運営 / 更新 2026-10-05

訪問介護の指定更新(6年ごと):介護保険法第70条の2と申請書類

訪問介護の指定は、一度受ければずっと有効というものではありません。介護保険法は、指定を6年ごとに更新しないと効力を失うと定めています。この記事は、更新の効力に関する条文、更新申請で出す書類、更新できない場合を、法令と東京都の案内で確認できた範囲で整理します。受付期間の日付や入力方法は指定権者ごとに異なるため、個別の手続は指定権者の案内で確認してください。

この記事で決めること

訪問介護事業者が、指定は6年ごとに更新しないと効力を失うこと(介護保険法第70条の2)、更新申請に必要な書類(施行規則第114条第2項・第3項)、更新の申請があって満了日までに処分がないときの扱いを、条文から確認し、東京都の案内を例に更新できない場合と手続の流れを整理するための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、指定の有効期間満了日と更新申請の準備表を作成できる状態を目指します。

指定は6年ごとに更新しないと効力を失う(介護保険法第70条の2)

第70条の2第1項は、指定居宅サービス事業者の指定は6年ごとに更新を受けなければ、その期間の経過によって効力を失うと定めています。更新の手続をしないまま有効期間が過ぎると、指定そのものがなくなります。指定は事業所とサービスの種類ごとに行われるため(第70条第1項)、サービスごとに有効期間の満了日が異なる場合があります。

第2項は、更新の申請があったのに、有効期間の満了の日までに処分がされないときの扱いを定めています。その場合、従前の指定は満了後も、処分がされるまでの間はなお効力を有します。第3項は、更新がされたときの新しい有効期間を、従前の有効期間の満了の日の翌日から数えるとしています。

指定の更新に関する介護保険法第70条の2の定め(e-Govの現行条文、取得2026-10-05)
項定めていること実務で確認すること
第1項指定は6年ごとに更新を受けなければ、期間の経過によって効力を失う事業所・サービスごとの有効期間満了日
第2項更新の申請があり、満了日までに処分がされないときは、処分がされるまで従前の指定が有効申請を満了日までに済ませたか(申請の受付期間は指定権者が定める)
第3項更新後の有効期間は、従前の満了日の翌日から起算する更新後の満了日の記録
第4項第70条(指定の申請と欠格事由)の規定を更新に準用する新規の指定と同じ欠格事由の確認

更新申請で出す書類(施行規則第114条第2項・第3項)

訪問介護の更新申請は、事業所の所在地を管轄する都道府県知事に、申請書または書類を提出して行います(施行規則第114条第2項)。記載する事項は、新規の指定申請(第1項)の各号から、開始予定年月日と誓約書を除いたものに、現に受けている指定の有効期間の満了日と誓約書を加えたものです。申請書は厚生労働大臣が定める様式によります(第5項)。

第3項は、申請者が既に都道府県知事に提出している事項のうち、登記事項証明書または条例等、事業所の平面図、利用者の推定数、管理者とサービス提供責任者、運営規程、苦情を処理する措置の概要、従業者の勤務の体制及び勤務形態に変更がないときは、都道府県知事が記載や書類の提出を省略させることができると定めています。省略させるかどうかは都道府県知事の判断にあるため、実際にどの書類が必要かは指定権者の案内で確認します。

新規の指定申請と更新申請の記載事項の違い(施行規則第114条)
事項新規の指定申請(第1項)更新申請(第2項)
事業所の名称・所在地、申請者の名称・代表者など記載する記載する
事業の開始の予定年月日記載する記載しない
登記事項証明書又は条例等、平面図、利用者の推定数、管理者・サービス提供責任者、運営規程、苦情処理の措置の概要、勤務の体制記載する記載する(変更がなければ省略させることができる)
現に受けている指定の有効期間満了日なし記載する
欠格事由に該当しないことの誓約書提出する提出する

更新できない場合と、東京都の案内で確認できる手続の流れ

第70条の2第4項は、第70条の規定を更新に準用しています。そのため、新規の指定で指定をしてはならない場合として第70条第2項に並べられた事由(人員や運営の基準を満たさない、拘禁刑以上の刑や罰金の刑を受けた者、指定の取消しから5年を経過しない者など)は、更新でも判断の対象になります。個々の事由に当たるかどうかの判定はこの記事では行いません。訪問介護の指定申請における欠格事由で整理しています。

東京都福祉局の事業者指定更新のページでは、東京都の例として次の点が確認できます。取消し処分を受けるなど不祥事を起こした事業者、人員・設備及び運営に関する基準に違反している事業所、休止中の事業所は更新できないとされています。更新時期が来た事業所には、公益財団法人東京都福祉保健財団から手続の案内が封書で届き、指定更新申請の受付期間より前の申請は受け付けられません。令和8年4月からは原則として電子申請・届出システムで申請し、GビズIDが必要です。更新の手続をしなかった場合は、有効期間の満了をもって指定の効力を失います。

ここで書いた手続は東京都の例です。東京都以外の指定権者では、案内の届き方、受付期間、申請方法が異なる可能性があります。事業所の指定権者の案内で、受付期間と申請方法を確認してください。

指定更新で、東京都のページから確認できたこと(取得2026-10-05)
項目東京都のページの記載他の指定権者
有効期間6年。6年ごとに更新を受ける介護保険法第70条の2に基づく全国共通の定め
更新できない事業所取消し処分を受けるなど不祥事を起こした事業者、基準に違反している事業所、休止中の事業所指定権者の案内で確認
案内の届き方更新時期が来た事業所に財団が手続の案内を送り、受付期間が到達した事業所には封書で通知が届く指定権者の案内で確認
申請方法令和8年4月から原則、電子申請・届出システム(GビズID)指定権者の案内で確認
受付期間期間より前の申請は受け付けられない(日付は案内の表で確認)指定権者の案内で確認

更新に備えて事業所で整えておくことと、関連する記事

更新の準備は、満了日の把握から始まります。指定通知書などで事業所とサービスごとの満了日を確かめ、指定権者の受付期間を知って、そこからさかのぼって日程を決めます。第2項の扱い(処分がされるまで従前の指定が有効)は、更新の申請があって満了日までに処分がされないときのものです。申請は指定権者の受付期間内に行うものなので、受付期間と満了日の両方を記録に残しておくと確認しやすくなります。

更新時に提出済みの書類と現状が食い違っていないかも点検します。事業所の名称や所在地、管理者などに変更があれば、変更届の期限(変更から10日以内)があります。期限の整理は訪問介護の指定後の変更・更新・休止・廃止で、管理者とサービス提供責任者の変更届は訪問介護の管理者・サービス提供責任者の変更届(変更後10日以内・介護保険法第75条・東京都の様式)で確認できます。休止中の事業所は更新できないとされる点は、訪問介護事業所の閉鎖手続き(休止・廃止・再開届)を期限から確認すると合わせて読んでください。

新規の指定申請の流れは訪問介護の指定申請と開業ロードマップにあります。更新の可否や必要書類の個別の判断は、この記事では行いません。更新を受けられるかどうかは指定権者が判断するため、疑問があるときは更新時期より前に指定権者へ相談してください。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 指定通知書などで、事業所ごと・サービスごとの指定の有効期間満了日を確認し、一覧にする
  2. 指定権者の案内(東京都なら財団から届く更新手続の案内)で、更新申請の受付期間と申請方法(電子申請か紙か)を確認し、満了日からさかのぼって準備の日程を決める
  3. 既に提出済みの登記事項証明書、平面図、管理者とサービス提供責任者、運営規程、勤務体制などに変更がないかを点検し、変更があれば変更届が出ているかを確認する
  4. 誓約書の内容に当たる事実がないか、人員基準などの違反や休止中の状態がないかを確認し、判断がつかない点は指定権者へ相談する

一次資料

制度の確認に使用した公的一次資料です。個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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