事業計画 / 更新 2026-10-17
訪問介護の事業計画に使う介護職員の必要数の将来推計(2040年度約272万人・都道府県別)
介護職員の必要数は、2022年度の約215万人から、2026年度に約240万人、2040年度に約272万人へ増える推計です。厚生労働省が令和6年7月12日に公表した「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(別紙1・3・5)を2026年10月17日に確認し、全国の数字と都道府県別の違いを整理しました。この数は介護保険の全サービスの介護職員の必要数で、訪問介護員だけの数ではありません。
全国の必要数:2022年度の約215万人から2040年度の約272万人へ
必要数は、2026年度に約240万人、2040年度に約272万人です。厚生労働省は、第9期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づいて都道府県が推計した数を集計し、2026年度は2022年度比で約25万人増(年6.3万人)、2040年度は同約57万人増(年3.2万人)と公表しています。2022年度の約215万人は、令和4年介護サービス施設・事業所調査の値です。
別紙3には、同じ数を常勤換算で表した参考値があります。実人員が215万人・240万人・272万人のとき、常勤換算の従事者数は163万人・182万人・206万人です。常勤換算は、常勤の専従職員の数に、兼務している人や非常勤の人の1週間の勤務時間を、常勤の人が勤務すべき1週間の時間で割った数を足したものです。
| 年度 | 実人員 | 常勤換算従事者数 |
|---|---|---|
| 2022年度(令和4年度) | 215 | 163 |
| 2026年度(令和8年度) | 240 | 182 |
| 2040年度(令和22年度) | 272 | 206 |
この記事で決めること
訪問介護の人員計画を立てる人が、厚生労働省が公表した第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数(2026年度・2040年度、都道府県別)と、現状推移を見込んだ人数との差を確かめ、採用計画の背景に使うための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、候補の都道府県の介護職員の2022年度の人数・2040年度の必要数・現状推移を書き出し、倍率と差を計算した一覧を作成できる状態を目指します。
都道府県別:増え方は大きく違い、福井県では減る推計
別紙5には、47都道府県それぞれの2022年度の介護職員数、2026年度と2040年度の必要数、現状推移を見込んだ介護職員数が載っています。2022年度の値に対する2040年度の必要数の倍率は、沖縄県の1.57倍や埼玉県の1.45倍(栃木県の1.47倍も同程度)から、和歌山県の1.01倍、福井県の0.93倍まで開きがあります。
次の表は、人数の大きい東京都・大阪府・埼玉県・北海道と、倍率の両端に近い県を、別紙5から並べたものです。倍率は、この記事で別紙5の値から計算しました。
| 都道府県 | 2022年度の介護職員数 | 2040年度の必要数 | 2022年度に対する倍率 | 2040年度の現状推移 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 181,690 | 258,191 | 1.42 | 184,718 |
| 大阪府 | 193,974 | 235,210 | 1.21 | 173,333 |
| 埼玉県 | 98,862 | 143,812 | 1.45 | 113,029 |
| 北海道 | 100,523 | 129,055 | 1.28 | 72,998 |
| 沖縄県 | 21,518 | 33,786 | 1.57 | 22,727 |
| 秋田県 | 22,878 | 23,786 | 1.04 | 19,102 |
| 和歌山県 | 23,992 | 24,259 | 1.01 | 20,996 |
| 福井県 | 13,693 | 12,802 | 0.93 | 12,874 |
現状推移との差:新たな施策を含まない推計と比べる
別紙5の「現状推移を見込んだ介護職員数」は、近年の入職・離職の動向などから推計した人数で、令和6年度以降に追加で取り組む新たな施策の効果は基本的に含まれていません。47都道府県の数字を足し合わせると、2040年度の必要数は約272万人、現状推移は約211万人で、差は約62万人です。この差は、この記事で別紙5の値から計算したもので、厚生労働省が不足数として公表した数字ではありません。
差の大きさは都道府県で違います。東京都は必要数258,191人に対し現状推移184,718人で差は約7.3万人、北海道は129,055人に対し72,998人で差は約5.6万人、大阪府は約6.2万人です。福井県は必要数12,802人に対して現状推移が12,874人で、差はほぼありません。
石川県の数値は、能登半島地震の発生前の介護サービス見込み量を用いた推計だと、別紙5の注に書かれています。
読み方:訪問介護員の必要数ではなく、採用の難しさの予測でもない
この必要数は、介護保険給付の対象となる介護サービス事業所・介護保険施設で働く介護職員の必要数に、従前の介護予防訪問介護等に相当するサービスの介護職員を加えたものです。通所介護や施設の介護職員も含み、訪問介護員だけの数は公表されていません。訪問介護員の人手不足と離職・採用の実際の数字は、「訪問介護員の人手不足と離職・採用の実態:令和7年度介護労働実態調査の数値」で確認できます。
必要数は、市町村が第9期介護保険事業計画に位置づけたサービス見込み量に基づく推計です。サービスの利用が見込みどおりに増えるかどうか、介護職員の配置の仕方がこれまでと同じかどうかは、数字の外にあります。地域ごとの採用のしやすさは、訪問介護の採用の見通し:15〜64歳人口の将来推計と75歳以上との比(都道府県別)の人口の見通しや、地域の求人の統計と合わせて見ます。
事業計画で確かめる手順
次の表は、この推計を人員計画の前提に使うときの手順の例です。制度が定めた手順ではなく、確認の順序の一例です。
| 手順 | 確認すること | 使う資料 |
|---|---|---|
| 1. 向きを見る | 候補の都道府県の2022年度の介護職員数・2040年度の必要数・現状推移を書き出し、倍率と差を計算する | 別紙5(都道府県別) |
| 2. 範囲を確かめる | この数が訪問介護員だけの数ではなく、全サービスの介護職員の数であることを記録に書く | 別紙1の注 |
| 3. 地域の実態で補う | 訪問介護員の求人倍率・離職・採用の実態と、通える範囲の人口の見通しを確かめる | 訪問介護員の人手不足と離職・採用の実態:令和7年度介護労働実態調査の数値 |
| 4. 人員計画へ反映 | 確かめた向きを、必要人数と採用の時期・費用の前提に記録する | 訪問介護の人員計画と採用シナリオ |
次に読む記事
需要の側の見通しは、訪問介護の商圏の75歳以上人口の将来推計:都道府県別の2040年指数と市区町村の差で同じ事業計画の前提として整理しています。
採用と人員の組み立ては、訪問介護の人員計画と採用シナリオで扱っています。
外国人材を採用する場合の条件は、外国人介護人材の訪問介護への従事:技能実習・特定技能の要件と事業所が整える体制で確認できます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 厚生労働省の別紙5(都道府県別)から、候補の都道府県の2022年度の介護職員数、2040年度の必要数、現状推移を見込んだ介護職員数を書き写す
- 2022年度に対する2040年度の必要数の倍率と、必要数と現状推移の差を計算し、全国の倍率(約215万人から約272万人)と並べる
- この数が訪問介護員だけの数ではなく、全サービスの介護職員の数であることを記録に書き、訪問介護員の求人や離職・採用の実態を地域の統計や調査で確かめる
- 倍率と現状推移との差を、採用を始める時期と採用費の見積りの前提として人員計画に書き残す
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隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
介護職員は、2040年度にどのくらい必要になりますか?
厚生労働省が令和6年7月12日に公表した推計では、都道府県が第9期介護保険事業計画のサービス見込み量等に基づいて推計した介護職員の必要数を集計すると、2026年度に約240万人、2040年度に約272万人です。2022年度の約215万人と比べて、2040年度は約57万人多い数です。
この必要数は、訪問介護員の人数のことですか?
いいえ。介護保険給付の対象となる介護サービス事業所・介護保険施設の介護職員に、従前の介護予防訪問介護等に相当するサービスの介護職員を加えた数で、通所介護や施設の介護職員も含みます。訪問介護員だけの必要数は、この資料では公表されていません。
都道府県によって、必要数の増え方は違いますか?
別紙5の値で、2022年度に対する2040年度の必要数の倍率を計算すると、沖縄県は1.57倍、埼玉県は1.45倍、東京都は1.42倍、和歌山県は1.01倍、福井県は0.93倍と、道府県によって大きく違います。都道府県によって水準も増え方も違うため、候補地の数字を別紙5で確かめます。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について(令和6年7月12日公表・別紙1・3・5)」(確認日 2026-10-17)