民間の解説サイトです。国・都道府県・市区町村などの公式の窓口ではなく、指定申請や届出の受付はしていません。運営者情報

運営 / 更新 2026-11-05

訪問看護の記録の整備と保存期間:保存する8種類と完結の日から2年(基準第73条の2)

訪問看護事業者は、基準第73条の2により、従業者・設備・備品・会計に関する諸記録を整備し、利用者への提供に関する8種類の記録をその完結の日から2年間保存しなければなりません。8種類は、主治の医師の指示の文書、訪問看護計画書、訪問看護報告書、提供したサービスの内容等の記録、身体的拘束等の記録、市町村への通知、苦情、事故の記録です。

第73条の2が求める2つの整備:諸記録の整備と、2年間の保存

第1項は、指定訪問看護事業者に、従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備しておくよう求めています。この項には、保存期間の定めがありません。

第2項は、利用者に対する指定訪問看護の提供に関する記録を整備し、その完結の日から2年間保存するよう求めています。対象は次の節の8種類で、条文が各号で列挙しています。訪問介護事業所の記録の保存義務は訪問介護の記録の保存義務・保存期間で確認できます。

この記事で決めること

訪問看護ステーションの開設準備中や運営中の事業者が、整備すべき諸記録と、完結の日から2年間保存する8種類の記録の内容、条文上の根拠、保険医療機関の場合の取扱いを、基準省令と解釈通知の原文で確かめるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、訪問看護の記録の一覧表(記録の種類・根拠条文・保存期間の起算の記入欄・保管場所・担当者)を作成できる状態を目指します。

2年間保存する8種類の記録と、それぞれの根拠条

第2項が挙げる記録は、次の8種類です。1つ目は、第69条第2項の主治の医師による指示の文書(指示書)です。2つ目は訪問看護計画書、3つ目は訪問看護報告書で、作成の根拠は第70条です。

4つ目は、準用される第19条第2項による、提供した具体的なサービスの内容等の記録です。5つ目は、第68条第4号による、身体的拘束等の態様及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由の記録です。

6つ目は、準用される第26条による、市町村への通知に係る記録です。7つ目は、準用される第36条第2項による、苦情の内容等の記録で、8つ目は、準用される第37条第2項による、事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録です。

解釈通知の訪問看護の項は、準用される第39条により整備すべき記録として、指示書、訪問看護計画書及び訪問看護報告書、記録書、市町村への通知に係る記録を挙げています。取得した版の通知は旧表記(看護婦等)を含み、列挙は現行条文の8種類より少ないため、保存の対象は条文で確かめます。苦情と事故の対応は訪問看護の事故発生時の対応で確認できます。

計画書・報告書と、訪問のたびの記録は別のもの

解釈通知は、訪問看護計画書には、訪問を行った日、提供した看護内容、サービス提供結果等を記載するとしています。そのうえで、第70条の報告書は、訪問の都度記載する記録とは異なり、主治医に定期的に提出するものだと書いています。

このため、保存の一覧を作るときは、訪問のたびの記録(本記事の整理では、第4号のサービス内容等の記録にあたるものと考えられます)と、主治医に提出する報告書を分けて並べます。計画書と報告書の作成と交付は訪問看護計画書と報告書で確認できます。

保険医療機関の場合と、月ごとの勤務表

解釈通知は、指定訪問看護事業所が保険医療機関である場合、指示書、訪問看護計画書及び訪問看護報告書は、診療録及び診療記録の保存でも差し支えないとしています。診療録とは別に、介護保険の記録として2年間保存する書類を作る必要があるかは、窓口で確認します。

第1項の従業者に関する記録について、解釈通知は、準用される第30条に関し、指定訪問看護ステーションでは原則として月ごとの勤務表を作成し、看護職員の日々の勤務時間、職務の内容、常勤・非常勤の別、管理者との兼務関係等を明確にするよう求めています。管理者の兼務は訪問看護ステーションの管理者の兼務で確認できます。

確認の順番:記録を8種類で一覧にして、完結の日を記入できる形にする

まず、第2項の8種類を一覧にし、記録ごとに保管する場所と担当者を決めます。次に、利用者ごとに完結の日を記入できる欄を設け、その日から2年間は廃棄しない運用にします。

保存期間の扱いは、事業所の所在地の指定権者の基準条例や運営指導の確認事項でも確かめます。電子化して保存する場合の考え方は訪問介護の書類の電子化で確認できます。

この記事で確認した範囲

原文は2026年11月5日に照合しました。確認した資料は、e-Govの指定居宅サービス等の基準(第68条・第73条の2)と、厚生労働省の解釈通知(老企第25号)の訪問看護の項(準用される第30条・第39条)です。医療保険側の訪問看護記録書の取扱いと、完結の日の具体的な数え方は扱っていません。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 第73条の2第1項の諸記録を書き出す。従業者、設備、備品及び会計に関する記録で、保存期間はこの項では定められていない。勤務表は、解釈通知が月ごとの作成と、日々の勤務時間・職務の内容・常勤非常勤の別・管理者との兼務関係の明確化を求めている。
  2. 第2項の8種類の記録を一覧にする。主治の医師の指示の文書、訪問看護計画書、訪問看護報告書、提供した具体的なサービスの内容等の記録、身体的拘束等の記録、市町村への通知に係る記録、苦情の内容等の記録、事故の状況及び処置の記録である。
  3. 8種類のそれぞれについて、保管する場所と担当者を決め、完結の日を記入できる欄を設ける。条文は、完結の日から2年間の保存を求めている。
  4. 保険医療機関が指定訪問看護を行う場合は、指示書・計画書・報告書を診療録及び診療記録の保存で代えられるかを確かめる。指定権者の基準条例や運営指導の確認事項と合わせて、保存期間の扱いを窓口で確認する。

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

訪問看護事業者が完結の日から2年間保存する記録には何がありますか?

基準第73条の2第2項は、主治の医師による指示の文書、訪問看護計画書、訪問看護報告書、提供した具体的なサービスの内容等の記録、身体的拘束等の記録、市町村への通知に係る記録、苦情の内容等の記録、事故の状況及び処置の記録の8種類を挙げています。

従業者や会計の記録にも保存期間は決まっていますか?

第73条の2第1項は、従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録の整備を求めていますが、この項には保存期間の定めがありません。2年間の保存が定められているのは、第2項の利用者に対する提供に関する8種類の記録です。

保険医療機関が行う訪問看護では、記録をどう扱えますか?

解釈通知は、指定訪問看護事業所が保険医療機関である場合、指示書、訪問看護計画書及び訪問看護報告書は、診療録及び診療記録の保存でも差し支えないとしています。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 訪問看護計画書と報告書:看護師等が作成し、利用者に交付、主治医に提出(基準第70条) →