参入判断 / 更新 2026-10-17
訪問介護の事業計画に使う65歳以上の単独世帯の将来推計(全国・令和6年推計)
世帯主が65歳以上の単独世帯(高齢の一人暮らし)は、2020年の738万世帯から2050年に1,084万世帯へ、1.47倍になる見通しです。これは国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)令和6(2024)年推計」の数字です。この記事は令和6年4月12日公表の概要(令和2年の国勢調査を基に2050年までを5年ごとに求めた推計)の表4・表5・表6を2026年10月17日に確認し、訪問介護の事業計画に関わる数字を整理したもので、世帯の数の推計であり、訪問介護の利用者数や売上の予測ではありません。
65歳以上の単独世帯:2020年の738万世帯から2050年の1,084万世帯へ
概要の表4で、世帯主が65歳以上の単独世帯は、令和2(2020)年の737万8千世帯から、2030年に887万世帯、2040年に1,041万3千世帯、2050年に1,083万9千世帯へ増える推計です。2050年の指数(2020年を100)は147で、世帯主65歳以上の世帯全体の115より増え方が大きく、夫婦のみの世帯は94と減ります。
世帯主65歳以上の世帯に占める単独世帯の割合は、2020年の35.2%から2030年の39.6%、2040年の43.2%、2050年の45.1%へ上がります。一般世帯総数に占める65歳以上の単独世帯の割合も、2020年の13.2%から2050年の20.6%へ上がる推計です。
| 年次 | 単独世帯 | 夫婦のみの世帯 | 65歳以上世帯に占める単独世帯の割合 |
|---|---|---|---|
| 2020年 | 7,378 | 6,749 | 35.2% |
| 2030年 | 8,870 | 6,614 | 39.6% |
| 2040年 | 10,413 | 6,563 | 43.2% |
| 2050年 | 10,839 | 6,363 | 45.1% |
この記事で決めること
訪問介護の事業計画を立てる人が、国立社会保障・人口問題研究所の世帯数の将来推計(令和6年推計・全国)で、世帯主65歳以上・75歳以上・85歳以上の単独世帯の数と割合の2050年までの向き、男女別の独居率を確かめ、一人暮らしの高齢者が増える見通しを事業計画の前提に使うための考え方と確認順を整理します。
読み終えたら、世帯主65歳以上・75歳以上・85歳以上の単独世帯の2020年・2030年・2040年・2050年の数を書き写した表と、事業計画の需要の前提に使う向きの記録を作成できる状態を目指します。
年齢が高いほど増え方が大きい:75歳以上と85歳以上の単独世帯
世帯主が75歳以上の単独世帯は、2020年の417万2千世帯から2050年の704万世帯へ1.69倍に、85歳以上の単独世帯は146万9千世帯から276万9千世帯へ1.88倍になる推計です。65歳以上全体の1.47倍より、年齢が高い層ほど増え方が大きくなっています。
85歳以上の単独世帯は一本調子には増えません。2030年の225万6千世帯から2040年の289万1千世帯まで増えたあと、2045年は273万9千世帯、2050年は276万9千世帯で、2040年が最も多い推計です。概要は、団塊の世代が2035年に85〜89歳になることなどが、75歳以上・85歳以上の世帯の増減に影響すると説明しています。
85歳以上の世帯に占める単独世帯の割合は、2020年の48.2%から2040年に50.7%と半数を超え、2050年は51.4%です。
| 世帯主の年齢 | 2020年 | 2030年 | 2040年 | 2050年 | 2050年の指数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 65歳以上 | 7,378 | 8,870 | 10,413 | 10,839 | 147 |
| 75歳以上 | 4,172 | 5,770 | 6,108 | 7,040 | 169 |
| 85歳以上 | 1,469 | 2,256 | 2,891 | 2,769 | 188 |
独居率:男性の割合が上がり、女性との差が縮まる
概要の表6は、65歳以上の人口のうち、ひとり暮らしの人の割合(独居率)を男女別に示しています。65歳以上の独居率は、男性が2020年の16.4%から2050年の26.1%へ、女性が23.6%から29.3%へ上がる推計です。2020年は女性が7.2ポイント高く、2050年は3.2ポイントの差まで縮まります。
概要は、過去の未婚率の上昇を反映して男性の独居率が今後急激に上がると説明しています。85歳以上に限ると、2050年の独居率は男性が22.4%、女性が32.2%です。独居率は施設に入っている人も分母に含めた、65歳以上の人口に占める割合で、介護を必要とする人の割合ではありません。
推計の読み方:世帯の数は訪問介護の利用者数ではない
この推計が示すのは世帯の数で、介護の認定を受けた人や訪問介護を使う人の数は含まれていません。単独世帯の全員が訪問介護を使うわけではなく、生活援助中心型を算定できる利用者の要件は単身世帯に限られません。要件は「訪問介護の生活援助中心型(ロ)を算定できる利用者の要件(単身世帯・家族等が家事困難)」で確認できます。
この推計は全国のみで、都道府県別・市区町村別の数字は含みません。公表ページは、国勢調査以降の都道府県・市区町村別の世帯数は「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」、過去の世帯数は国勢調査を見るよう案内しています。開業を考える地域の75歳以上人口の向きは「訪問介護の商圏の75歳以上人口の将来推計:都道府県別の2040年指数と市区町村の差」で確かめられます。
推計は仮定の積み重ねで、見直されると数字が変わります。概要は、前回(平成30(2018)年)推計とは手法が異なるため厳密には比べられないとしたうえで、2040年の単独世帯(全年齢)が今回は2,442万世帯、前回は1,994万世帯で、今回のほうが447万世帯多いと記しています。この記事の数字も、将来の推計の更新で変わる可能性があります。
事業計画に使うときの確認の順序
次の表は、この推計を訪問介護の事業計画に使うときの手順の例です。制度が定めた手順ではなく、確認の順序の一例です。
| 手順 | 確認すること | 使う資料 |
|---|---|---|
| 1. 全国の向きを見る | 65歳以上・75歳以上の単独世帯が増える向きと、85歳以上は2040年が最も多い推計であること | 概要の表4・表5 |
| 2. 地域の世帯数を確かめる | 開業を考える市区町村の世帯数と、65歳以上の単独世帯の数 | 国勢調査、住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査 |
| 3. 商圏の人口の向きを見る | 訪問できる範囲の75歳以上人口の2040年の向き | 訪問介護の商圏・需要・競合の調べ方 |
| 4. 計画へ反映する | 訪問件数の上限の前提に、確かめた世帯の数の向きを記録し、利用者数の予測とは分けて書く | 訪問介護の訪問件数上限の決め方(商圏需要・職員時間から算出) |
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開業を考える地域の75歳以上人口の向きは、訪問介護の商圏の75歳以上人口の将来推計:都道府県別の2040年指数と市区町村の差で確認できます。
一人暮らしの利用者に生活援助中心型を算定できる条件は、訪問介護の生活援助中心型(ロ)を算定できる利用者の要件(単身世帯・家族等が家事困難)で整理しています。
世帯数や人口を商圏の需要と競合の調査につなげる手順は、訪問介護の商圏・需要・競合の調べ方で扱っています。
認知症の高齢者の数の見通しは、訪問介護の事業計画に使う認知症高齢者数の将来推計(2040年584万人)で確認できます。
実行チェックリスト
次の順に確認します。未確認の項目は推測で埋めず、担当と確認期限を残してください。
- 概要の表4で、世帯主65歳以上・75歳以上・85歳以上の単独世帯の世帯数を、2020年・2030年・2040年・2050年について書き写す
- 表5の2050年の指数(2020年を100)を見て、年齢が高い層ほど単独世帯の増え方が大きいか、85歳以上が2040年をピークに向きが変わるかを書き添える
- 候補地の世帯数を、国勢調査と住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査で確かめ、全国の向きと同じか違うかを記録する
- 確かめた向きを、訪問件数の上限と生活援助・身体介護の件数の前提として事業計画に書き、世帯の数であって利用者数ではないことを注記する
関連ガイドで計画をつなぐ
隣接する判断をつなぎ、記事単体で計画を止めないためのガイドです。
よくある質問
迷いやすい範囲と確認順を、質問ごとに整理します。
高齢の一人暮らしの世帯は、今後どのくらい増える見通しですか?
国立社会保障・人口問題研究所の令和6(2024)年推計(全国)では、世帯主が65歳以上の単独世帯は、令和2(2020)年の738万世帯から令和32(2050)年の1,084万世帯へ、1.47倍になる見通しです。世帯主65歳以上の世帯に占める単独世帯の割合も、35.2%から45.1%へ上がります。
85歳以上の単独世帯は、2050年まで増え続けますか?
増え続けません。世帯主85歳以上の単独世帯は、2030年の226万世帯から2040年の289万世帯まで増えたあと、2045年は274万世帯、2050年は277万世帯と、2040年が最も多い推計です。概要は、団塊の世代が2035年に85〜89歳になることが、85歳以上の世帯の増減に影響すると説明しています。
単独世帯が増えれば、訪問介護の利用者も同じように増えますか?
この推計は世帯の数であり、介護の認定を受ける人や訪問介護を使う人の数は含みません。全国の推計のみで、都道府県別・市区町村別の数字もありません。開業を考える地域の世帯数や利用の実績は、国勢調査や介護サービス施設・事業所調査などで別に確かめます。
一次資料
個別地域の運用は指定権者で確認してください。
- 国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)令和6(2024)年推計(概要・令和6年4月12日公表)」(確認日 2026-10-17)