運営 / 更新 2026-10-14

処遇改善加算の実績報告書(別紙様式3):期限・誓約事項の報告・保存(令和8年度)

介護職員等処遇改善加算を算定した訪問介護事業所は、年度が終わったあとに、賃金改善の実績を実績報告書(別紙様式3-1・3-2)にまとめて都道府県等へ出します。厚生労働省の令和8年度の通知(老発0313第6号)が定める、提出の期限の数え方、令和8年度の特例で誓約した事項の報告、書類の保存期間、賃金改善が行われなかったときの扱いを整理します。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

処遇改善加算を算定する訪問介護事業所の管理者が、年度末に出す実績報告書の提出期限と、令和8年度に誓約した事項の報告、保存の義務を、通知の記載で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、処遇改善加算の実績報告の準備表(年度の最後の支払月と提出期日、賃金改善の対象項目ごとの支給実績、誓約事項の整備状況、保存する根拠資料の一覧)を作成できる状態を目指します。

実績報告書は、算定した年度ごとに出す

通知は、処遇改善加算を算定した事業者は、大臣基準告示第4号イ(4)等に定める実績の報告を、別紙様式3-1と3-2で作って提出するとしています。計画書が年度の初めに出す書類なのに対し、実績報告書は、その年度に実際に賃金改善を行った結果を報告する書類です。

賃金改善の考え方は、加算の算定額に相当する賃金(基本給、手当、賞与等。退職手当を除く)の改善を実施することです。法定福利費などの事業主負担の増加分を含められる点も、通知に書かれています。実績報告書は、この改善を年度の中で実際にやったことを、根拠資料とともに示す場です。

提出の期限:最後の加算の支払があった月の翌々月の末日

通知は、実績報告書を、各事業年度における最終の加算の支払があった月の翌々月の末日までに、事業所の所在する都道府県知事等へ出すとしています。数え方の起点は、サービスを提供した月ではなく、年度の最後の加算が実際に支払われた月です。

通知は具体例として、令和8年度の実績報告書について、令和9年3月分の加算の支払が令和9年5月であることから、通常の場合は令和9年7月31日が期日になると書いています。この日付は通知が「通常の場合」として示すもので、実際の提出先や受付方法は、都道府県等の案内で確かめます。

計画書の期日(その年度で初めて算定する月の前々月の末日)と変更届出書の期日は、「訪問介護の介護職員等処遇改善加算 区分・算定要件・加算率と計画書・実績報告」と「処遇改善加算の変更届出書(別紙様式4)を出す6つの場合と期限(令和8年度・訪問介護)」にまとめています。

令和8年度の特例で誓約した事項は、実績報告書で報告する

令和8年度は、通知が定める特例要件を満たす事業所に限り、計画書の提出時にキャリアパス要件Ⅰ(任用と賃金体系の定め)、Ⅱ(研修の計画)、Ⅲ(昇給の仕組み)の整備を令和9年3月末までに行うと誓約すれば、申請の時点から要件を満たしているものとして扱われます。キャリアパス要件Ⅳ(年額440万円以上の職員)も、令和9年3月末までに賃金改善を行うと誓約する扱いがあります。

通知は、誓約した場合は令和9年3月末までに整備を行い、実績報告書でその旨を報告することを求めています。

キャリアパス要件のほかにも、職場環境等要件の取組など、令和8年度の特例として誓約と報告の扱いが通知に定められた事項があります。自分の事業所が計画書で何を誓約したかを、実績報告書を作る前に見直します。キャリアパス要件の中身は「訪問介護の処遇改善加算のキャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳ:任用・研修・昇給の仕組みと年額440万円」で確かめられます。

就業規則を改訂した変更(介護職員その他の職員の処遇に関する内容に限る。変更届出書の⑥)だけのときは、実績報告書を出す際にあわせて届け出ます。年度の途中で規程を直した場合は、実績報告書を出すときに変更届出書をつけ忘れないよう、日付と改訂の概要を手元に残しておきます。

根拠資料は2年間保存する。賃金改善が足りないと返還もある

通知は、実績報告書を根拠資料と併せて2年間保存するとしています。賃金台帳、給与明細、賃金改善の対象項目を定めた規程、周知の文書など、数字と取組の裏づけを、年度ごとにまとめて保管します。

通知の「処遇改善加算の停止」の節は、加算の算定額に相当する賃金改善が行われていない場合や、賃金水準を引き下げながら特別事情届出書を出していない場合に、都道府県知事等が、すでに支給された加算の一部または全部を不正受給として返還させることができる、としています。虚偽や不正の手段で加算を受けた場合も同じです。

どの程度の不足が返還の対象になるかは、通知からは読み取れず、個別の判断は都道府県等が行います。賃金水準を下げる必要が出た場合の届出は「訪問介護の処遇改善加算の賃金改善の配分:基本給・手当・一時金と職種間の偏り」にあります。

年度末までに、何を手元に揃えるか

1つ目は、計画書で特定した賃金改善の対象項目(基本給、手当、賞与など)ごとの、年度の支給実績です。2つ目は、令和8年度に誓約した事項の整備状況と、その日付が分かる規程や計画です。3つ目は、年度の途中で就業規則を改訂した場合の改訂の概要です。

複数の事業所を持つ事業者は、計画書や実績報告書を法人単位でまとめて作ってよいと通知にあります。ただし、提出は各事業所の指定権者ごとに、それぞれの期日までに行います。提出先の案内は都道府県等のページで確認してください。

この記事は、個別の事業所の実績が要件を満たすかどうかの判断を請け負うものではありません。計画書の準備物は「処遇改善加算の準備物チェックリスト(令和8年度)」にあります。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 年度の最後の月のサービス分の加算がいつ支払われるかを確かめ、その翌々月の末日を提出期日として書き出す
  2. 計画書で特定した賃金改善の対象項目(基本給、手当、賞与など)ごとに、年度の支給実績を賃金台帳から集計する
  3. 令和8年度に整備を誓約した事項がある場合は、整えた規程や計画と日付を一覧にして、報告する内容を決める
  4. 提出した実績報告書と根拠資料を、2年間保存する場所と担当者を決めて残す

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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