開業準備 / 更新 2026-10-14

訪問介護を法人で開業したときの法人税:税率15%・23.2%と申告・納付・中間申告の期限

訪問介護を法人で開業すると、国税の法人税を申告して納めます。このページは、国税庁の税率のページと法人税法の条文をもとに、資本金1億円以下の法人の税率、確定申告と納付の期限、期限を延ばす特例、中間申告が要る場合を整理します。地方税の法人事業税と法人住民税は別の記事で扱います。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

この記事で決めること

訪問介護を法人で開業した代表者が、国税の法人税について、資本金1億円以下の法人の税率、確定申告と納付の期限、期限の延長の特例、中間申告が必要になる場合を、国税庁の資料と法人税法の条文で確認するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、法人税の申告・納付の日程表(事業年度の開始日と終了日、確定申告と納付の期限、延長の特例を使うかどうか、中間申告の要否、相談する税理士または税務署)を作成できる状態を目指します。

資本金1億円以下の法人の税率は、所得が年800万円以下の部分で15%

国税庁「No.5759 法人税の税率」(令和8年4月1日現在の法令等)によると、資本金の額が1億円以下の法人などの税率は、所得が年800万円以下の部分で15%、年800万円を超える部分で23.2%です。対象は、各事業年度の終了の時に資本金が1億円以下の法人などで、資本金5億円以上の大法人との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人などは除かれます。このほかの法人の区分や所得の大きい年の税率は、国税庁のページの表で確認してください。

税額は所得に税率を掛けて出します。たとえば所得が600万円なら、600万円×15%=90万円です(当サイトの試算で、実際の税額は税理士か税務署に確認してください)。所得が1,000万円なら、800万円×15%=120万円に、超えた200万円×23.2%=46.4万円を足して、166.4万円になります。

ここでいう所得は、帳簿上の利益そのものではなく、税法のルールで計算した金額です。赤字の年は法人税が出ませんが、赤字を次の年以降に引き継ぐ仕組みは「訪問介護の開業初期の赤字を引き継ぐ青色欠損金の繰越控除」で確認できます。

資本金1億円以下の法人などの法人税の税率(国税庁の税率表から整理)
所得の区分税率
年800万円以下の部分15%
年800万円を超える部分23.2%

確定申告と納付は、事業年度の終了の翌日から2か月以内

法人税法第74条第1項は、内国法人は各事業年度終了の日の翌日から2月以内に、税務署長に対して申告書を提出しなければならないと定めています。第77条は、提出した申告書に納める税額があるときは、申告書の提出期限までに国に納付しなければならないと定めています。

つまり、申告の期限と納付の期限は同じ日です。たとえば事業年度が3月31日に終わる法人なら、2か月後の5月31日が期限の目安になります。期限が土日祝日にあたる場合の扱いは、このページでは確認していません。

事業年度は定款などで決める

法人税法第13条は、事業年度を、法令または定款などに定める会計期間としています。法令にも定款などにも会計期間の定めがない法人は、設立の日以後2月以内に会計期間を定めて税務署長に届け出る、という定めがあります。

期限の日付は事業年度の終わりの日から決まるので、開業前に事業年度の始まりと終わりを決めておくと、申告と納付の日程を逆算できます。事業年度をいつにするのが有利かは、このページでは判断しません。

決算が2か月以内に確定しない場合の延長の特例

法人税法第75条の2は、定款などの定めまたは特別の事情で、事業年度終了の日の翌日から2月以内に決算の定時総会が招集されない常況にあると認められる場合に、税務署長が法人の申請に基づいて申告書の提出期限を延長できると定めています。申請は、その事業年度の終了の日までに、申請書で行います。

会計監査人を置いている法人で、定款の定めにより3月以内に定時総会が招集されない場合は、4月を超えない範囲で税務署長が指定する月数が延長されます。小規模な訪問介護の事業所が使うかどうかは、定款の内容と決算の体制によるので、税理士か税務署に確認してください。

中間申告は、設立後最初の事業年度では要らない

法人税法第71条第1項は、普通法人の事業年度が6月を超える場合に、中間申告書を提出するという定めです。条文の括弧書きで、新しく設立された普通法人の設立後最初の事業年度は対象から除かれています。

2期目以降は、原則として前の事業年度の法人税額をもとに計算した金額が10万円以下の場合や、その金額がない場合は、中間申告書を出さなくてよいと書かれています。赤字で法人税額が出なかった場合の扱いなど、自社が該当するかは、税理士か税務署に確認してください。

開業計画への入れ方

法人税は、介護報酬の入金より後に納めます。納付の月に資金が足りるように、利益の見込みから税額を見積もり、「訪問介護の運転資金と資金繰り」の資金繰り表に納付の月を入れておきます。

地方税は「訪問介護を法人で開業したときの法人事業税」と「訪問介護を法人で開業すると赤字でもかかる法人住民税の均等割」、毎年の労務と税務の手続きの流れは「訪問介護事業所が毎年行う労務・税務の手続きカレンダー」で整理しています。

このページの範囲

このページが確認したのは、国税庁の「No.5759 法人税の税率」と、e-Gov法令検索の法人税法(第13条・第71条・第74条・第75条の2・第77条)です(2026-10-14に確認)。土地譲渡などの別の税率、地方法人税、青色申告の承認の手続きは確認していません。

個別の税額、申告の要否、延長の可否は判断しません。税理士か所轄の税務署に相談してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 定款に書く事業年度の開始日と終了日を決め、設立の日が属する1期目の終了日も書く
  2. 事業年度の終了日の翌日から2か月後の日を、確定申告と納付の期限として表に書く
  3. 決算が2か月以内に確定しない常況かどうかを確認し、延長の特例を使う場合は事業年度終了の日までに申請する予定日を表に書く
  4. 2期目以降に中間申告が必要になるかを、前の事業年度の法人税額で税理士か税務署に確認して表に写す

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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