運営 / 更新 2026-10-27

訪問介護の介護従事者処遇改善補助金:令和7年12月〜令和8年5月分の交付率26.4%

訪問介護の介護従事者処遇改善補助金は、令和7年12月〜令和8年5月分の賃上げ相当額を、基準月の介護総報酬にサービスごとの交付率を掛けた額で支給する、都道府県が実施する補助金です。厚生労働省の令和7年度補正予算案の資料と岩手県の説明資料を原文で確かめ、訪問介護の交付率、受けられる事業者の条件、賃金改善への充て方を整理します。申請の期限や様式は都道府県ごとに異なるため、各県の案内で確認が必要です。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

結論:訪問介護の交付率は3つの支援の合計で26.4%(岩手県の説明資料の例)

厚生労働省の資料は、介護従事者への幅広い賃上げ支援を月1.0万円、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員への上乗せを月0.5万円、職場環境改善の支援を介護職員の0.4万円の賃上げ相当(人件費に充てた場合)としています。対象期間は令和7年12月〜令和8年5月の賃上げ相当額です。

実際の支給額は、人数に月額を掛けるのではなく、サービスごとに設定された交付率を事業所の総報酬に掛けて決まります。岩手県の説明資料は、訪問介護の例として、補助率(①+②+③)26.4%のうち、①が15.6%、②が6.0%、③が4.8%と示しています。

訪問介護の3つの支援と配分先(岩手県の説明資料の例)
支援国の資料の月額の目安訪問介護の交付率配分先
①介護従事者への幅広い賃上げ支援1.0万円15.6%介護従事者(介護職員を含む)
②生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員への上乗せ0.5万円6.0%介護職員(介護職員以外の職種への配分も可)
③職場環境改善に取り組む事業者への支援0.4万円相当(人件費に充てた場合)4.8%介護職員(介護職員以外の職種への配分も可)、または職場環境改善の経費

この記事で決めること

訪問介護事業所の運営者・サービス提供責任者が、令和7年12月〜令和8年5月分の介護従事者処遇改善補助金の対象・金額の決まり方・賃金改善への充て方を、国と都道府県の資料で確かめるための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、補助金の受給と賃金改善の確認表(受ける支援の区分①〜③、基準月の介護総報酬、交付率から見込む額、職員への配分先、実績報告の期限と提出日)を作成できる状態を目指します。

受けられる事業者の条件:加算の取得が土台で、②③には追加の条件がある

国の資料によると、①は処遇改善加算の対象サービスについては加算を取得している事業者が対象です。訪問介護は加算の対象サービスです。

②は、処遇改善加算の取得に加えて、訪問・通所サービス等はケアプランデータ連携システムに加入(または加入の見込み)などが条件です。③は、処遇改善加算を取得したうえで、職場環境等要件の更なる充足に向けて職場環境の改善を計画して実施する事業者で、要件は令和6年度補正予算の「介護人材確保・職場環境改善等事業」と同様とされています。

手続きの流れは、事業所が計画書などを提出して申請し、交付決定を受けて補助金が交付され、事業の実施後に実績報告書を提出する形です。補助率は10/10で、国が都道府県に全額を支給する仕組みです。ケアプランデータ連携システムへの加入手順は、訪問介護のケアプランデータ連携システムで整理しています。

金額の決まり方:基準月の介護総報酬に交付率を掛ける

岩手県の説明資料は、被保険者ごとの補助額を「基準月の介護総報酬(a)×交付率(b)」で算出し、事業所ごとに合計するとしています。基準月は原則として12月で、算定は同県の国民健康保険団体連合会が自動で計算するとされています。

基準月の介護総報酬は、基準月の介護報酬総単位数(基本報酬に各種加算減算を加えた単位数)に1単位の単価を乗じたものです。たとえば基準月の介護総報酬が100万円なら、①の15.6%で15.6万円、①〜③をすべて受けるときは26.4%で26.4万円になります。100万円は説明のための仮の数字で、実際の額は請求の実績と、受ける支援の組み合わせで決まります。

賃金改善への充て方と期限:実績報告の期限までに行う

岩手県の説明資料のよくある質問は、補助額による賃金改善や職場環境改善を、令和7年12月から県が定める実績報告の提出期限までの間に行う必要があると答えています。実績報告の期限は都道府県が定めるため、事業所の所在地の県の案内で確かめてください。

同じ資料は、訪問介護の例で、①の分は介護従事者(介護職員を含む)へ、②の分は介護職員へ(介護職員以外の職種への配分も可)、③の分は介護職員へ(同じく配分も可)支給するか、職場環境改善の経費に充てると説明しています。賃金改善経費の対象は、介護従事者の賃金(基本給、手当、賞与等)に係る経費です。

加算の賃金改善の配分の考え方は、処遇改善加算の賃金改善の配分で整理しています。

令和8年度の報酬改定の資料との違い:月額の上乗せが0.5万円と0.7万円で異なる

厚生労働省の令和8年度介護報酬改定の資料は、介護従事者を対象に幅広く月1.0万円(3.3%)の賃上げを実現する措置と、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員への月0.7万円(2.4%)の上乗せ措置を示しています。処遇改善加算の対象を介護職員のみから介護従事者に拡大する(加算率の引上げ)ともしています。

補助金の上乗せは0.5万円、報酬改定の資料の上乗せは0.7万円と、数字が異なります。補助金は令和7年12月〜令和8年5月分の賃上げ相当額を支給するもので、加算の区分と加算率は訪問介護の介護職員等処遇改善加算で整理しています。加算の実績報告は、処遇改善加算の実績報告書にあります。

この記事で確認した範囲

この記事は、厚生労働省の令和7年度補正予算案の資料(医療・介護等支援パッケージ)と、岩手県の説明資料を読んで書いています。国の資料は補正予算案の段階のものです。交付率は岩手県の資料に載っている訪問介護の例で、他の都道府県の申請期限や様式は確認していません。

個々の事業所が補助を受けられるか、いくら受けられるかの判断は扱いません。所在地の都道府県の介護保険担当窓口で確認してください。

次に知りたいこと:同じ補正予算の移動経費などの補助

同じ令和7年度補正予算案には、訪問・送迎の移動の経費などに1事業所あたり20〜50万円を上限に補助するサービス継続支援事業もあります。訪問介護のサービス継続支援事業で、国の資料と青森県の別紙をもとに整理しています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 処遇改善加算の取得状況と、ケアプランデータ連携システムへの加入(見込みを含む)の有無を確かめ、①〜③のうち受ける支援の区分を決める
  2. 基準月(原則12月)の介護総報酬に、受ける区分の交付率を掛けて、補助額の見込みを出す
  3. 補助額を、基本給・手当・賞与などの賃金改善に充てる計画を、配分先(介護従事者・介護職員)ごとに立てる
  4. 所在地の都道府県が定める実績報告の期限を確かめ、期限までに賃金改善を実施して報告し、提出日を記録する

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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