運営 / 更新 2026-10-20

居宅サービス計画書(第1表〜第3表)の読み方:訪問介護事業所が確認する欄

訪問介護計画は、居宅サービス計画が作成されている場合、その内容に沿って作ります。ケアマネジャーから受け取る居宅サービス計画書は第1表から第7表まであり、訪問介護の事業所が計画を作る前に確かめるのは、おもに第1表〜第3表です。厚生労働省の記載要領をもとに、各表のどの欄を、何のために読むのかを整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

第1表〜第3表を読む理由:計画は「沿って作る」と決まっている

指定居宅サービス等基準第24条第2項は、訪問介護計画について、既に居宅サービス計画が作成されている場合は、その計画の内容に沿って作成しなければならないと定めています。サービス提供責任者は、居宅サービス計画の中身を読んだうえで、訪問介護計画を作る流れになります。

居宅サービス計画は、居宅介護支援の運営基準第13条第11号により、介護支援専門員が作成した際に利用者と担当者へ交付されます。同条第12号は、介護支援専門員が、計画に位置付けた事業者に対して訪問介護計画等の提出を求めるものと定めています。ケアマネジャーとの間で、計画を受け取り、こちらの計画を返す往復が前提です。

様式の書き方は、厚生労働省の通知(平成11年11月12日老企第29号)の別紙1「居宅サービス計画書記載要領」にあります。この記事は、令和6年7月4日付の一部改正(令和7年4月施行)を載せた介護保険最新情報Vol.1286の本文で確認しました。

この記事で決めること

訪問介護事業所の管理者やサービス提供責任者が、ケアマネジャーから受け取る居宅サービス計画書の第1表〜第3表のうち、訪問介護計画を作る前に確認する欄(生活援助中心型の算定理由、総合的な援助の方針、目標と期間、サービス内容、週間サービス計画表)を、厚生労働省の記載要領で確かめるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、居宅サービス計画書の確認メモ(利用者ごとの第1表〜第3表の確認結果と、ケアマネジャーへの確認事項)を作成できる状態を目指します。

第1表:算定理由と総合的な援助の方針を読む

第1表の「生活援助中心型の算定理由」は、居宅サービス計画に生活援助中心型の訪問介護を位置付けるときに書く欄です。単身の世帯の利用者は「1.一人暮らし」、家族等と同居していて、その家族等の障害、疾病等の理由で利用者または家族等が家事を行うことが困難な場合は「2.家族等が障害、疾病等」に○を付けます。

家族等に障害や疾病がなくても、同様のやむをえない事情で家事が困難な場合は「3.その他」に○を付け、事情を簡潔に書きます。記載要領は、事情の例として、家族が高齢で筋力が低下していて行うのが難しい家事がある場合、家族が介護疲れで共倒れになるおそれがある場合、家族が仕事で不在の時に行わないと日常生活に支障がある場合を挙げています。生活援助の算定の考え方は訪問介護の生活援助中心型(ロ)を算定できる利用者の要件(単身世帯・家族等が家事困難)で確認できます。

「総合的な援助の方針」は、課題分析で出た「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」に対して、介護支援専門員をはじめ各サービスの担当者が、どのようなチームケアを行うのかを書く欄です。記載要領は、あらかじめ発生する可能性が高い緊急事態が想定されている場合、対応機関とその連絡先、どのような場合を緊急事態と考えるか、対応の方法を書くことが望ましいとしています。

訪問介護の事業所は、この欄に緊急時の連絡先や連携の方法が書かれていれば、訪問時に利用者の状態が急に変わったときの動きを決めやすくなります。書かれていない場合に、事業所の緊急時の連絡の取り方をケアマネジャーに尋ねておくと、後の手間が減ります。

「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」の欄は、利用者と家族の意向が異なる場合、それぞれの主訴を区別して書くと記載要領にあります。訪問時に、本人と家族で言うことが違うと感じたときは、この欄の書き方と照らして、ケアマネジャーへ共有できます。

第2表:訪問介護に当たる行の目標・期間・サービス内容

第2表は、課題ごとに、目標と援助内容を並べた表です。訪問介護の事業所は、サービス種別の欄に自分の事業所名が書かれた行を探し、その行の「生活全般の解決すべき課題」「長期目標・短期目標とその期間」「サービス内容」「頻度」「期間」を読みます。

次の表は、記載要領が各欄に求めていることと、訪問介護の事業所が確認する点を並べたものです。右の列は、記載要領をもとに当サイトが整理した確認点です。

第2表の主な欄と、訪問介護の事業所が確認する点
欄記載要領が求めていること訪問介護の事業所が確認する点
生活全般の解決すべき課題(ニーズ)優先度の高いものから順に書く。利用者自身の力で取り組めること、家族や地域の協力でできること、ケアチームが支援することを整理する訪問介護が担う部分が、課題のどの部分に当たるか
長期目標・短期目標と期間抽象的な言葉ではなく、誰にも分かりやすい具体的な内容で書く。期間は原則として開始時期と終了時期を書き、認定の有効期間も考慮する訪問介護計画の目標が、短期目標と食い違っていないか。期間の終わりが、見直しの時期になる
サービス内容短期目標の達成に必要なサービスの内容と方針を書く。家族等による援助や、保険給付の対象外のサービスも明記する訪問介護の行為と、家族や他のサービスが担う部分の分担
サービス種別サービスを行う事業所名を書く。家族が担う介護部分は、誰が行うのかを明記する自分の事業所の名前と、サービスの種類が合っているか
頻度・期間サービス内容のサービスを、どの程度の頻度(回数、実施曜日等)で、どの期間にわたり実施するか訪問の回数や曜日が、第3表と合っているか

第2表の注意:回数の多い訪問介護と、保険給付の区分

記載要領は、居宅サービス計画に厚生労働大臣が定める回数以上の訪問介護を位置付ける場合、その利用の妥当性を検討し、計画に訪問介護が必要な理由を記載することを求めています。その理由は、第2表のサービス内容の欄に書いて差し支えないとされています。生活援助中心型の回数の基準と届出は、訪問介護(生活援助中心型)の回数基準とケアプラン届出で扱っています。

第2表には「保険給付対象かどうか」の区分の欄もあり、保険給付の対象内のサービスに○を付けます。居宅介護支援の運営基準第13条第10号は、介護支援専門員が、保険給付の対象になるかどうかを区分したうえで、原案の内容を利用者や家族に説明することを定めています。訪問介護の事業所は、自分の行の○の有無を見て、保険外のサービスとの境目を確かめます。

第3表:週の予定を、保険給付の内外を問わず並べる

第3表の週間サービス計画表は、第2表の援助内容に書いたサービスを、保険給付の内外を問わず書く表です。記載要領は、第2表の頻度と合っているかに留意することを求めています。訪問介護の曜日と時間帯が、他のサービスや家族の支援とどう並んでいるかを、1枚で見られます。

「主な日常生活上の活動」の欄には、起床や就寝、食事、排泄などの平均的な一日の過ごし方を書きます。記載要領は、食事の例として朝食・昼食・夕食、その他の例として入浴、清拭、洗面、口腔清掃、整容、更衣、水分補給、体位変換、家族の来訪や支援を挙げ、家族の支援や利用者のセルフケアを含む生活全体の流れが見えるように書くとしています。

「週単位以外のサービス」には、各月に利用する短期入所等、福祉用具、住宅改修、医療機関等への受診状況や通院状況などを書きます。訪問介護の予定を決めるとき、通院の日や短期入所の月と重ならないかを、この欄で確かめられます。

食い違いを見つけたとき、受け取ったあとの動き

第2表の頻度と第3表の曜日が合っていない、第1表の算定理由と訪問介護計画の内容が合っていないなど、食い違いを見つけたときは、まずケアマネジャーへ確認するのが基本です。居宅サービス計画を作る・変更するのは介護支援専門員で、居宅介護支援の運営基準第13条第13号が、計画の実施状況の把握と変更、事業者との連絡調整を介護支援専門員の役割としているためです。確認した日と回答を記録に残しておくと、後から経緯を追えます。

確認が済んだら、訪問介護計画を作り、利用者に説明して同意を得て交付します。この流れは訪問介護計画の作成・変更サイクルと記載事項で、サービス担当者会議での動きはサービス担当者会議で訪問介護事業所がすること:状況の把握・訪問介護計画の提出・変更の連絡で確認できます。毎月のサービス提供票(第6表・第7表)との突き合わせは訪問介護のサービス提供票の月次手順:ケアマネから受け取り、実績と突き合わせて請求へにあります。

この記事は、様式の記載要領と省令の条文だけで書いています。個別の利用者の計画が適切かどうかの判断は、担当のケアマネジャーと指定権者の運用に従ってください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 第1表で、生活援助中心型の算定理由と総合的な援助の方針(緊急時の連絡先を含む)を確かめる
  2. 第2表で、訪問介護に当たる行の目標・期間・サービス内容・頻度を書き写し、訪問介護計画の目標と食い違わないか照らす
  3. 第3表で、訪問介護の曜日と時間帯を、他のサービスや家族の支援と並べて確かめる
  4. 不明な点や食い違いを書き出し、ケアマネジャーへ確認した日と回答を記録する

関連ガイドで計画をつなぐ

隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。

よくある質問

迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。

居宅サービス計画書の第1表で、訪問介護事業所が確かめる欄はどこですか?

生活援助中心型を位置付けるときの算定理由(一人暮らし・家族等が障害、疾病等・その他)と、総合的な援助の方針です。援助の方針には、緊急事態が想定される場合の対応機関や連絡先を書くことが望ましいと、厚生労働省の記載要領にあります。

第2表の「サービス内容」と「頻度」は、訪問介護計画とどう関わりますか?

訪問介護計画は、居宅サービス計画が作成されている場合はその内容に沿って作成しなければなりません(居宅サービス等基準第24条第2項)。第2表の訪問介護の行の目標・サービス内容・頻度・期間を書き写し、訪問介護計画と食い違いがないかを照らします。

ケアプランは事業所にどのように届きますか?

居宅介護支援の運営基準第13条は、介護支援専門員が居宅サービス計画を作成した際に、利用者と担当者へ交付することを定めています。あわせて、位置付けた事業者に訪問介護計画等の提出を求めるものとしています。届いたら第1表〜第3表を確認し、不明な点はケアマネジャーへ尋ねます。

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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