運営 / 更新 2026-11-03

訪問リハビリテーションの運営指導で確認される書類:厚生労働省の確認項目と確認文書

訪問リハビリテーションの運営指導では、厚生労働省が定めた「確認項目」に沿って確認され、書類は「確認文書」に挙げられたものが中心になります。訪問リハビリテーション計画、医療機関が作成するリハビリテーション実施計画書、アセスメントとモニタリングの記録を中心に、項目と確認文書を原文で一覧にし、指導の前に自分で点検する手順をまとめます。

確認項目と確認文書の位置づけ

厚生労働省の運営指導マニュアルの別添「確認項目及び確認文書」は、サービスの種類ごとに、運営指導で確認する項目と、それを確かめるための文書の例を示しています。この記事は、そのうち訪問リハビリテーションの項(資料内11〜14ページ)を整理したものです。

別添の「はじめに」は、確認文書として複数例示されているものは、その1つの確認で目的が達成されるなら複数を求めなくてよいと示しています。また、確認文書として例示されていても運営基準には明記されていないものは、提出がなくても基準違反にはならないとも書いています。

この記事で決めること

訪問リハビリテーション事業所の運営指導を前に、行政が確認する項目と、用意する書類を、厚生労働省の標準の確認項目・確認文書の原文で点検したい事業者向け。訪問リハビリテーションを開業する事業者が、運営指導の準備の見通しを持つ場面も含む。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、訪問リハビリテーションの運営指導の点検表(1枚):第76条から第82条までと共通の確認項目ごとに、確認文書の名前、置き場所、利用者ごとの訪問リハビリテーション計画と医療機関作成のリハビリテーション実施計画書の最新の状態、不足の有無を作成できる状態を目指します。

個別サービスの質に関する事項:計画・アセスメント・提供記録の書類

別添の訪問リハビリテーションの項は、確認項目を2つの区分に分けています。1つ目の「個別サービスの質に関する事項」には、内容及び手続の説明及び同意(第8条)、心身の状況等の把握(第13条)、居宅介護支援事業者等との連携(第64条)、居宅サービス計画に沿ったサービスの提供(第16条)、サービスの提供の記録(第19条)、指定訪問リハビリテーションの具体的取扱方針(第80条)、訪問リハビリテーション計画の作成(第81条)が並びます。

訪問介護の項と比べると、計画の作成の確認文書に、医療機関が作成するリハビリテーション実施計画書が入っていることが目立ちます。確認項目にも「入院中に受けていたリハビリテーションの内容を把握しているか」があり、医療機関から引き継いだ内容を事業所の計画へつなげているかが見られると読めます(この読み方は別添の記載ではなく、この記事の整理です)。

訪問リハビリテーションの確認項目と確認文書(個別サービスの質から主なもの、別添の原文から)
確認項目(条項)確認文書
内容及び手続の説明及び同意(第8条)重要事項説明書(利用申込者または家族の同意があったことがわかるもの)、利用契約書
心身の状況等の把握(第13条)サービス担当者会議の記録
居宅介護支援事業者等との連携(第64条)サービス担当者会議の記録
居宅サービス計画に沿ったサービスの提供(第16条)居宅サービス計画、訪問リハビリテーション計画
サービスの提供の記録(第19条)居宅サービス計画、サービス提供記録。確認項目は、提供日と内容、利用者に代わって支払いを受ける費用の額などの記載、具体的なサービス内容の記録
指定訪問リハビリテーションの具体的取扱方針(第80条)身体的拘束等の記録(身体的拘束等がある場合)
訪問リハビリテーション計画の作成(第81条)居宅サービス計画、訪問リハビリテーション計画(利用者または家族の同意があったことがわかるもの)、リハビリテーション実施計画書(医療機関作成)、アセスメントの結果がわかるもの、モニタリングの結果がわかるもの

取扱方針と計画の確認項目:身体的拘束等から計画の変更まで

第80条の確認項目は、緊急やむを得ない場合を除いて身体的拘束等を行っていないか、行う場合に切迫性・非代替性・一時性の要件を全て満たしているか、態様と時間、利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録しているか、の3つです。

第81条の確認項目は、利用者の病状、心身の状況、希望、置かれている環境を踏まえているか、入院中に受けていたリハビリテーションの内容を把握しているか、サービスの目標と具体的なサービスの内容等を記載しているか、の順です。続いて、居宅サービス計画に基づいて計画が立てられているか、利用者またはその家族への説明・同意・交付が行われているか、計画作成後に実施状況を把握して必要に応じて計画を変更しているか、という項目です。

体制に関する事項:員数・運営規程・研修・委員会の書類

2つ目の区分は「個別サービスの質を確保するための体制に関する事項」です。従業者の員数(第76条)、受給資格等の確認(第11条)、利用料等の受領(第78条)、運営規程(第82条)、勤務体制の確保等(第30条)、業務継続計画の策定等(第30条の2)、衛生管理等(第31条)、秘密保持等(第33条)、苦情処理(第36条)、事故発生時の対応(第37条)、虐待の防止(第37条の2)が並びます。表の条項は、別添が指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準から抽出したものと注記している番号です。

訪問看護の項に並ぶ管理者、緊急時等の対応、広告の行は、訪問リハビリテーションの項には見当たりません。ただし、これは別添の確認項目に並ばないという意味で、運営基準の義務がないという意味ではありません。

訪問リハビリテーションの確認項目と確認文書(体制に関する事項から主なもの、別添の原文から)
確認項目(条項)確認文書
従業者の員数(第76条)従業者の勤務体制及び勤務実績がわかるもの(例:勤務体制一覧表、勤務実績表)、勤怠状況がわかるもの(例:タイムカード、勤怠管理システム)、資格要件に合致していることがわかるもの(例:資格証の写し)
受給資格等の確認(第11条)介護保険番号、有効期限等を確認している記録等
利用料等の受領(第78条)請求書、領収書
運営規程(第82条)運営規程(事業の目的及び運営の方針、従業者の職種・員数及び職務の内容、営業日及び営業時間、指定訪問リハビリテーションの利用料及びその他の費用の額、通常の事業の実施地域、虐待の防止のための措置に関する事項、その他運営に関する重要事項の7項目)
勤務体制の確保等(第30条)従業者の勤務体制及び勤務実績がわかるもの、雇用の形態(常勤・非常勤)がわかるもの、研修の計画及び実績がわかるもの、職場におけるハラスメントによる就業環境悪化防止のための方針
業務継続計画の策定等(第30条の2)業務継続計画、研修の計画及び実績がわかるもの、訓練の計画及び実績がわかるもの
虐待の防止(第37条の2)虐待の防止のための対策を検討する委員会の開催状況及び結果がわかるもの、指針、研修の計画及び実績がわかるもの、担当者を置いていることがわかるもの

運営指導の前に、自分で点検する手順

別添の訪問リハビリテーションの項の確認項目を左の列に写し、右の列に確認文書の名前と事業所での置き場所を書いていきます。そのうえで、利用者ごとに居宅サービス計画、同意の日付と署名の入った訪問リハビリテーション計画、医療機関が作成したリハビリテーション実施計画書、アセスメントとモニタリングの結果が、直近の分まで揃っているかを1人ずつ見ます。

従業者は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士ごとに、資格証の写し、勤務体制一覧表、勤怠の記録を照らします。運営規程は7項目が揃っているかを見直し、虐待の防止の委員会・指針・研修と、感染症対策、業務継続計画の訓練の記録は、日付がそろっているかを別に確かめておくと安心です。

足りない文書があるときは、運営基準に書かれている文書から先に整える進め方が、別添の「はじめに」の趣旨に合います。この順番は別添に書かれた手順ではなく、この記事の整理です。訪問介護の運営指導の確認文書は別の記事の運営指導の確認項目チェックリストにまとめています。

この記事で確認した範囲と、次に確かめること

2026年11月3日に、厚生労働省の運営指導マニュアルの別添PDFの訪問リハビリテーションの項で、項目と文書名を原文で確認しました。別添のPDFの本文に作成日・改訂日の表記は見当たりませんでした。この記事の表に載せたのは、原文で確かめた主な行だけで、衛生管理等、秘密保持等、苦情処理、事故発生時の対応の行は載せていません。

自治体が独自に求める書類や様式、運営指導の通知から当日までの日程は、この記事では扱っていません。実際に求められる書類は、事業所のある都道府県・市町村の案内で確かめてください。個別の運営基準違反の有無を、この記事で判断することはできません。

次に知りたいことは、訪問リハビリテーションの人員・設備の条件は訪問リハビリテーションの指定基準、基本報酬の単位は訪問リハビリテーションの基本報酬、開業後の収支の見通しは訪問リハビリテーションの事業計画で確かめられます。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 別添(訪問リハビリテーション)の確認項目を左の列に写し、右に確認文書の名前を並べて、置き場所を書く
  2. 利用者ごとに、居宅サービス計画、同意の署名と日付入りの訪問リハビリテーション計画、医療機関が作成したリハビリテーション実施計画書、アセスメントとモニタリングの結果、サービス提供記録が揃っているかを確かめて表に書く
  3. 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士ごとに、資格証の写し、勤務体制一覧表、勤怠の記録の直近の分を確かめ、運営規程の7項目が揃っているかを見直す
  4. 身体的拘束等の記録、研修の計画と実績、感染症と虐待防止の委員会・指針・研修の記録、業務継続計画の訓練記録のうち不足しているものから先に整え、整えた日と担当者を表に残す

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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