運営 / 更新 2026-10-26
訪問看護の同一建物減算:100分の90、敷地内建物等に50人以上は100分の85
訪問看護の同一建物減算は、1回につき所定単位数の100分の90で算定します。同一敷地内建物等に50人以上が居住する場合は100分の85です。対象は、事業所と同じ敷地内か隣接する敷地内の建物(同一敷地内建物等)の利用者と、事業所の1月当たりの利用者が同一の建物に20人以上いる場合で、告示の注8の原文から訪問介護との書き方の違いまで整理します。
減算の率:100分の90と100分の85(1回につき)
介護報酬の告示(平成12年厚生省告示第19号)の別表、訪問看護費の注8で、厚生労働省掲載の告示本文を確認しました。対象の利用者に指定訪問看護を行った場合は、1回につき所定単位数の100分の90に相当する単位数を算定します。
同一敷地内建物等に50人以上が居住する建物の利用者に行った場合は、1回につき所定単位数の100分の85に相当する単位数を算定します。減算の対象は「1回につき」の所定単位数で、月ごとに一律に引き下げる書き方ではありません。
この記事で決めること
訪問看護の同一建物減算の率(100分の90・100分の85)と、対象になる建物と人数の条件を、告示の注8の原文で確かめたい訪問看護の事業者向け。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、同一建物減算の判定表(利用者ごとの居住する建物、事業所と同一敷地内か隣接敷地内か、建物ごとの1月当たりの利用者数、適用する率)を作成できる状態を目指します。
対象になる3つの場合:敷地内、20人以上の建物、50人以上の建物
注8は、事業所の所在する建物と同一の敷地内か隣接する敷地内の建物、または事業所と同一の建物を、あわせて「同一敷地内建物等」と呼んでいます。この同一敷地内建物等に居住する利用者が対象です。ただし、事業所の1月当たりの利用者が同一敷地内建物等に50人以上居住する建物の利用者は、100分の90の対象から除かれます。
同一敷地内建物等には当たらない建物でも、事業所における1月当たりの利用者が同一の建物に20人以上居住している場合は、その建物の利用者が100分の90の対象になります。この建物は同一敷地内建物等ではないため、50人以上が居住していても100分の90のままで、100分の85になるのは同一敷地内建物等に50人以上が居住する場合だけです。
| 利用者が住む建物 | 人数の条件 | 算定する率 |
|---|---|---|
| 同一敷地内建物等(同一敷地内・隣接敷地内の建物、事業所と同一の建物) | 事業所の1月当たりの利用者が50人未満 | 100分の90 |
| 同一敷地内建物等 | 事業所の1月当たりの利用者が50人以上 | 100分の85 |
| 同一敷地内建物等ではない同一の建物 | 事業所の1月当たりの利用者が20人以上 | 100分の90 |
人数の数え方:事業所における1月当たりの利用者
20人と50人の人数は、告示の本文で「指定訪問看護事業所における1月当たりの利用者」と書かれています。建物の入居者の総数ではなく、その事業所が1月に訪問した利用者のうち、その建物に住む人の数が基準です。
月の途中の入居や退去、介護予防訪問看護の利用者を数えるかなど、人数の数え方の細部は、告示の本文だけでは分かりません。留意事項通知(老企第36号)などで確かめる必要がありますが、この記事では通知を確認していないため書いていません。算定の前に、指定権者または国民健康保険団体連合会の案内で確かめてください。
訪問介護の同一建物減算との違い:100分の88のただし書きの有無
訪問介護費の注12には、訪問看護費の注8と同じ構成の減算があります。100分の90と100分の85に加えて、別に厚生労働大臣が定める基準に該当する事業所が、同一敷地内建物等の利用者(50人以上を除く)に行う場合は100分の88とするただし書きがあります。
訪問看護費の注8の本文には、このただし書きがありません。訪問介護の同一建物の利用者への減算と同じ率だと思い込まず、サービスごとに告示の注を確かめる必要があります。
資料の範囲と、あわせて読むページ
2026年10月26日に、介護報酬告示の別表の訪問看護費の注8と、訪問介護費の注12を、厚生労働省掲載の本文で確認しました。基本報酬や加算ごとに、この減算の率をどの単位数に掛けるかは、告示の本文からは確認していません。
基本の単位数は訪問看護費の単位数、加算の全体は訪問看護の主な加算にあります。時間帯による加算は夜間・早朝・深夜加算で整理しています。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 利用者ごとに、住む建物の名称と、事業所と同一の建物、同一の敷地内、隣接する敷地内、それ以外のどれに当たるかを書き出す
- 建物ごとに、事業所が1月に訪問した利用者のうち、その建物に住む人数を数え、20人以上か50人以上かを確かめる
- 同一敷地内建物等で50人未満なら100分の90、50人以上なら100分の85、同一敷地内建物等ではない建物で20人以上なら100分の90と、利用者ごとの率を表にそろえる
- 月の途中の入居や退去など人数の数え方は、留意事項通知の現行の本文を指定権者または国民健康保険団体連合会の案内で確かめて日付を残し、請求ソフトの設定と照らす
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)別表 3 訪問看護費 注1(対象となる利用者)・注6(複数名訪問加算)」(別表 3 訪問看護費 注1(通院が困難な利用者。末期の悪性腫瘍等・精神科訪問看護の利用者を除く。理学療法士等の訪問はイ(5)で1日2回を超えると100分の90)、注6(複数名訪問加算(Ⅰ)(Ⅱ))、注20(イ(5)の1回8単位の減算)、ヘ 看護・介護職員連携強化加算(250単位。1月に1回)、イ(4)・ロ(4)(所要時間1時間以上1時間30分未満)、注7(特別な管理を必要とする利用者への1時間以上1時間30分未満の訪問後に引き続き訪問し通算1時間30分以上で1回300単位)、注12(緊急時訪問看護加算。ステーション(Ⅰ)600単位・(Ⅱ)574単位、病院・診療所(Ⅰ)325単位・(Ⅱ)315単位)、注13(特別管理加算(Ⅰ)500単位・(Ⅱ)250単位。1月につき)、注15(ターミナルケア加算。死亡月につき2,500単位)、ト 看護体制強化加算((Ⅰ)550単位・(Ⅱ)200単位。1月につき)、ホ 退院時共同指導加算(600単位。退院・退所につき1回、特別な管理を必要とする利用者は2回。ニの初回加算を算定する場合は算定しない)、注5(夜間・早朝100分の25・深夜100分の50。イ及びロが対象。1回につき)、イ・ロの所要時間別の所定単位数、注8(同一敷地内建物等の利用者と同一の建物に20人以上居住する利用者は1回につき100分の90、同一敷地内建物等に50人以上居住する建物の利用者は100分の85。訪問介護費の注12にある100分の88のただし書きは訪問看護費の注8にはない)、リ サービス提供体制強化加算(イ又はロを算定する場合は1回につき(Ⅰ)6単位・(Ⅱ)3単位、ハを算定する場合は1月につき(Ⅰ)50単位・(Ⅱ)25単位。ハは定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と連携して行う訪問看護で2,961単位)、注9(特別地域訪問看護加算。大臣が定める地域に所在し届出をした事業所。イ・ロは1回につき・ハは1月につき100分の15)、注10(地域に所在し大臣が定める施設基準に適合し届出をした事業所。100分の10)、ニ 初回加算((Ⅰ)350単位・(Ⅱ)300単位。1月につき。(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定しない)、ホ 退院時共同指導加算の注(ニの初回加算を算定する場合は算定しない)、注11(大臣が定める地域に居住する利用者へ通常の事業の実施地域を越えて訪問。100分の5)、注14(専門管理加算。緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門ケア及び人工膀胱ケアの専門の研修を受けた看護師はイ250単位、特定行為研修を修了した看護師はロ250単位。1月に1回に限る)、注16(遠隔死亡診断補助加算。情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が主治の医師の指示で死亡診断の補助を行った場合、死亡月につき150単位))(確認日 2026-10-26)