限る)、注16(遠隔死亡診断補助加算。情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が主治の医師の指示で死亡診断の補助を行った場合、死亡月につき150単位))(確認日 2026-10-26)