事業計画 / 更新 2026-10-24

居宅介護支援事業所の収入の見積もり方:取扱件数45件未満は要介護1・2で1,086単位

居宅介護支援事業所の月の収入は、介護支援専門員1人当たりの取扱件数と、利用者の要介護度から決まる基本報酬の単位数に、1単位の単価を掛けて見積もります。この記事は、告示で確かめた単位数と数え方を使った見積もりの式と数値例を示し、費用側で自社の数字を入れる項目を整理します。費用の平均値や収支差率は扱いません。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

月の収入の式:利用者数×要介護度別の単位数×1単位の単価

居宅介護支援費は1月につき算定します(平成12年厚生省告示第20号の別表)。取扱件数が45未満のとき、居宅介護支援費(Ⅰ)は要介護1・2が1,086単位、要介護3〜5が1,411単位です。見積もりの式は、要介護1・2の人数×1,086単位と、要介護3〜5の人数×1,411単位を足し、1単位の単価を掛けた額です。

1単位の単価は、平成27年厚生労働省告示第93号で、10円に事業所の所在する地域区分とサービス種類ごとの割合を掛けた額と定められています。割合は地域区分で違うので、予定する所在地の割合は告示の表で確かめます。

この記事で決めること

居宅介護支援事業所の開業や併設を考える事業者が、基本報酬の単位数と取扱件数の区切りから月の収入を見積もる式と、費用側で自社の数字を入れる項目を知り、収支の見積もりの組み立て方を決める。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、居宅介護支援事業所の月の収支見積もり表(介護支援専門員の常勤換算人数・利用者数と取扱件数・要介護1・2と3〜5の人数・基本報酬の単位数の合計・1単位の単価・月の基本報酬額・加算の見込み・費用の項目ごとの自社の数字・差引・確かめた日)を作成できる状態を目指します。

数値例:1人で35件のとき(1単位を10円と置いた計算)

介護支援専門員が1人、介護予防支援の受託はなく、利用者が35人(要介護1・2が20人、要介護3〜5が15人)の例です。取扱件数は35で45未満なので、全員に45未満の単位数が当たります。

要介護1・2は20人×1,086単位=21,720単位、要介護3〜5は15人×1,411単位=21,165単位で、合計は42,885単位です。1単位を仮に10円とすると、月の基本報酬は428,850円です。これは式を確かめるための仮の数字で、実際の額は所在地の単価と利用者の構成で変わります。

加算は、この数字に入っていません。算定できる加算は、居宅介護支援の初回加算や特定事業所加算の条件を満たして初めて、別の行に足します。

取扱件数が増えたときの見方:45件で単位数が下がる

取扱件数は、1月当たりの利用者数に、介護予防支援の利用者数の3分の1を加えた数を、介護支援専門員の員数(常勤換算)で割った数です。45以上になると、45以上60未満の部分は要介護1・2が544単位、要介護3〜5が704単位に下がります。(Ⅱ)を算定できる事業所の区切りは50件です。

45件以上のとき、どの利用者の分が下がる部分に当たるかの割り振りは、算定の通知で確かめる事項で、この記事では確認していません。見積もりでは、まず1人当たりの件数が45未満に収まる人数で組むのが確かめやすい方法です。詳しい単位数は居宅介護支援費の単位数にあります。

報酬の入り方:市町村が支給し、事業者へ代わりに支払う

介護保険法第46条は、市町村が居宅介護サービス計画費を支給すると定めています。利用者が事前に届け出ている場合は、市町村が利用者に代わって事業者に支払うことができます(同条第4項)。市町村は、請求を基準に照らして審査したうえで支払います(同条第6項)。

請求から入金までは月単位でずれるので、開業直後の数か月は、利用者が少ない時期の費用を自己資金で支える計画にします。請求の細部は、国民健康保険団体連合会や指定権者に確かめます。

費用側で自社の数字を入れる項目

費用は、人件費(介護支援専門員と管理者の給与、社会保険料)、事務所の家賃、通信費、訪問に使う車両の費用、研修費、事務の費用、システムの費用に分けて書きます。この記事は費用の平均値を示さないので、求人条件と見積書で確かめた自社の数字を入れます。

収入の計算に使う人数と、基準を満たす人数が合っているかは、居宅介護支援の人員基準と並べて確かめます。訪問介護で人件費を収入と比べる考え方は訪問介護の人件費率にあります。

この記事で確認した範囲

単位数と取扱件数の数え方は、平成12年厚生省告示第20号の別表を厚生労働省の法令データで2026年10月19日に確認した内容、1単位の単価は平成27年厚生労働省告示第93号と介護保険法第46条を2026年10月24日に確認した内容です。

地域区分ごとの割合の値、45件以上のときの割り振り、加算の収入、費用の平均値、利用者負担の有無を含む請求の細部は確認しておらず、扱っていません。個別の事業所の収支は、自社の数字と指定権者への確認で決めてください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 予定する介護支援専門員の常勤換算人数と、1月の利用者数(要介護1・2と要介護3〜5に分ける)、介護予防支援を受託するならその利用者数を書き、告示の数え方(介護予防支援は3分の1)で1人当たりの取扱件数を計算して、45件未満かを確かめる
  2. 要介護1・2の人数に1,086単位、要介護3〜5の人数に1,411単位を掛けて合計し、予定する所在地の1単位の単価(10円に地域区分とサービス種類ごとの割合を掛けた額)を掛けて、月の基本報酬額を出す
  3. 初回加算や特定事業所加算など、算定できる見込みのある加算は、基本報酬とは別の行に書く。算定の条件を満たす体制と書類が整うまでは、見込みに入れるかを別に決める
  4. 費用は、人件費(給与・社会保険料)、事務所の家賃、通信、車両、研修、事務、システムの項目に分け、見積書や求人条件で確かめた自社の数字を入れる。利用者の紹介が増える時期までの月の赤字額も計算して、運転資金に反映する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

次に読む: 居宅介護支援費の単位数:取扱件数45・50・60件の区切りと要介護度別 →