運営 / 更新 2026-10-28
通所介護計画の作成(第99条):作成者・居宅サービス計画との関係・同意と交付・保存
通所介護では、利用者ごとの通所介護計画を作り、その計画に基づいてサービスを提供します。居宅基準第99条は、計画を作る人、居宅サービス計画との関係、利用者への説明・同意・交付、実施状況の記録を定めています。条文と、厚生労働省の解釈通知(老企第25号)の記載を原文で確認し、事業所が整えておく手順を整理します。
通所介護計画は、管理者が目標と具体的なサービス内容を書いて作る(第99条第1項)
第99条第1項は、指定通所介護事業所の管理者が、利用者の心身の状況、希望、置かれている環境を踏まえて、機能訓練等の目標と、その目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した通所介護計画を作ると定めています。計画を作る責任は管理者にあります。
第98条第1号は、通所介護の提供は、この通所介護計画に基づいて、利用者の機能訓練と日常生活を営むための必要な援助を行うと定めています。この定めは、計画に基づいて提供することを前提にしており、計画のない提供は想定されていません。
解釈通知は、通所介護が個々の利用者に応じて作成された計画に基づく一方で、グループごとにサービスを提供することは妨げないとしています。同じ時間帯に複数の利用者が同じ活動をしても、計画の目標と内容が利用者ごとに書かれていれば足ります。
この記事で決めること
通所介護計画を誰が作り、何に沿い、どう利用者へ説明して同意を得るかを、居宅基準第99条と老企第25号の解釈通知で確認する。実施状況の記録と2年間の保存も扱うための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、通所介護計画の作成・同意・交付の確認表(利用者ごと)を作成できる状態を目指します。
居宅サービス計画に沿って作る。作る人と作り方は解釈通知で確認する
第99条第2項は、すでに居宅サービス計画が作られている場合は、その内容に沿って通所介護計画を作ると定めています。計画は、ケアマネジャーが作った居宅サービス計画の内容に沿う必要があります。
解釈通知は、計画のとりまとめを、介護の提供に係る計画等の作成に経験のある人や、介護の提供について豊富な知識と経験を持つ人に行わせるとしています。事業所に介護支援専門員の資格を持つ人がいるときは、その人にとりまとめを行わせることが望ましいとも書いています。
解釈通知は、計画は、サービスの提供に関わる従業者が共同して、利用者ごとに作るものだとも書いています。管理者が一人で書いて終わりにせず、サービスの提供に関わる従業者が共同して作ります。
説明して同意を得て、交付する。実施状況と目標の達成状況を記録する(第99条第3〜5項)
第99条第3項は、管理者が、計画の内容を利用者またはその家族に説明し、利用者の同意を得なければならないと定めています。第4項は、計画を作ったときは、その計画を利用者に交付しなければならないと定めています。
解釈通知は、計画の目標と内容を利用者または家族に説明するとともに、その実施状況や評価についても説明するとしています。作った時点の説明だけでなく、計画の実施状況と評価も、利用者や家族に説明するものとされています。
第5項は、通所介護従業者が、利用者ごとに、計画に従ったサービスの実施状況と目標の達成状況を記録すると定めています。計画に書いた目標に対して、どこまでできたかを日々の記録で追える形にしておきます。
| 条文 | 定めていること | 事業所で整えるもの |
|---|---|---|
| 第99条第1項 | 管理者が、目標と具体的なサービスの内容等を記載した計画を作る | 利用者ごとの計画書(目標・内容) |
| 第99条第2項 | 居宅サービス計画があるときは、その内容に沿って作る | 居宅サービス計画との突き合わせの記録(条文が求める記録ではなく、運用上の例) |
| 第99条第3項・第4項 | 利用者または家族に説明して同意を得る。作ったら利用者に交付する | 同意と交付の記録(条文が求める記録ではなく、運用上の例) |
| 第99条第5項 | 従業者が、実施状況と目標の達成状況を記録する | 日々の記録、目標に対する達成状況の記録 |
| 第104条の4第2項第1号 | 通所介護計画を、その完結の日から2年間保存する | 計画書の保存場所と保存期間の管理 |
計画の保存、ほかの計画との関係、次に知りたいこと
第104条の4第2項は、通所介護計画を含む記録を、その完結の日から2年間保存すると定めています。同じ項に、提供したサービスの内容の記録、身体的拘束等の記録、苦情の記録、事故の状況と処置の記録も並んでいます。保存期間の数え方は指定権者の案内で確認します。
加算の算定要件にも、計画の作成や見直しが出てくることがあります。加算ごとの要件は通所介護の入浴介助加算と通所介護の個別機能訓練加算で確認できます。
計画づくりの前提になる人員の基準は通所介護の人員基準に、利用開始前の説明の書類は通所介護の重要事項説明書の記載事項にあります。この記事は、2026年10月28日に確認した条文と通知の掲載版の確認にとどまるため、計画書の様式や記載の水準は、指定権者の運営指導の案内で確認してください。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 居宅サービス計画(ケアプラン)の写しを受け取り、目標と利用の回数・時間が通所介護計画の案と食い違っていないかを突き合わせる
- 生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員など関わる従業者の意見を集め、とりまとめる人を決めて、目標と具体的なサービスの内容を書く
- 計画の内容を利用者または家族に説明して同意を得て、計画書を利用者に交付し、同意と交付の日付を記録する
- 従業者が、計画に従った実施状況と目標の達成状況を日々記録し、計画書と記録を完結の日から2年間保存する場所と担当を決める
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
通所介護計画は誰が作りますか?
居宅基準第99条第1項は、指定通所介護事業所の管理者が、利用者の心身の状況、希望、置かれている環境を踏まえて、機能訓練等の目標と具体的なサービスの内容等を記載した計画を作ると定めています。解釈通知は、計画づくりに経験のある人にとりまとめを行わせ、介護支援専門員の資格を持つ人がいればその人が望ましいとしています。
通所介護計画は、ケアプランとどう関係しますか?
第99条第2項は、すでに居宅サービス計画が作られている場合は、その内容に沿って通所介護計画を作ると定めています。居宅サービス計画の内容に沿う必要があります。
通所介護計画は、利用者に説明や交付が必要ですか?
必要です。第99条第3項は、内容を利用者またはその家族に説明して、利用者の同意を得ると定め、第4項は、作った計画を利用者に交付すると定めています。計画は、完結の日から2年間保存します(第104条の4第2項)。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について(平成11年9月17日老企第25号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)」(第三 訪問介護に関する基準)(確認日 2026-10-04)
- デジタル庁(e-Gov法令検索)「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(第九十五条 通所介護の設備及び備品等、第九十八条 具体的取扱方針、第九十九条 通所介護計画の作成、第百四条の四 記録の整備)」(第九十五条第四項、第九十八条、第九十九条、第百四条の四)(確認日 2026-10-28)