運営 / 更新 2026-10-24
居宅介護支援のターミナルケアマネジメント加算:400単位の要件と令和6年度改定で変わった点
ターミナルケアマネジメント加算は、居宅介護支援の事業所が、在宅で亡くなった利用者について、最期の時期に居宅を訪問して記録を残したときに算定する加算で、400単位です。令和6年度の改定で、対象が末期の悪性腫瘍の人に限られなくなりました。このページは、告示の原文で、算定の要件と改定で変わった点を整理します。
400単位で、算定の条件は5つ
厚生労働省の法令データに載る平成12年厚生省告示第20号の別表では、ターミナルケアマネジメント加算は400単位で、1月につき加算します。2026年10月24日に確認した版は、令和8年告示第87号(令和8年6月1日施行)の附則まで収録しています。この加算の文言は、令和6年度の改定資料と同じでした。
算定の条件は、告示の注から読むと5つです。1つ目は、在宅で死亡した利用者であること。2つ目は、市町村長に届出をした事業所であること。
3つ目は、終末期の医療やケアの方針に関する、利用者または家族の意向を把握していること。4つ目は、死亡日と死亡日前14日以内に2日以上、同意を得て居宅を訪問していること。5つ目は、訪問で記録した心身の状況などを、主治の医師と居宅サービス事業者に提供していることです。
この記事で決めること
居宅介護支援のターミナルケアマネジメント加算の単位数、算定の要件、令和6年度改定で変わった点(対象疾患・特定事業所医療介護連携加算の回数)を知りたい人向け。ための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、看取り期の訪問・記録の確認表(1枚):利用者ごとに、意向を把握した日、訪問した日、記録を渡した相手と日、届出の有無、指定権者に確かめた日と回答を作成できる状態を目指します。
要件を順に読む
意向の把握は、訪問の前に置かれた条件です。告示は、終末期の医療やケアの方針に関する意向を把握したうえで訪問する、という順に書いています。把握の方法や記録の様式は告示には書かれておらず、留意事項通知で確かめる事項です。
訪問の回数は「その死亡日及び死亡日前14日以内に2日以上」です。2日の数え方(死亡日を含むか、同じ日の複数回をどう数えるか)の細目は、この記事では確認していません。訪問は、利用者または家族の同意を得て行うことも条件です。
記録の提供先は、主治の医師と、居宅サービス計画に位置付けた居宅サービス事業者です。訪問介護が計画に入っている利用者なら、訪問介護の事業所も提供先に含まれます。
届出は、電子情報処理組織を使用する方法で、市町村長に、老健局長が定める様式により行います。届出をしていない事業所は、ほかの条件を満たしても算定できません。
令和6年度の改定で変わった点
厚生労働省の令和6年度介護報酬改定の資料(改定事項)では、改定前の対象は「在宅で死亡した利用者(末期の悪性腫瘍の患者に限る。)」でした。改定後は、この括弧書きが外れ、終末期の医療やケアの方針に関する利用者または家族の意向を把握したうえで訪問することが要件の文言に入っています。資料の概要には、自宅で最期を迎えたい利用者の意向を尊重する観点と、医師が一般に認められている医学的知見に基づいて回復の見込みがないと診断した人が対象になる、という説明があります。
診断の確認の仕方など、医師の診断を算定の場面でどう確かめるかは、この記事の資料には書かれていません。個別の利用者が対象になるかは、指定権者に確かめてください。
| 項目 | 改定前 | 改定後(現行) |
|---|---|---|
| 対象の利用者 | 在宅で死亡した利用者(末期の悪性腫瘍の患者に限る) | 在宅で死亡した利用者(疾患の限定なし) |
| 意向の把握 | 要件の文言になし | 終末期の医療やケアの方針に関する意向を把握したうえで訪問する |
| 訪問 | 死亡日と死亡日前14日以内に2日以上 | 同じ |
| 単位数 | 改定資料に変更の記載なし | 400単位(現行の告示) |
特定事業所医療介護連携加算の回数も変わった
同じ改定で、特定事業所医療介護連携加算の実績の要件も変わりました。前々年度の3月から前年度の2月までの間に、ターミナルケアマネジメント加算を算定した回数が、5回以上から15回以上になりました。
資料には経過措置があります。令和7年3月31日までは従前の例です。
令和7年4月1日から令和8年3月31日までは、令和6年3月の算定回数を3倍にして、令和6年4月から令和7年2月までの算定回数を足した数が15以上であればよい、とされています。この期間は2026年3月31日で終わっているため、2026年10月時点では15回以上の要件を見る場面になります。ほかの要件を含む加算の全体は居宅介護支援の特定事業所加算で整理しています。
訪問介護の事業所から見ると
在宅で看取りに入る利用者のケアマネジャーが死亡日前14日以内に2日以上訪問し、記録を事業所に渡すことが、この加算の条件の一部です。訪問介護の事業所は、記録の提供先として、利用者の心身の状況の変化を受け取る立場になります。訪問介護そのものの看取り期の対応は、別の記事(看取り期の対応)で扱っています。
同じ法人で居宅介護支援の事業所を併設するときは、公正中立の線を別の記事(併設するときの線)で確かめてください。
この記事で確認した範囲と、次に知りたいこと
2026年10月24日に、告示の別表(厚生労働省の法令データ)と、令和6年度介護報酬改定の改定事項の資料の原文で、400単位、届出、訪問の要件、記録の提供先、改定前後の対象、15回の要件と経過措置を確かめました。留意事項通知にある算定月、連絡体制、訪問回数の数え方の細目は確認しておらず、書いていません。
ほかの医療連携の加算の単位数と算定の単位は居宅介護支援の医療連携の加算、基本の単位数は居宅介護支援費の単位数にまとめています。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- ターミナルケアマネジメント加算の届出を指定権者に出しているかを確かめ、出していなければ届出の様式と提出先を指定権者に問い合わせる
- 在宅で看取りに入る利用者について、終末期の医療やケアの方針に関する利用者または家族の意向を把握した日と内容を、居宅サービス計画の記録に残す
- 死亡日と死亡日前14日以内の訪問を日付で数え、2日以上になっているか、各訪問に利用者または家族の同意があるかを表で点検する
- 訪問で記録した心身の状況を、主治の医師と居宅サービス計画に位置付けた居宅サービス事業者に渡した日を表に書き、算定の細目は指定権者の最新の案内で確かめる
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 厚生労働省老健局「令和6年度介護報酬改定における改定事項について(居宅介護支援の特定事業所加算の見直し・ターミナルケアマネジメント加算等の見直し)」(1.(1)①「居宅介護支援における特定事業所加算の見直し」(算定要件等の表)、1.(4)⑥「ターミナルケアマネジメント加算等の見直し」)(確認日 2026-10-17)
- 厚生労働省「指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第20号)別表 指定居宅介護支援介護給付費単位数表」(別表 イ 居宅介護支援費(1)(Ⅰ)(i)〜(iii)・(2)(Ⅱ)(i)〜(iii)、注1(取扱件数の計算)、注2(情報処理システムの利用と事務職員の配置、届出)、注11)(確認日 2026-10-19)