運営 / 更新 2026-10-24

居宅介護支援の退院・退所加算:450〜900単位の5区分と情報提供の回数

退院・退所加算は、居宅介護支援の事業所が算定する加算で、単位数は450〜900単位です。病院や介護保険施設から在宅に戻る利用者について、職員と面談して情報を受け、居宅サービス計画を作ったときに算定します。区分は、情報提供を受けた回数と、カンファレンスがあったかどうかで決まります。

事務机に置かれたノートパソコンと書類・手帳の写真

5区分の単位数と、区分を分ける基準

退院・退所加算は5区分で、単位数は450〜900単位です。厚生労働省の法令データに載る平成12年厚生省告示第20号の別表で、2026年10月24日に確認しました。(Ⅰ)イから(Ⅲ)までの単位数は、下の表のとおりです。

区分を分ける基準は、別の告示(平成27年厚生労働省告示第95号の第八十五号の二)にあります。病院、診療所、地域密着型介護老人福祉施設、介護保険施設の職員から、利用者に係る必要な情報の提供を何回受けたか、そのうちカンファレンスによる提供があったかで分かれます。

退院・退所加算の区分(告示の原文で確認)
区分単位数情報提供を受けた回数と方法
(Ⅰ)イ450単位カンファレンス以外の方法で1回
(Ⅰ)ロ600単位カンファレンスにより1回
(Ⅱ)イ600単位カンファレンス以外の方法で2回以上
(Ⅱ)ロ750単位2回受けており、うち1回以上はカンファレンス
(Ⅲ)900単位3回以上受けており、うち1回以上はカンファレンス

この記事で決めること

居宅介護支援の退院・退所加算の5つの区分が、病院や施設の職員から情報提供を受けた回数とカンファレンスの有無でどう分かれるか、算定の単位と併算定できない加算を知りたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。

読み終えたら、退院・退所の情報提供の記録表(1枚):利用者ごとに、情報を受けた日、提供元の職員、方法(カンファレンスか、それ以外か)、回数の合計、当てはまる区分、初回加算との重複の確認を作成できる状態を目指します。

算定できる場面と、1回の限度

対象は、病院や診療所に入院していた人と、地域密着型介護老人福祉施設や介護保険施設に入所していた人です。退院または退所して、その居宅で居宅サービスや地域密着型サービスを使う場合に算定します。

算定には、職員と面談して必要な情報の提供を受けたうえで居宅サービス計画を作り、サービスの利用に関する調整を行うことが要ります。調整は、居宅サービスと地域密着型サービスの利用開始月に行う場合に限られます。

算定は、入院または入所の期間中につき1回が限度です。入院中に情報提供を何回か受けたときも、加算が何回も付くのではなく、受けた回数と方法に応じた1つの区分を算定する形になります。

区分の当てはめ方の例

たとえば、入院中に病院の職員から、カンファレンスを開かずに電話と書面で2回の情報提供を受けたなら、告示の文言では(Ⅱ)イ(600単位)に当たります。同じ2回のうち1回がカンファレンスによるものなら、(Ⅱ)ロ(750単位)です。

カンファレンスが1回だけなら(Ⅰ)ロ(600単位)です。カンファレンスを含めて3回以上の情報提供を受けたときが(Ⅲ)(900単位)です。区分は、実際に受けた回数と方法の記録から決まるので、いつ、誰から、どの方法で受けたかを日付つきで残しておくと、区分を確かめやすくなります。

カンファレンスと認められる開き方や、構成員の範囲、記録の様式は、告示には書かれていません。算定の通知で確かめる事項で、この記事では確認していません。

併せて算定できない加算

退院・退所加算の5つの区分は、いずれか1つを算定し、ほかの区分は算定しません。さらに、初回加算を算定する場合は、退院・退所加算は算定しません。

初回加算の算定の仕方は居宅介護支援の初回加算で確かめてください。退院後の最初の月に、新規の居宅サービス計画を作る場面では、どちらを算定するかの整理が要ります。

施設に入所していた人が、在宅・入所相互利用加算を算定する場合の退所は、告示の注で退院・退所加算の対象から除かれています。

特定事業所医療介護連携加算の実績にも数えられる

退院・退所加算は、それ自体の単位数のほかに、特定事業所医療介護連携加算(125単位)の実績の要件にも関わります。告示の基準では、前々年度の3月から前年度の2月までの間に、退院・退所加算の算定に係る病院などとの連携の回数の合計が35回以上であることが、要件の1つです。

この連携の回数は、先の告示の第八十五号の二に規定する、情報の提供を受けた回数をいいます。つまり(Ⅲ)で3回の情報提供を受けていれば、3回として数えます。ほかに、ターミナルケアマネジメント加算を15回以上算定していることと、特定事業所加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれかを算定していることも要件です。

この加算を目指す事業所は、算定の有無だけでなく、情報の提供を受けた回数を事業所の記録で数えておく必要があります。ターミナルケアマネジメント加算はターミナルケアマネジメント加算の記事にまとめています。

訪問介護の事業所から見ると

退院直後の利用者に訪問介護が入るとき、退院・退所加算の面談や調整は、ケアマネジャーが病院や施設と行います。訪問介護の事業所は、その結果を居宅サービス計画とサービス担当者会議で受け取る立場です。退院前カンファレンスから初回訪問までの流れは、別の記事(退院前カンファレンスから初回訪問まで)で扱っています。

訪問介護の事業所が、退院・退所加算の算定の可否を判断したり、ケアマネジャーに算定を求めたりする立場にはありません。個別の利用者の算定は、居宅介護支援の事業所と指定権者の判断です。

この記事で確認した範囲と、次に知りたいこと

2026年10月24日に、告示の別表と、厚生労働大臣が定める基準の原文を確認しました。確かめたのは、単位数、区分の基準、算定の場面、1回の限度、併算定の制限、35回の要件です。面談の記録の様式、カンファレンスの構成員、算定月の細目は、算定の通知で確かめる事項で、確認していません。

ほかの医療連携の加算は居宅介護支援の医療連携の加算、特定事業所加算の全体は居宅介護支援の特定事業所加算にまとめています。

実行チェックリスト

次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。

  1. 病院や施設の職員から利用者の情報を受けるたびに、日付、提供元、カンファレンスかそれ以外の方法かを、記録表の1行として残す
  2. 入院または入所の期間ごとに、受けた回数とカンファレンスの有無を数え、告示の5区分のどれに当たるかを表で照らし合わせる
  3. 同じ利用者で初回加算を算定しないか、在宅・入所相互利用加算の退所に当たらないかを、請求の前に確かめる
  4. 特定事業所医療介護連携加算を目指す場合は、前々年度の3月から前年度の2月までの情報提供を受けた回数を事業所全体で数え、算定の細目は指定権者の最新の案内で確かめる

一次資料

個別地域の運用は指定権者で確認してください。

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