運営 / 更新 2026-10-19
訪問介護員の自転車移動と青切符:反則金の額と事業所の周知事項(令和8年4月施行)
令和8年4月1日から、16歳以上の自転車の運転者が、交通反則通告制度(いわゆる青切符)の対象になりました。訪問介護員が自転車で利用者宅を回る事業所は、反則金の額と対象になる行為を、訪問介護員に周知しておくことになります。このページは、警察庁が公表している制度の概要と反則金の額、事業所が決めておく点を整理します。
青切符とは:令和8年4月1日に施行された制度
警察庁は、令和8年4月1日に、道路交通法の一部を改正する法律(令和6年法律第34号)のうち、16歳以上の自転車の運転者を交通反則通告制度の対象とする規定が施行されたと案内しています。自転車は道路交通法では軽車両で、「車のなかま」と位置づけられています。
交通反則通告制度は、運転者が一定の道路交通法違反(比較的軽微で、現認でき、明白で、定型的なもの)をした場合に、反則者が警察本部長の通告を受けて反則金を納付すれば、公訴を提起されない制度です。16歳未満は引き続きこの制度の対象にならず、個別の事案の実情に応じた違反処理となります。
この記事で決めること
自転車で利用者宅を訪問する訪問介護員がいる事業所の運営者が、令和8年4月1日施行の青切符の対象と主な反則金の額、取締りの考え方を警察庁の資料で確かめ、訪問介護員への周知と取り決めの項目を整理するための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、自転車での訪問の取り決めメモ(自転車で訪問する訪問介護員の一覧、使用の可否、周知した交通ルール、ヘルメットの扱い、反則金を受けたときの報告先と負担の取り決め)を作成できる状態を目指します。
主な反則金の額:携帯電話の保持は12,000円
警察庁の「自転車をはじめとする軽車両の反則行為と反則金の額」では、携帯電話使用等(保持)が12,000円と最も高い額です。信号無視は6,000円で、点滅信号を無視した場合は5,000円です。
6,000円の行為には、通行区分違反、踏切不停止等、交差点安全進行義務違反、横断歩行者等妨害等、安全運転義務違反が含まれます。指定場所一時不停止等と無灯火は5,000円、並進禁止違反と交差点右左折方法違反は3,000円です。
遮断踏切立入りは7,000円です。速度超過は、超過速度に応じて6,000円から12,000円の幅があります。ほかの行為の額は、警察庁の一覧で確認してください。
取締りの考え方:危険な運転と、警告に従わない場合が対象
警察庁が示す取締りの基本的な考え方では、交通事故に直結する危険な運転と、警察官の警告に従わずに違反を続けた場合のような悪質・危険な行為が、取締りの対象になります。単に歩道を通行しているといった違反は、これまでと同様に通常は指導警告で、青切符の導入後も基本的に取締りの対象にならないとされています。
ただし、スピードを出して歩道を通行して歩行者を驚かせ立ち止まらせた場合や、警察官の警告に従わず歩道通行を続けた場合には、取締りを受けることがあります。歩道を通行できるのは、道路標識で認められているとき、13歳未満か70歳以上などのとき、通行の安全を確保するためにやむを得ないと認められるときです。
訪問介護事業所が決めておく点
自転車で訪問する訪問介護員がいる事業所は、訪問時の移動で自転車を使ってよいか、使う場合の交通ルールをどう周知するかを決めておくと整理しやすくなります。反則金は、反則者である運転者本人に通告される制度です。事業所が負担するか、本人が負担するかは、警察庁の資料には書かれていないため、事業所の就業規則や取り決めで確認します。
周知する内容は、携帯電話を持ちながら運転しないこと、信号と一時停止を守ること、無灯火で走らないことなど、一覧に載る行為が中心です。訪問と訪問の間は時間が限られるため、急ぐことで違反が起きやすい点を、訪問と訪問の間の移動時間の組み方と合わせて見直します。
警察庁は、自転車に乗るときは乗車用ヘルメットを着用するよう呼びかけています。自転車の関連事故は令和7年中に67,470件で、死亡・重傷事故の相手方の約75%が自動車です。安全運転の教育は新入職員の安全教育の項目にも入れておきます。
自家用車を訪問に使う場合の取り決めはマイカーでの訪問で、利用者宅の前の駐車は訪問時の駐車で整理しています。事業所が車を使う場合の安全運転管理者は安全運転管理者で扱っています。
この記事で確認した範囲
警察庁の自転車の交通ルールのページ、「自転車をはじめとする軽車両の反則行為と反則金の額」の一覧、青切符導入後の取締りの基本的な考え方の資料を、2026-10-19に確認しました。一覧に載るすべての行為と額、反則金を納めなかった場合の手続き、事業所が負担した反則金の税務や労務上の扱いは確認しておらず、扱っていません。
個別の違反が反則行為に当たるか、取締りの対象になるかは、警察の判断によります。判断に迷う場合は、警察の相談窓口や管轄の警察署に確認してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 訪問介護員ごとに、訪問の移動で自転車を使っているかを確かめ、自転車で回る利用者宅の範囲と、訪問と訪問の間の移動時間を一覧にする
- 警察庁の反則行為と反則金の額の一覧から、携帯電話の保持、信号無視、一時不停止、無灯火など、訪問中に起こりやすい行為を選び、訪問介護員に周知する
- 乗車用ヘルメットの着用、移動時間に余裕を持たせた訪問の組み方、違反や事故があったときの報告先を、就業規則や手順書に書く
- 反則金を受けたときの負担の取り決めは、税理士・社会保険労務士に確認したうえで、訪問介護員に書面で伝える
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 警察庁「自転車は車のなかま~自転車はルールを守って安全運転~」(確認日 2026-10-19)
- 警察庁「自転車をはじめとする軽車両の反則行為と反則金の額」(確認日 2026-10-19)
- 警察庁「青切符導入後の取締りの基本的な考え方等について(普通自転車の歩道通行について)」(確認日 2026-10-19)